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SaaSスタートアップ交流会 Vol.3 カミナシ・Sales編

はじめに

こんにちは!アルプCSチームです。

前回のHubbleさんに引き続き、今回は「ノンデスクワーカーの業務効率化」をキーワードに現場改善プラットフォーム「カミナシ」を提供されている株式会社カミナシさんと交流会を実施させていただきました!

こちらは当社セールス・毛利の個人的なご縁から実現した会ですが、規模感やプロダクトに対して抱える課題が近く今回も闊達な議論が行われました。

※本記事は2021年2月に実施した交流会内容を記事化したものです。
組織構成など現在の情報とは異なる場合がございます。

スタートアップ交流会について

テーマは「敵を知り己を知れば百戦危うからず」。世の中にまだノウハウとして広がっていないスタートアップ期のセールスやカスタマーサクセスについて課題点や方法論を議論し、オペレーション改善に役立てていこうという企画です。

弊社はSaaS×スタートアップという切り口で、様々な企業様との交流会・勉強会を実施しております。今後もよりたくさんの情報交換を行っていければと思いますので、特にシード~シリーズB前後の創業期・急拡大期の企業様、ぜひお声がけください。

会社・参加者紹介

株式会社カミナシ
「現場のDXを推進」をテーマに、現場のデジタル化を推進するツール「カミナシ」を開発・提供。

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河内さん COO(交流会開催時は事業責任者)
- 以前はパーソルやカヤックで、プロダクトマネジメント・事業責任者などを担当。

富澤さん セールス
- インサイドセールスを担当しつつ、フィールドセールスにも携わる。カミナシ入社以前もセールス、インサイドセールスを歴任。

大西さん セールス
- フィールドセールス担当。2019年6月〜カミナシ入社。富澤さん・露崎さん入社前は1人でセールスを行っており、現在はセールスノウハウの型化に取り組む。

露崎さん セールス
- フィールドセールス担当。2020年11月〜カミナシ入社。前職では人材系の媒体営業を経験。

松下さん CS
- これまでマーケティング、採用、マネジメントなど幅広い業務を経験。現在はカスタマーサクセスの型化のプロジェクトを進行中。
アルプ株式会社
サブスクリプションの契約・販売管理プラットフォーム「Scalebase」を
開発・提供。

毛利 CS&セールス
-もともとセールスでアルプに入社し、現在はセールス・カスタマーサクセス全体を統括。

石田 セールス&マーケティング
-セールスマネージャーとしてほぼすべての商談を実施。セールスのほか、Webマーケティングなども担当。

岡部 CS
-主にオンボーディングを担当。

坂口 PreSales&CS
-オンボーディングと製品へのフィードバックを担当。

規模の近い2社による交流会

カミナシ(以下、K)河内:最近のトピックでいうと、IVSのLAUNCHPAD SaaSで優勝させていただきました。

アルプ(以下、A)毛利:見ましたよ!おめでとうございます!

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K河内:カミナシとアルプさん、人数感近いんですね。

リード獲得の鍵は「ハマるワードを見つけられるか」、そこまでは気合の戦い

A石田:ではセールスについての議題から。…今は困りごとだらけなんですけど、特にリードを今後増やしていく場合の打ち手についてはよく考えています。カミナシではインサイドセールスの方がどういうことをされているのかお伺いしたいです。

K富澤:僕はインサイドセールスとフィールドセールスをだいたい5:5くらいでやってるんですが、インサイドセールスの役目としてはリードの精査と優先順位を付けた上でのフィールドセールスへのトスアップです。ありがたいことにマーケティングによるリードが豊富にあって、必要なリード数は満たせているんですが、受注までの確度はかなりまちまちです。なので受注率の高いセグメントに絞っていくのを目下の動きで考えています。

A石田:僕らと同じでマーケティングの専任はいないということでしたけど、広告運用とかはどうされてますか?

K河内:今はGoogle、Yahoo、Facebookのリスティング広告をやっているのと、コンテンツSEOで流入を狙えそうなワードを入れてブログ記事を100本ほど用意したりしています。サービスサイトからの流入よりも広告やブログからの流入が多いですが、まだ明確にコンバージョンにつながっている感じではないです。コンバージョンできているのはホワイトペーパーやウェビナー。ウェビナーは、新規リード獲得など目的によってコンテンツを分けています。

A石田:専任いない中でそれはすごいですね。どうやって回しているんですか?

K河内:聞きたいですか?(笑) 気合です。初期に結構無理してチャレンジして、ワークしたものは業務委託の方にパスして形を作っていったりしましたね。

A毛利:それでちゃんとリード取れてるのは強いですね。

K河内:案件が多すぎる、となってしまって、目標の案件数をインサイドセールス側で絞るということも始めました。案件を営業1人あたり100件も抱えていたりしたので。

A毛利:最初からそこまでの効果を出すの難しいと思うんですけど、どうやってそこまで至ったんですか?愚直にやり続けるしかない?

K河内ハマるワードを見つけられるかどうかの勝負だと思ってます。僕たちの場合はHACCPっていう食品衛生の制度が法律で定められたこともあって、そのワードを狙うとターゲット層をゲットしやすいことが分かった。

A毛利:なるほど…。そこを見つけるまでが大変ですよね。いや、やれよって感じなのは分かるんですけど(笑)
ちなみにリード獲得の観点で、アポイントを取るところの外注とかはないんですか?

K河内:富澤が入社するまでの3ヵ月、別の方に業務委託で入ってもらってました。それまでインサイドセールスがそもそもワークするのか見えていなくて、業務委託で検証したらうまくいったので、インサイドセールスの採用を決めました。

A毛利:そんな業務委託活用の方法が!採用する前に検証するのはいいかもしれないですね。

K露崎:アルプさんは自然流入でのリードが多いとのことですが、具体的には?

A石田:お金をかけては何もしていないです。サービスサイトだけオープンしている状態で、各種広告も考えてはいるんですが、まだ時期尚早かなと。

K露崎:それだけでリードを得られるの、衝撃ですね。すごいです。

A石田:いやいや、御社のお話聞いて僕らも「案件多すぎて回らない」って言いたいな~って思いましたよ(笑)

製品開発とセールスドライブのバランスは「コミュニケーション」で取る

A石田:あともう1個いいですか?顧客数が増えていくと、どうしてもプロダクトに乗っている機能との兼ね合いというか、開発スピードなどを加味して商談しなければならなことも増えてくると思います。そういった部分のせめぎ合いは御社でもあるんでしょうか。

K富澤:めちゃくちゃありますね。

K大西:以前はもう「この機能ついたら受注します」という約束をお客さんとして、とにかく開発してました。開発陣もスピード対応してくれて、3日後にはプロトタイプできました!みたいな。
最近はさすがにそういうケースは減って、運用でカバーできるところはできるだけカバーしています。例えばカミナシのツールは現在iPad向けなんですけど、iPadがないから使えないというお客さんには端末を貸すこともあります。
機能の面でギャップがあるときは、ロードマップを見せつつ「まずは慣れていきましょう」とスモールスタートに誘導することが多いですね。

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営業が売りたい時期ではなく、「売れる時期」を考える、そしてステップを作るということ

K河内:僕たちからも相談いいですか?営業でたびたび起こることとして、受注日として予定していたタイミングのずれがあります。色々取り組みはしているんですが…。

A毛利:スリップの理由は何が多いですか?

K大西:お客さんと受注までのステップを握れてない、というのがあります。実は役員会が2種類あって、予定していたスケジュールだと承認が取れないとか。
値引きによってコンペリングイベントを設定したり、そもそもちゃんとストーリー化できていないと受注予定日として認めない、みたいなことはしているんですけど、なかなか狙い通りにはいかないですね。

A毛利:分かります。これはアルプの例というより、僕が過去セールスをやってきた視点でなんですけど、営業が売りたい時期で受注日を設定するのはよくないです。スリップは発生するという前提で日付を設定したほうがいい。自分が案件をする上で、プラス20日とか1ヵ月とか、そのくらいズレるっていう認識を持って計画をたてる方が強いと思います。

もちろん受注日は早くなった方がいいんですけど、お客さんがいいと思ってくれないと早くなることはないじゃないですか。僕たち都合で早くなることは基本的にない。

K大西:なるほど…。

A毛利:そこに関連して、僕は最近別の課題を感じていて、オンラインの商談が増えたことでお客さんの感情が見えにくくなったなと思っています。オンライン商談であることによってお客さんが断りやすい状況が生まれているというか、今までの感覚で「売れるな」って見込みがあったとしても外れたりする。

K富澤:めちゃくちゃ共感します。お客さんのニーズに特に差があるというわけではないんですが、決め手に欠けるときにお客さんが断りやすい雰囲気はあると思う。お客さんとコンタクトする回数を増やしたり、接触できる理由を作っていったりした方がいいのかなとは思っていますが、明確な対策はまだできてないですね。

A毛利:オンライン商談のもう一歩先は考えてきたいですね。正解が出せたら面白いと思う。

A石田:商談のコントロールって点だと、僕は以前Salesforceで営業をしていたんですが、Salesforceの人たちは期日にすごく厳しいんですよ。役員会にかけないと発注できないですと言われたら、じゃあ役員会はいつですか、いつ話せますか、とイベントをひとつひとつすり合わせていく。今発注のハンコを押せない理由は何?っていうのをひたすら聞いていくんですね。
これ、実は「ステップとしては何があるんですか?」って聞くのと質問としては一緒なんですけど、効果は全然違って、お客さん側もそう聞かれると「ああこういう手順を踏まないといけないな」って気づけるんです。そうやって整理したものをドキュメントで握って、必要に応じて資料作成を手伝ってあげることもあります。そのスピード感はかなり学ぶところが大きかったですね。
100件近くの案件全部でやるのは厳しいかもしれないですけど、御社の困っているポイントが期日にあるのなら参考になると思います。

K富澤:そのアクセルを踏むかどうかの判断って、何かルールがあるんですか?初期の商談だと、言ってしまえばソリューションがフィットしているのかどうかも分からないこともあると思うんですが。

A石田:明確なルールはなかったですが、イケてる営業はデモで好反応だった時点で「あと3回打ち合わせしましょう」みたいにステップを決めてテストクロージングしてました。そのステップを提示して「そこまでのスピード感ではちょっと…」というリアクションになるお客さんは、たぶん数年は買わないのであえて追うことはしない。リードが潤沢にあるという背景もあるのでそこまでドライにする必要はないと思いますが、ネクストアクションを相手に投げずにこちらでコントロールするというのは大事ですね。

K富澤:ありがとうございます、かなり参考になりました。進展しそうな案件のテストクロージングというのはフィールドセールスでも今以上にやっていきたいと思います。

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次回、「カスタマーサクセス編」に続きます!

今回交流会をしていただいたカミナシさんのnoteはこちら

アルプではSales・CSをより推進していけるメンバーを募集しています!
少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひこちらをご覧ください。


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