1.12 米テック企業で進むレイオフ

現在米国ではハイテク企業を中心として、レイオフ(解雇)の波が到来している。
今月6日に発表された昨年12月の米雇用統計では、雇用者数が引き続き力強い伸びを示した。近くリセッション(景気後退)入りする可能性も排除した。しかし全体として伸びは鈍化。ホワイトカラー、とりわけハイテク企業の雇用環境の悪化を反映している。

最近のレイオフは以下の通り(概数)。
Google: 11,000人
Apple: 100人(株価はボロボロ)
Meta(Facebook): 11,000人
Amazon: 10,000人(更に10,000人以上も)
Twitter: 3,700人(社員の約半数)
Netflix: 300人
Coinbase: 1,100人

あげればキリがないほど。またレイオフの流れは金融業界にも顕著で、例えば投資銀行Goldman Sachs は3,200人の解雇を発表。特に投資銀行部門の不況(GSでは約-57%の収益)による。
いずれも共通点は、ホワイトカラーの中でも高付加価値の職業であるということ。一般にリセッション入りする過程で、初期にレイオフされる人たちだ。

今後の焦点は、ブルーカラーの人々にこれらが波及するかどうか。ここがリセッション入りの大きなガキとなる(リセッション入りは現在、株価にとってはプラス材料)。
が、状況を複雑にしているのはコロナ。コロナによって、ブルーカラーのみが選択的に好況になっているのだ。
例えばコロナは、ホワイトカラーの人々(往々にしてオンラインも可)よりも、ブルーカラー(工場など、出社する必要がある)の人材不足を惹起する。また、低賃金のブルーカラーは、コロナ関連の補助金によって仕事を放棄したからだ。

インフレからリセッションに話題が移っている昨今。
注目の指標も米CPIから雇用統計へ、軸足が移っているといえる。
特に低賃金労働者の雇用環境から、今後の景気が見えてくるはず。


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