白石かずこの詩の”一部”が異様に好きだ。
アヴァンギャルドできれいだから。
でも、全部は少し苦手なときがある。
ちょっと残酷だったり官能的な表現があるから。
こんな読み方をしたらいけないのだけれど、
詩の”一部”だけ切り取ってしまう。
でもその切り取られた言葉には
不思議なリズムが宿り、
心が引っ張られてクラクラする。
私がクラクラした詩の”一部”
< 思潮社 白石かずこ詩集より >
横尾忠則さんがデザインされた本も素敵だ。
そして、絵本の訳も最高に素敵だ。
「自分らしく生きたい」とかいう言葉になると
微妙な固さが伴うけれど、
この絵本の中の言葉はもっと自由で
生き生きしている。
白石かずこが訳す言葉は、優しい中にも
力強いリズムを帯びている。
読むだけで、瞑想をしているような
安らかな気持ちになれる不思議な絵本だ。
寺山修司や稲垣足穂をも魅了した
白石かずこ。
「アヴァンギャルド」ってよくわからないけど、
白石かずこから”香り立つ”この感じが、
私が思うアヴァンギャルド。
まだまだ生きてるあいだに、
心をクラクラ揺さぶられるアヴァンギャルドに
もっともっと触れていきたい。