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祥子のPhoto Journey【第6話】

花紀行


春なのに、また春が来て、更に三度目の春も過ぎ・・・。

皆さま、如何お過ごしでしょうか?

暑さ寒さが激しい気候とにらめっこしながら、漸く撮影旅行の計画を立てても感染者の増減に左右され、なかなか思い通りのベストシーズンに思い通りの撮影は難しいですね。

かくいう私も、FINA世界水泳の運営ボランティアとして、無事選考を通過し、カメラマンとして活躍しようかな?
ワールドカップと同様、各国の王様達のお世話係にしようかな?
良い機会だからカメラを新調しよう!
と意気込んでいたのだが、大会直前に一年延期となり、ぽっかり数か月間の予定が空いてしまった。

仕方がないので、週末ぶらり撮影散歩。

状況が少し落ち着いたら、個人でもアルトフォーカス撮影旅行でも、ご案内出来たらいいなぁと思いを馳せながら歩く。
お気に召した場所があればお気軽にご一報下さいませ。
専属ガイドがお連れ致します(笑)

まずは我が家に縁の撮影スポットから。

駕与丁(かよいちょう)公園は、中央に大きな湖水があり、それを一周4.2Kmの遊歩道沿いに約700本の桜の木が彩る。外国人にも人気のスポット。
バラ園には180種2000株が植えられており、春と秋には各テレビ局中継がされるほど。
これからの季節はツツジ、春バラ、アジサイ、そして秋バラ。

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200年ほど前、異常気象続きで10万人もの領民が餓死した為、私のひいひい(いくつ必要かな?)‥‥おじいちゃんが、多くの命を永久に救えると私財を費やして作った広大な灌漑用水路を元に、40年ほど前に公園として整備された場所だ。

歴史書にはひいひい‥‥おじいちゃん凄い!と書いてあるが、「ここで男気を見せろ!」と、おしりをたたいて私財(へそくり)を投げ出したのは、ひいひい‥‥おばあちゃんであることは、家族内では有名な話。
歴史資料館にある肖像画が、当時としては珍しく、偉大な夫妻としてひいひい‥‥おばあちゃんまで描かれているところも真実味ありありだ(笑)

今も地域住民の命の水として活用されている場所で、多くの野鳥が飛来し、水鳥観察小屋もある。
街中では見たことの無い小鳥や聞いたことの無い美しいさえずりに、帰宅後に図鑑を調べまくることもしばしば。
近くの中学校のカヌー部が練習に勤しんでいる姿、朝日・夕日、大きな風車、大桟橋、東屋、八ッ橋などフォトジェニックが多いので、なかなかに楽しい。

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場所を変えて、フェリーに乗って僅か10分。

ちょっと都会の喧騒を離れた能古島(のこのしま)は、「リツ子、その愛」や「火宅の人」で有名な、私の高校の先輩でもある直木賞作家の檀一雄が終の棲家を構えた島だ。
歴史は古く、1300年前・奈良時代の文献にも登場する。
万葉集の中でも度々詠われている。「防人」とか「山上憶良」とか、教科書に載っている事柄を身近に感じる場所でもある。
海と一緒に撮影できる菜の花畑は、全国でも珍しいらしい。

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この島の中にある、50年以上前に10代の青年が夢を抱いて手作りで始めた自然公園のこのしまアイランドパークは、春は菜の花、夏はひまわり、秋はコスモス、冬は水仙と、四季折々の憩いのフラワーパークだ。
わずか数百人しか住んでいない小さな島だが、年間20万人の観光客が訪れる。

この春は‥‥。

先ずは延々と広がるチューリップ畑を満喫。
そしてネモフィラ畑へ。
季節の定番物ではありますが、何かと撮影が難しくないですか?

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その日、実際に見て感じたことをテーマに、それを表現するにはどう撮ればいいのか。

被写体を選び、背景を選び、レンズを選び‥‥‥。
露出?前ボケ?後ろボケ?フレーミングは本当にこれがベストかな?
上から?下から?アングルは?

花弁一枚のみをどアップにして抽象デザイン画のように描いてみたり、超遠景で撮ってみたり。
群生の中にラインを探し出してみたり、地面に寝そべって泥んこになって撮ってみたり。

毎年いろいろチャレンジしてみるものの、今年もイマイチ。
なかなかこれぞ!という奇跡の一枚は撮れません。

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丘一面に咲き誇るのはリビングストンデージー。
東京などではちょっと寒すぎて、露地栽培は難しい花だ。

多肉の葉と、まるで金属の様にピカピカ光る色とりどりの花が特徴的。
日陰・曇天・夜間には花が閉じてしまうので、撮影はおひさまの日に。
この園内では約7000㎡に約3万株が植えられている。

その姿は原産国南アフリカの神々の奇跡の庭を思い起こす。
ああ、早くアフリカに戻りたい‥‥。

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写真・文:山田祥子

山田祥子(Yamada Yoshiko)プロフィール
構図講座をきっかけに、2014年からアルトフォーカスに参加。
幼いころからブローニー・二眼レフカメラ・ポラロイド・110フィルムなど様々なカメラに囲まれて育つ。新たに齢90を超える伯母愛用のカメラをまもなく譲り受ける予定(笑)。
国内外を暮らすように旅することが大好き。初渡航は数ヶ月かけてのアメリカ大陸横断旅行。以降、訪問国は数十ヶ国に上る。特にアフリカは20年以上前から度々訪れ、近年は年1回は欠かさず通っている状態。
実は趣味のゴスペルで、有名人の全国ツアー共演なども・・・。


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