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組織でのアジャイル実践に必要な構成要素が少しずつ見えてきた

こんにちは。天野です。

ここ数年、自律的なチーム主体の環境を整える中で、組織レベルでのアジャイル実践に取り組んできました。その過程で課題に取り組みながら、試行錯誤を繰り返す中で、組織でアジャイルを実践するのに必要な構成要素のようなものが少しずつ見えてきました。


アジャイルな組織運営に必要な3つの構成要素

スクラムガイドの構成(役割・作成物・会議体)を参考に、組織レベルのアジャイル実践に必要な要素を3つに整理してみます。

1. 組織構造と役割

組織構造は、組織の振る舞いを決定する重要な要素です。私が特に重視しているのは以下の点です:

  • クロスファンクショナルで自律的な自己管理型チームを基本単位とする

  • 価値提供の単位(多くの場合、事業やプロダクト)でチームをまとめる

  • チーム、プロダクト、組織全体の各レイヤーで1名の責任者を置く

この構造により、各レイヤーでの意思決定者が常に1名自明になり、迅速な判断と行動が可能になります。多くの組織で似たような指揮命令系統がありますが、構成要素としての自己管理型チームを守ることと、責任者からチームへ本当の意味で権限委譲されている状態を作ることが重要です。

2. 作成物(目標の可視化)

組織の活動に透明性を持たせるために必要な作成物は、目標ではないかと思います。アジャイルな組織での目標の見える化では、OKRが最も普及しているツールでしょう。

我々はSpotify RhythmのBets Boardを参考にしていますが、次のような点を意識しています。

  • 組織全体だけでなく各レイヤーで目標を設定する

  • 定期的な見直しと更新を行う

  • 各目標(Bets Board Item)に担当者を置き、責任を明確化する

  • 担当者には週次でレポーティングを行う

これにより、組織全体の目標が透明化され、各チームが何に取り組むべきか判断できるようになります。最後のレポーティングは公開の場所にすることで、直接関係のないチームも状況を把握できるようになりました。

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