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チャラさ活用型アントレプレナー芸人(りんたろー氏:R-3 既存の価値観への挑戦者)

3 鋭い嗅覚を持ち、既存の価値観に挑戦する芸人

 EXITとして、芸人が今まで手を出さなかった領域にもチャレンジする、という趣旨のことを述べていて、実際に彼らはアパレルやYou Tubeに積極的に手を広げている。You TubeのEXIT Charannelの企画は、兼近氏から言い出したものらしく、それまであった芸能人がYou Tubeに手を出すのはダサいというような価値観を崩しにいってEXITの二人は成功した。

 しかし、相方に「外見ばっかり!」と批判されながらも美容道を究め続けるりんたろー氏の方が、より固定された価値観への挑戦を意識しているような印象がある。大学までサッカー選手だったりんたろー氏が、ネイルも含めた様々な美容に励むのは古い価値観から見れば奇異に映るものかもしれない。だが、ジェンダーに囚われない感覚を持つりんたろー氏の行動は、ジェンダーの枠組みが窮屈だと感じる人には、きっと希望になるだろう。

 Tar○anでなく女性誌であるVOCEでボディメイクの過程を連載し、最終的にはグラビア撮影を行って、発売日前からネットでは予約ができないような状態だ。ベクトルの違うボディビルダーになったとも言えるが、色々な枠組みを飛び越える彼の嗅覚は鋭い。また、周囲を巻き込める能力も遺憾なく発揮されている。

 昨年夏には、ファンの要望に応えてヨシモト初のコンビ単体でのファンクラブを始めている。これも、りんたろー氏自身は「クラシカルな感じのもの」と表現していたが、内容は、チケット優先販売に加え、会員になったファンのみが閲覧できるコンテンツ配信を月額課金で行っており、今風の言葉で言えば「サブスク」である。しかし、敢えてサブスクとは言わず、ファンクラブとして運営を開始したところにも、彼の嗅覚の鋭さとバランス感覚が現れているように思う。また、短期間でそのシステム構築の体制づくりに挑んだことも素晴らしい。

 起業家精神を体現する令和の芸人、りんたろー氏。すげー。










ここからは、大人の事情にちょっと踏み込む。昔のブログなら、白文字にして、反転表示させて読んでもらいたいくらいなのだが、noteにそうした機能はないらしく、あきらめた。

You Tubeには、セクハラで文春砲を受けた有名編集者(以下M氏とする)がりんたろー氏を交えて行った生配信のアーカイブが残っている。確認した限りでは、M氏を紹介したりんたろー氏の友人のH氏に関する記事の中でしかM氏に関わっていた、という記載はEXIT側にはない。

りんたろー氏がミオドレという激痛を伴う美容施術を受けている動画を見るのとは別の苦痛を感じながらM氏側のアーカイブ動画を見終えた。(ミオドレ動画を最後まで見続けられなかった自分には嗜虐趣味も被虐趣味もないと悟った。とてつもなく痛そうで、それを見るのもツラ過ぎる・・・・・・。)

あれだけ、落ち着かない様子のりんたろー氏は、自分が視聴した動画の中では見当たらない。水をひっきりなしに飲んでいる。

もともと、りんたろー氏の友人であるH氏の会社がM氏にコンサルティングを依頼していて、当時は所属する出版社社長の寵愛を受け、飛ぶ鳥を落とす勢いだったM氏をH氏が好意でりんたろー氏に紹介し、非常事態宣言で外出自粛期間中だったこともあり、リモート飲み会が生配信されたようである。そして、おそらくH氏は社命でこの生配信に参加している(H氏は会社役員という立場だが、明らかに就業時間外。加えて、おそらくH氏宅にはとても幼いお子様がいらっしゃる様子だった)。

のっけから、H氏の社名を覚えていないと言うM氏。一般企業ならば、間違いなく、翌日上司に呼び出されることだろう。M氏の出版社の副業規定が不明ではあるが、出版社に所属しているからこそのコンサルティング依頼と思われる。H氏の会社はM氏や出版社にとって顧客である。個人事業主としての受託だったとしたら、更にありえない発言である。配信中、M氏が顧客企業の役員であるH氏を気遣う様子は見られなかった。

また、ファンを大切にしていると評判のEXIT、りんたろー氏の前で投げ銭がない、投げ銭の額が少ないとファンを煽った。これから、組んで何かやりましょうと配信終盤に何度か言っていたが、それが本気なのであれば、一緒に仕事をしたい相手の支持者、しかも購買層となるファンを煽るなど、愚行以外のなにものでもない。

数々のM氏の暴言に対するりんたろー氏の返しが、彼が一般常識を備えた社会人であることを印象づける配信でもあった。彼は真っ当な感覚を持つ人でもある。

サロンビジネスを展開する先輩芸人N氏と絡めとM氏から勧められていたが、芸歴の長いりんたろー氏がすれ違ったら挨拶をする程度の面識しかない、と答えたところに、彼の嗅覚を感じた。ひな檀を避けるN氏と仕事上の接点が少ないということもあるだろうが、新しい価値観を提示していく精神を持つりんたろー氏から見ても、方向性が異なる、ということに早くから気づいていたのではないだろうか。(N氏については、アルファツイッタラーのCDB氏が最近公開されたアニメ映画に絡めてnote内で言及した記事を書かれているので、興味があったら読んでみて欲しい。N氏に対する世間一般の大人の印象はCDB氏と近いものだと思う。)

このようなネガティブキャンペーン的な書き方はしたくなかったのだが、動画アーカイブが残る以上、りんたろー氏が周囲の優しくて、悪意のない人の善意により、関わらなくてもいい人物と関わってしまった、ということを書いておきたかった。(本当に純粋な善意によって、なのである。)芸能人である限り、露出媒体である出版業界の社員について彼らがダイレクトに言及することはないと思うが、EXITの主な支持層であるF1層の女性をも敵に回したM氏を擁護することもないだろう。