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#6 しゅうかつ②

 終わりの知れぬしゅうかつ生活。

先日、東京にて受けた二次面接の結果を待ち続けて3週間が経過した頃、僕はというと知財法のレポートと格闘していた。1200字の指定文字数は、1200字程度に収まれば正しい解答ができたことを示すものか、作成者の気まぐれか。

たとえこのレポートが完成した末に幾らかの点数がもらえたとして、最終に待ち受けているのは対面実施のテストである。心をときめかして入学した法学部は結局、自分が法学徒には向かぬことを教えるに過ぎなかった。

二年間の巣篭もり強制は対面でのテストへの耐性を喪失させた。今更、答案の書き方など思い出せるわけもなく、採点者は現役の法理論武装者。もはや、戦に出るまでもなく死ぬことがわかっている。



ところで、しゅうかつとわざわざ平仮名で書くのは、これを書くにあたって、というより、これを書こうと思ったきっかけとして同音異義の面白さが感じ、読者にもこれを感じてほしいと思うからだ(読者などいないかも知れないが)。

「就活」、これはいうまでもなく就職活動の略であるが、現在4回生?の僕もまさに活動中である。大学卒業後に金を稼ぐ手段を今のうちに先取りしておこうとする学生と、社会を知らぬ若輩者どもを囲い、もしくは排除し、自らの養分にせんとする企業の思惑の奇跡的な合致が生む一種の季節ものである(風物詩)。

「終活」は人生の終わりを自分で決めんとする活動のことである。当方、終活の一般的な使用法では、当事者ではないと思われるが、人は皆死ぬという自明の理を自覚するならば、生を受け、息をし、食物を摂取し、排泄し、思考し、後悔し、歓喜もときにはするだろう誰もが終活生である。

他にもたくさんの「しゅうかつ」があるだろうが、ここからは想像して自らの楽しみとしてほしいものだ。


最後に、3週間も連絡をよこさず、終いには文面で本心でもないお祈りメールをよこした素晴らしき企業様の選考は既に落選しました。ありがとうございました。貴社のこれからの活躍をこれからもお祈り申し上げます。


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