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戦う女子よ銭湯に集え!

別れ際に後ろ髪を引かれた「また」を願う心は「こい」で、「つぎ」がきた時にはもう「ほしいまま」なんだよね〜。


って最近ふと思ったんだけどさ、よそでこういうこと言うとエッなんかあった?ってすぐ勘ぐられるから、テキトーな枕代わりにこのへん置いとくね。何の意味もないことだって世の中にはいっぱいあるから、深読みばっかりして時間を無駄にしないほうがいいぜ


あ、どうもこんにちは、こんばんは、おはようみんな元気?アイムファインセンキュー。オレだよオレオレ。


みんながわたしのことどう思ってるかは知らないけど、こう見えて流行りに乗るのは別に恥ずかしいと思わないタイプ。MardiのTシャツ着て、スマホショルダーぶらさげて連れと待ち合わせしたら、10円パンでお腹を満たし、レトロ喫茶店で推しメンカラーのクリームソーダを並べ、写ルンですで写真を撮ろう。今日の思い出はInstagramのリールに投稿する、BGMは当然NewJeans。みんなとおんなじなんてダサいなんてさ、みんな思ってるんだから結局ダサいじゃんね。


そんなミーハー25歳女の、令和ファイブいちばんお気に入りの流行り物が、銭湯


今住んでる家には浴槽がないからシャワー浴の一択なんだけど、たまに無性にでっかいお風呂に浸かりたくなる。ま、温熱作用がもたらす副交感神経優位状態と静水圧作用による循環機能亢進ならびにアルキメデスの原理での関節負担軽減と筋弛緩効果だよねって話なんだけど、そんなことはどうでもよくて、要はたっぷりのお湯ってやっぱ癒し効果ヤバくて最高ってこと。


これは言葉尻で言いがかりつけんの勘弁してほしくて、じゃあ男は違うんですか?昔は違うんですか?とか思ったならほんとに色々向いてないからここで回れ右してブラウザ閉じてほしいんだけどさ、とにかく現代女子は疲れすぎ。ひと月の1/4は体調がゴミカスなのにフルタイム勤務しなくちゃなんないし、変なジェンダーロールが撤廃されないわりには都合のいい時だけ「平等」を求められるし、生きてるだけでなんか金がかかるし、いらん戦いがとにかく多い。
言いたいことはいっぱいあるけど、文句ばっかり言ってたら貴重な若い時間が終わっちゃう。自分のご機嫌は自分でとっていこうね。

たまにはいい温泉でゆっくり、エステですっきりもいいけど、たとえば近所にワンコインでおつりが来る癒され空間があったら素敵じゃない?

任せてよ。うちらには銭湯がある

(先に言っておくとわたしは自律神経がアホで血圧調整がへたっぴな身体に生まれたから、サウナはあんまり入らない。サウナハット被ってやる気満々のサウナー各位には悪いけど、今日はそっちの話は盛り上がらないから、気にせずご自由に整ってて。)


わたしが銭湯にハマった理由はいくつかあるけど、なんといっても建築物としてのおもしろさ。効率よく熱を回したり、清掃しやすくしたりする独特のつくりが楽しい。それに時代を超えた内装が相まって、お湯に浸かりながら現実世界と隔離され、過去にざぶんと没入できる。

今はもう作っているところがなさそうなポップなデザインタイルや窓ガラス、絶妙なフォントの注意書き、八百屋の刻印が入った大きな体重計、団塊の世代が使ったのだろうベビーベッド。そこにいる人や自分のファッションが雰囲気をぶち壊しにするなんて心配もない、だってみんな裸ん坊なんだし。

あ、でも年季の入ったところでは、耐震性の強化とかでめちゃくちゃな鉄骨を後付けしたり、古びた木造建築のなかに急に増築した水洗トイレが現れたりして、逆に時代のキメラ感もみどころだと勝手に思ってる。


 この「男」「女」の文字ひとつとってみても、長い歴史の中でどんなストーリーがあったんだろう、と想像をかきたてられる。時間と人の手がかからなければ出ない、唯一無二の味わいがかっこいい

あたりまえだけど、脱衣室や浴室内は基本的に撮影禁止なので、Googleで調べたって内装の写真は出てこない。暖簾のれんをくぐってはじめてわかるドキドキ感。つまりはみんなが大好きな『ガチャ』ってこと。お店やお出かけスポットはレビューをみて事前に答え合わせしておくのがお決まり、なんでも星がいっぱい並んでるもののなかからしか選ばない、そんな世代のわたしたちにとってはちょっとした冒険になる。

それに、スマホやPCを手放してひとりのんびりお湯と戯れ、自分の身体とだけ向き合うってことは、日々キャパオーバーな情報量にさらされている現代人にきっと必要な時間だ。


ついでに言わずもがななことも言っとくと、銭湯でできる入浴や交互浴は老廃物の排出を促進するし、むくみがとれてすっきりする。新陳代謝ブチ上げ、睡眠の質も向上するってんでもちろん美容効果が高い。


銭湯なんて入ったことないからちょっと怖いかも‥‥って思ってるニュータウン育ち女子、気持ちは超わかる。なんとなくボロくて汚いイメージあるし、そういうとこで一糸まとわぬ姿になるって勇気いるよね。なんかおっさんいっぱいいそうだし、壁薄そうだし。わたしなんかはもう、裸ぐらい減るもんじゃねえからどこへでもくれてやらぁって鼻ほじるくらいの気概でいるけど、嫁入り前の乙女はそういうのちゃんと大事にしたほうがいいみたい。

でも、最近は改装が入って綺麗になっている銭湯が多いから安心してほしい。設備の老朽化とかで、ちょうど大規模改修か廃業の二択を迫られている銭湯がほとんどなんだと思う(マジで古くて小さい銭湯の生き残りは確かにいいかげんなつくりになっていて、番台から脱衣所がばっちり見えちゃう!とかあるけど、そういうところは中に座っているのもぼんやりテレビ見てる歴戦のジイさんとかだから、正直さしたる問題じゃない。まあ、だいたい雰囲気は建物の外観でわかるから、気になる人は避けておくのが無難)。

読む者をわくわくさせる、日本でいちばん短いことばはきっと『ゆ』だ


一応簡単に入り方をおさらいしとくと、お風呂セットは基本的に持参必須。貸しタオルや石けんの販売もあるけど、メイク落としは売ってないことが多いから、忘れずに。あと化粧水とか乳液、ヘアオイルなんかもね。オンナノコはいつだって保湿 or DIE

設備のいい銭湯だと簡単なボディソープやシャンプー類は置いてあるけど、ご存知の通りお風呂屋さんに備え付けのリンスインシャンプーってやつは、だいたいキューティクルを容赦なく破壊してくる。


入り口の暖簾をくぐったら、靴箱に靴を入れて、木札の鍵を持って中へ入る。番台さんにお代を払い、タオルを持っていざ入浴。身体を洗ったら、あとはジェットバスでコリをほぐすなり、薬湯でいい香りに包まれるなり、電気風呂でびりびりやるなり、好きに過ごそう。

『黙浴』の時代は終わったのかもだけど、お風呂ってのは声が響くし、あんまり騒ぐもんじゃない。とはいえ、フレンドリーに挨拶してくれるおばあちゃんには笑顔でお返しを。出会った地元民との世間話もけっこう楽しいし、旅先なら情報収集もできる。意気投合してものぼせないようにね。

公衆浴場法がわたしたちを守ってはくれているけど、上がる時には念のため、シャワーか掛け湯を。しっかり水分を拭き取ってから、浴室を出て着替えをしよう。

あ、ドライヤーが有料のところもけっこうあるから、10円玉はいくつか持ってたほうがいい。なかったら、番台さんに言うとだいたい両替してくれるけど、窓口が脱衣所の外にしかないタイプだとちょっと大変。先にお財布の中をチェックしておくのがおすすめ。
だいたい3分20円とかなんだけど、これが風量激弱の安物ドライヤーだとわれわれ多毛人間は厳しい戦いを強いられる。つまりわかるよね、そう、事前のガチタオルドライにすべてがかかってるってこと。

上がったら、番台で売られている食べものや飲みものを物色するのも醍醐味のひとつ。コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、アイス、ラムネにビール。昔ながらのリターナブルびんのジュースなんかがあるとうれしくなっちゃう。漢は黙ってバヤリース、義務教育で習ったもんね。

最近だと銭湯グッズの販売も盛んで、なかなかおしゃれにがんばってる。ガス代の高騰とお風呂付き物件の増加で、銭湯はどこも経営が厳しくなっているから、そういうところでお金を落として好きな銭湯を応援するのもありなんじゃないかな。


日の高いうちにお風呂に入りに行くのも、休日のぜいたく。メイクなんてさっさと落として、きゅうくつな洋服を脱ぎ捨てて、身に纏うのはお気に入りのシャンプーの匂いだけ。最高のコンディションでチルしよう


世は空前の銭湯ブームといわれているけど、流行っているのは一部のサブカル人間のコミュニティにばかりで、なんとなくいちばんメジャーな層にはリーチしていない気がする。まだまだブームが加熱してくれたら、泣く泣く暖簾を下す銭湯が減るんじゃないかな、と淡い期待があったりなかったり。


温泉ほど肩肘張らなくて、岩盤浴ほど時間はいらない、スパ銭よりデイリー使いできる近所のお手軽なオアシス。仕事もプライベートもかわいいも手に入れたい、やることいっぱいなイマドキ女子にこそ、もっと銭湯を気軽に楽しんでほしいなあなんて思うわたしなのです。




黄金湯

関東で銭湯ビギナーだけど行ってみたいって女の子がもしいたら、わたしはたぶん、最初にここをおすすめする。
老舗だけどしっかり改装が入っているから、清潔で、おしゃれで、アメニティも充実してて、外観だけでも写真映えばっちり。
正直綺麗すぎて個人的にはあんまり好みじゃないけど人気だよね、真剣佑みたいに。ごめんね、こちとら郷敦なもんだからさ。


サウナの梅湯

西日本で最近いちばんアツい風呂。「日本から銭湯を消さない」の精神で廃業する銭湯の経営を次々引き継いでいる、みんな大好きゆとなみ社さん系列の銭湯だ。おおむね手ぶらで行ける充実度だし、若者が盛り上げている雰囲気が良くて応援したくなる。願うだけじゃなく動けるひとはいつだってかっこいいね。薪焚きの火を絶やすな!



わたしの好きなローカル銭湯はほら、えっとね、その、うん。
恥ずかしいから、またお茶した時にでも直接聞いてよ。


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