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スクラムマスターにとってのマネジングアップとは

こんにちは。天野です。

先日のスクラムフェス大阪で、横道さんのキーノートに「マネジングアップ(Managing Up)」という言葉が登場しました。

マネジングアップとは、次のように説明されています。

"「Managing up」とは、上司や上級管理職との効果的な関係を築き、自分の仕事やプロジェクトを成功させるために積極的に関与し、影響を与えることを指します。”

https://speakerdeck.com/ykmc09/managing-up?slide=34

最近はマネージャーとして活動している自分にとって、マネジングアップはする側とされる側の両方を考える非常に興味深いテーマでした。今日は、スクラムマスターのマネジングアップについて考えてみたいと思います。


スクラムマスターの「上司」は誰なのか

私は今はスクラムマスターのマネージャーをしているので、自社のスクラムマスターにとっては私が「上司」です。しかし、多くの組織ではスクラムマスターの「上司」にはさまざまなケースがあります。チームごとにマネージャーを置くケース、部署や事業部単位でマネージャーがいるケース、アジャイル推進室とレポートラインがあるケースなどが考えられます。

私がマネージャーになる前のスクラムマスターだった頃は、エンジニア時代のマネージャーが引き続き私をマネジメントしてくれていました。当時は視野が狭く、マネジングアップどころか利己的なわがままをぶつけてばかりだったと思います。

スクラムマスターの上司はリスクを背負っている

チェンジエージェントとしてアジャイルを推進するスクラムマスターは、周囲と摩擦を起こしやすい存在です。そのため、スクラムマスターが心折れないようサポートすることは上司の責任ですが、上司もリスクを背負っています。

新しい役割や責任を作ることは、上司にリスクをもたらします。スクラムマスターが成果を出せなければ、上司の立場が脅かされます。スクラムマスターとして活動し成長することは、上司を成功させることと同義です。

リスクを背負う上司の立場とニーズを理解し、積極的に働きかけ信頼関係を築くことが重要です。例えば、否定的な役員の理解を得られる成果を上司が求めている場合があります。

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