20秒小説『アプリを終了せよ、街に出よう』

「一生のうち1/3は眠っている」
「まぁ、そうだね」
「起きている時間のうち1/3は移動と食事だ」
「それも、あながち間違ってはいない」
「起きている時間のうち、残りの2/3は検索とザッピングだ」
「……」
「違うか?」
「残念ながら、そうかもしれない」
「つまりこうだ。我々の人生には、誰かを愛する時間なんて存在し得無い」
「……」
「反論は?」
「反論はない。でも間違っている」
「何が?」
「何もかもがさ」

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