脚光のタナトロジー:緋田美琴G.R.A.D.を読む
緋田美琴という存在に、私たちはどこまで触れることが出来るのだろうか。緋田美琴という、アイドルであろうとし続けるひとに、どの程度の人が共感したり、理解しようとしたりするのだろうか。あるいは、緋田美琴という一人の人間が、どこまで自分の内面を開示できるのだろうか。
緋田美琴のG.R.A.D.は、彼女の抱える課題を、彼女に接する人たちが抱える課題を、再び分かりやすい形で提示していたように感じる。例えば、完璧なパフォーマンスへの執着や生と死の問題。これから述べるのは、それらの問題とその