#7 〇〇さんにはバレバレです
前回の続き。
朝から恋人と長電話して、僕は一人でドライブしに行った。向かうのは房総半島の最南端だ。
綺麗な海を横目に、海岸沿いを走った。
夕方には最南端の野島崎に到着し、そこで車中泊することにした。最寄りのセブンイレブンでパンを買った。
夜、恋人と茨城へ行くときの宿を決めた。
恋人は宿を見るのが好きなようで、沢山探してくれた。そして二つに絞って提案してくれた。なんてできる子なんだろう……。おかげで宿はすぐに決まった。とても助かった。温泉があるちょっといいホテルだ。楽しみ!
翌日は勝浦へ向かった。
恋人はこの日、ご両親が家に来る予定だ。
昼下がり、岬で海を眺めていたら恋人から連絡が来た。
「ママンに〇〇さんのお話沢山しちゃいました!笑」
恋人はお母様になんでも話してしまう。
沢山話しちゃったということは、希望的観測だけど、きっと楽しそうに話したんだろうな。
「お酒飲まないのとタバコ吸わないのと節約家のところ褒めてましたよ!」
ありがたいことに、お母様の株が上がっている…
僕は浪費家ではないけれど節約家でもない気がする。僕は見かけによらずよく食べるし、車旅が好きでよく出かける。
「俺は酒もタバコも要らないけれど、ガソリンとご飯は要る…」
すると、そんな俺を見抜いていたかのように
「おでかけ好きなのも知ってるよ!だから節約家だけどご飯めちゃめちゃ食べるしガソリン使ってるって話もちょうどした笑」
「〇〇ちゃんはよく分かってますね…
もうバレバレですね」
「〇〇さんにはバレバレだし、
〇〇さんのママにももうバレバレです←」
最後の言葉が一番嬉しかった。
「私はあなたのこと、ちゃんと知ってるんだよ」って言ってくれているようだったから。
私は知ってるよ
私はちゃんと見てるよ
っていう人がいると嬉しい。
(意味を取り違えると怖い言葉でもある)
大学時代に『orange』という少女漫画を読んだ。
2月に恋人に貸した。
恋人は貸したその日のうちに全6巻を読み終え、漫画の感想と「いつもいっぱい可愛いって言ってくれてありがとう」という言葉を送ってくれた。
先週僕も5年ぶりに読み返した。
1巻の序盤でヒロインの子が「私が我慢すればいい」と言っていた。
奇しくもこれは恋人がよく言う言葉だ。
友人や家族や会社の人との関係について話を聞くときに、よくこの言葉が出てくる。
ヒロインと恋人がめちゃくちゃ重なった。
我慢して遠慮するヒロインに対して男の子は
「見てるよ 俺は」と言う。
僕も恋人の内面を見ていたい。しっかりと。
どんな人かを。
恋人の不安や怒り、優しさや喜び、本音、本心を
見逃さないように、見誤らないようにしたい。
ちなみに、何も見えてなかった人の歌はこちらです。歌詞を読むたびに天才だなって思う……
ちなみに作詞はえっちゃんじゃなくて、くみこんです。
続く。
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