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君たちはどう生きるか

一晩経っても悶々と自分の中で渦巻いているので、一旦この感情を書き留めてみる。

公開当日、ジブリの公式Twitterで主題歌を米津さんが手掛けた事を知る。これは素直に驚いた。今まで主題歌でこれ程までにキャッチーなアーティストを起用した覚えが無かったし、まるで某監督に対抗するかのようなチョイスなのも意外だった。

そして同じく公開当日、木村さんがインスタで公開初日を祝う投稿をしているのを見て「これ、もしや出てる……?」と変な汗をかく。劇場でハウルの声を聴いた瞬間、恋に落ちた人間はきっと少なくない筈。木村拓哉×ジブリがまた見られるというだけで宮﨑駿監督を胴上げしたくなった。他にも菅田将暉、あいみょん、柴咲コウ、木村佳乃と錚々たる顔ぶれが出演されている事を知り、テンションが駄々上がる。

一切の宣伝をせず、主題歌や出演者も公開当日に情報が明かされるという、前情報ほぼ0のまま劇場で着席したのは恐らく初めてじゃなかろうか。小さい頃からジブリの世界で呼吸してきた私みたいな人間は当然大きな期待を抱いていたと思う。

結果、リミッターを外した宮﨑駿にこてんぱんにやられた。

今までの宮﨑駿作品がいかに理解しやすく、綺麗に纏められていたのかを痛感すると同時に、今作で宮﨑駿の脳内を垣間見て興奮が止まらない状態。この映画は「今のってどういう意味?」とか「この人はどういう存在?」と、一度でも立ち止まって考えたら瞬時に振り落とされる。2時間振り落とされないように必死にスクリーンにしがみついている感覚だった。豪華な声優陣も勿論凄いのだけれど、最早それすらもこの映画を構成する為の一つの要素に過ぎず、ただただ宮﨑駿の創る世界に引き摺りこまれる。

「面白かったから是非観てみて!」と迂闊に他人に勧められる作品ではないし、「ジブリの新作公開したらしいけど観てみる?」とラフな気持ちで臨むとえらい目に遭う事は確か。そういう境地で創られた作品ではないだろうし、「面白かった」という感想も求められてはいない気がする。ただ、私の人生においてこの先も強烈に残り続けるだろうし、宮﨑駿のみが創る事を許された最高の映画だという事だけはしっかり記しておきたい。

私もまだまだかみくだけていない部分が大半なので、2回目はしっかり気持ちを整えて挑みたいと思う。

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