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ドイツ留学直前の東京挨拶回りで感じたこと

ドイツに渡航するまで、ちょうど一週間となりましたが、17日(金)から19日(日)までの3日間、東京に行ってきました。
17日にゲーテ・インスティテュート東京でドイツ語の試験(A2)があり、それに合わせて2泊してきました。

試験はけっこう緊張しましたが、まあまあの出来だったと思います。
A2は受かっても落ちても入学には影響はないので、腕試しのような感じで受けました。具体的な目標があると勉強もがんばれますし。
12月辺りに受ける予定のB1は、落ちると入学取り消しになってしまうので、語学学習としてはこれからが本番です。
明日からまた早速、オンラインレッスンを受けてガリガリやっていきます。

ゲーテの試験を受けたあと、東京でとてもお世話になったトロンボーンの先生と、そのお弟子さんで一緒に合宿やアンサンブルを楽しんだ仲間たちが集まってくれました。
まだ緊急事態宣言中で制約も厳しい中、渡独前に顔を見たいと集まっていただけたことが本当にありがたくうれしかったです。

思い返せば先生との出会ってから12〜3年は経つでしょうか。初めてお会いしたときの私はまだ音大にも通っていない20代の若者でした。
年2回ほどアンサンブル合宿で集まっていましたが、長年うつ病を患っていた私は体力がなく、途中で抜け出してお昼寝をしたりしていました。
それから音大に通い出してからも、学校の人たちとトラブルがあったり、うつが酷くなって休学したり、もう辞めてしまおうかと思うたびに先生に相談したり泣きついたりして、いつも励ましてもらっていました。
先生はたぶん心を鬼にして「卒業だけは何があってもしなさい」って言ってくれていたんだけど、今となってはそのことに本当に感謝しています。
15年くらい患ったうつ病は、不思議なことに音大を卒業した頃からみるみる良くなり、今はほとんど影も形もありません。
卒業してからは、東京の演奏会に呼んでいただいて、同じオーケストラで演奏させていただく機会もありました。

今は私がサクバットに転向して、普通のトロンボーンはほとんど吹かなくなったのと、昨年からのコロナ禍でお会いする機会がぐっと減り、今回2年ぶりくらいに再開したのですが(お弟子さんのトロンボーン仲間たちとも)、こうした私の闇の経緯をすべて見守ってきてくださった先生や仲間たちが、心から応援してくれることが本当にありがたくて泣けてきます。

そして私が音大を卒業してからの6年ほど、仕事や講習会などで東京に行くたびに、快く家に泊めてくれている友達の家に、今回もお世話になりました。(彼女も古くからのトロンボーン仲間)
「stella marinaちゃんの音楽活動を応援したいから、いつでも使って〜!」と言ってくれて、私はいつも手土産ひとつで、多いときには月に2回とか、何泊もさせてもらうこともありました。
彼女の協力がなければ、こんなに頻繁に東京に行けることもなかったかもしれません。
今回の私の東京滞在2日目には、忙しいお仕事を一日お休みを取ってくれて、芸能関係の人がよくお参りするという出世稲荷に連れて行ってくれました。
それから日本刀の美術館に行き、最後は温泉と岩盤浴をプレゼントしてくれ、至れり尽くせりで日本的なものを堪能させてもらいました。
彼女は人に気を遣わせない天才だと私は思っているのですが、それはたぶん彼女自身が気遣いの人だからだと思います。
私がお言葉に甘えてずっと泊めてもらっていたのも、彼女だからできたことで、本当に感謝しています。

東京滞在3日目は、大好きな宮台先生にお会いするために渋谷のイベントへ。4時間半におよぶ中身の濃いイベントで、さまざまなことを感じたり考えたりしました。
宮台先生にも休憩中とイベント終了後にご挨拶をすることができました。
これは本当に大袈裟ではなく、私の人生は宮台先生に出会ったことで変わったと思っているので、留学直前にもう一度お話できたことと、他のイベント登壇者の方々のお話も含め、たくさん浴びることができたことは本当に良いタイミングでした。
私はたぶん宮台先生に出会っていなかったら、40近くなって留学を決意するような人間にはなっていなかったです。
宮台先生的(最近では煉獄杏寿郎的)構えを教えていただけたことで、私の心に火が灯ったのですね。

宮台先生がときどき、お師匠の小室直樹先生の逸話を例に出しておっしゃる話で、昔の人は村を上げてエリートを育てた、という話があります。小室直樹先生は貧しいおうちの生まれでしたが、大変賢かったので、村を上げて東大やハーバード大に送り出され、偉大な学者になったのだと。その恩が、彼の倫理の源なのだと。
今回のイベントでもその話題になったときに、私も(エリートではないけれど)家族や親戚、先生や仲間たち、恋人や友達に、精神的にも物理的にも、辛いときも夢見るときもずっとずっと支えてもらってここまで来たのだなと振り返って、こみ上げるものがありました。
私はこれから単身ドイツに行くわけですが、決して一人の努力だけで行けるわけではありません。
もちろん私が行動したから叶えられたことではあるけれど、周りの支えや理解や応援がなかったら、留学の実現までこぎ着けていないと思います。
このご恩をどのように返していけるかと考えたときに、もちろんまずは私が健康で充実した留学生活を送ることや、現地の様子を伝えること、より良い音楽を演奏することが第一なのですが、さらにその先に、ただ自分だけがいい思いをしたい、というような選択肢は、とてもじゃないけどできないなと感じています。
はじめは新しい生活に慣れるのに必死になるでしょうし、なんとか留学期間を終えることができたとして、その先のことはどうなるかまったく分かりません。
だけど、どんな選択をするにしても、今まで支えられ応援してもらってきたご恩を刻み、決して自分だけの力で立ってるとは思い上がらず、生きていきたいと思います。

この3日間だけでもそうだし、それ以前からもなのですが、私は本当に人に恵まれているのだなと実感します。ありがたいことです。
きっとドイツでもたくさんの人に助けられ支えられて生きていくのだと思います。
だからこそ私も、自分のできるかぎりで周りの人たちの支えや助けになりたいと思うし、小さなことしかできないけど、ピンク色の風船を手渡せる存在でいたいと思うのです。
(*ピンク色の風船とは、宮台先生の言葉で、しあわせな空気をまとっていることを指します。)

さて、帰ったら怒涛のパッキング開始です!
そしてできれば、渡航までに留学準備のあれこれをまとめたnoteを書きたい!!
たぶん一週間あっという間なんだろうな〜。


トップの写真は、昨日駅でパスケースを拾ったので届けたら、小田急の駅員さんがくれたカードです。



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