30秒小説『episode-1』 


 ノートを拾った。黒い革の装丁。『DEATH NOTE』って書いてある。高そうなノートだ。表紙をめくると、裏に何やらゴチャゴチャ書いてある。説明書き?馬鹿にすんな!ノートの使い方くらい知ってる。
 拾った物は俺の物。日記帳にするかメモ帳にするか――でも待てよ、持ち主が現れて「返せ」とか言われたら面倒だなぁ。特徴のあるノートだからなぁ……そうだ!最初のページにでっかく自分の名前を書いておこう。ふふふ、これで誰がなんと言おうとこのノートは俺の物だ。
 何に使おうかなぁ、やっぱ日記帳にしようかなぁ、それとも――考えるとワクワクしてきた。
 あれ?ん?なんだか心臓が、苦しい――

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