2024J1第26節札幌vs福岡の感想
相手の思惑を上回れずロスタイムにビハインドを喫するも命からがら引き分け
札幌の刃が相手の命に届かないという現実
この試合を終えて残りは12試合。……12!?マジで?昔のJ2なら第4クールじゃん。終わりじゃん?で、「失速どころか開幕から全然エンジンかからないままやって来てる今まで」と変わらない試合……やって……いらっしゃるん……です……か……?
というのが終わった後に考えてた事でした。うーんこの。
福岡としては「5‐2‐3で最初から札幌の攻め手を摘んでおいて(摘むというか、芽の出るところに石を置いてる感じ)、困ってる最終ラインでワンチャン引っかければ…」みたいな感じ。これも何回も見てるし、それをやられると札幌が何もできなくなるのも正直何回でも見てる雰囲気があります。
札幌はというと、リーグ中断前の試合ではやや積極的にロングボールを使うようになり、「コンディションの上がった鈴木武蔵の単騎BOURYOKUで陣地を回復する」みたいな雰囲気も出てて、そこからカオスを起こせれば……という気持ちでおったのですが、どうもスタメンにそうしたカオスを期待出来るメンツを揃えてこないところを見てると、「ホームで涼しければやっぱり運動量で圧倒したい」みたいな、偶発性に頼らない主導権握りというミシャイムズをやりたいんすねぇ~っていうのを感じてました。が、それをやり切るには(辛い事に)総合的な選手の質と量が足りてないのがあるし、何より横浜戦で熱発した(馬みたいな言い方になっちゃったね)髙尾くんが福岡戦も出れない以上は馬場くんを右CBにせざるを得ず、そうなると中盤での展開力が落ちてしまうし、右CBの守備力も厳しくなるというのがあって、そんな中で蹴らない選択を最優先する布陣というのは流石にちょっと特に福岡相手には厳しくないすかね……みたいな気持ちがモヤモヤとありました。
で、福岡の目論見に対して、別に焦る必要もない場面で宮澤が引っ掛かり、シャハブの足を引っかけてしまう。試合勘に乏しい感じが散見された雰囲気のPKを取られ、失点。
反撃というか、基本的にはボールを握り、何とか崩してシュートを……と行きたいところでありましたが、ちゃんと5人並べられるとまぁ結構どうにもならんよねというところもあり、ボールは保持してるけど、相手のゲーム。前半スタッツは
保持率 札幌67%ー33%福岡
シュート数 札幌3ー5福岡
枠内シュート札幌0-3福岡
どう見ても持たされてるだけです本当にありがとうございました。
この相手の喉元、胸板に刃が届かない感じ。辛い。
ジョルディを出さんかいジョルディを~!(cv. 桂ざこば)と思っていたらジョルディが出てきて、不調そうな宮澤が変わりました。ちょっとこの日の宮澤選手、動きが重くて心配でした。
完全にベタ引いてカウンター狙いの福岡相手に当然のこととしてボールを握り攻勢を強める札幌は、誰から出たか全然わからんけど糸を引くようなどえらいロングパスに近藤が抜け出して福岡GKを交わしたところでひっかけられてPK獲得。
ジョルディがボールを抱え、スポットに行くんですが、鈴木武蔵の肩を掴み、「お前が蹴るんだよ」的な雰囲気を出します。ああ、チームはホントにいい雰囲気だし、浪花節があるんだなぁと思いました。
固唾を飲み見守っているとキッチリとゴール。村上の度重なる遅延、抗議は見てるこっちが相当苛々したんですが、これ、20年前の家本主審だったら光速ダブルイエローでナチュラルに村上退場でしたよね。感謝しろよ山本主審に。
74分にジョルディが抜け出してゴール!ネットは揺れたが副審はすぐ旗を上げており、まぁそれだけ自信満々に判定したならオフサイドだし、レビュー見てもオフサイドなんやろなぁと思っていたらまぁオフサイドでした。無念。ジョルディさん、ゴール決めた(※未遂)後、電光広告板に「おずおずと足元を確認しながら登ってガッツポーズ」してたのは大変に良かったです。先人(※アンデルソンロペス:現横浜)の後を追わないジョルディ。推せる。
なんかいかにも後半札幌がめっちゃ攻めてるという流れではありますが、後半のシュート数も福岡の方が上で、実に10本近く打たれており、更に言えばドフリーの枠内も何本か打たれて、菅野さんの「動かず、相手に選択をさせる……なんなら誘導してる」スーパーセーブなんかで命拾いしてる展開。
ロスタイムになり、蹴りどころがなくなってあわよくばなロングパスを送ったのを福岡に綺麗に回収され、カウンター。右から入ったボールを一旦は上に弾くも、人数が足りておらず大外の亀川に叩き込まれてビハインド。
負け確感しかなかった中ですが、再開に際しては山本主審が「あと2分あるからね?」みたいな指を何回も両軍に見せてて、あ、まだ少しあるなって思っていたところ、札幌スローインからなんかちょこっと中村桐耶?が流したボールを田中克之がペナルティエリアの角手前からゴラッソゴール(札幌公式表現)。とんでもないロスタイムのブザービーター的なゴールが飛び出して札幌は引き分けと相成りました。
負けが見えてた状況からの起死回生の引き分け。それ自体はありがたい。しかしながら、なるほど一度も勝ち越せないまま試合をしてたのかというのはなかなかに辛いよねという感覚を得て、
長谷部以降の福岡相手はいっつもこうだな?
みたいな試合を終えたのでした。お疲れさまでした……!
大和ハウスプレミストドーム初戦を負けずに終わらせられたのは本当に良かった……!
そこも喜んでいきたい。マジで。今後ともよろしくお願い申し上げます。
選手短評だ!
菅野:負け試合を引き分けにしてくれた神。普通はあの1対1で決められて負けてます。
馬場:ボランチで使えず、厳しそうに試合してました。終盤も辛そうでした。
宮澤:厳しそうな雰囲気。判断もちと遅い感ありました。途中交代。
パクミンギュ:いいDF獲ったわ!僕としては左のサイドで見たいです。髙尾帰ってきたら多分そうなると思う。
近藤:同点PKの元となる抜け出し。同点ミドルのための陣地回復ドリブル。総じてマジでナイスラン。
大﨑:かなり多方面に気を遣ってプレー。中村桐耶が全然前向こうとしないで3回ぐらい大﨑に貰ったボールをそのまま返していた件についてはチーム内でちゃんと詰めた方がいいですw
中村桐耶:ボランチでスタート。明らかに「反時計回りにターンして前に運べ」というメッセージ付きの大﨑からのパスを、黒ヤギさんたら読まずに食べたみたいな感じで大﨑にちょい返しし続けてましたが、ちゃんとしなさいw
菅:クロスがちょっと残念だけど、今更なのでもう打ちましょう。
浅野:福岡のバスに行く手を遮られ、余り目立てず。
青木:下がり目で攻撃をハンドリング。近藤に鬼パスを通す。
鈴木:神戸戦のケジメを福岡相手につける。頑張った!ジョルディと2枚で見たいですね。
児玉:出番なし
長谷川:そこまで目立たず。
原:出番なし
田中カツ:殊勲の同点弾。前節の感想で「「勝ち負けはまぁそりゃあったら嬉しいけど、相手を嫌な気分にさせるゴール」が田中カツから生まれると嬉しい。どんどん飄々としていけ!」と書いたらホントに決めやがった。最高。パスミスは正直怖いので、そこはまぁ、あの、はい。
小林:出番なし
白井:ワイドで使うにはちょっとまだ頼りない感じというか、小柏をサイドで起用して何をやらせたいのかよくわからんくするみたいな事を平気で実行する監督なので、そういう意味では被害者。
ジョルディサンチェス:価値を示してみせたと俺は思いました。鈴木武蔵と2トップで入ってくれればと思いますが、やらねぇんだろうなぁ(正直スタートのトップ3枚がちゃんと相手を制限できてた試合なんかもうずいぶんとないんですけども…)
次節以降に向けて
よそのチームが勝っていくのマジでやめてください?
「札幌の勝ち点ペースが残留圏の各クラブと似た感じになってきた!5戦1勝2分2敗、勝ち点5、これで言えば全試合終われば38。うん、もうちょっといいところあればイケるやん!」
と言いたいところですが全然そんな事はなく、湘南は5戦4勝1分、京都も5戦4勝1分と明確にぶっちぎっております。まして札幌のスタートラインは勝ち点12だった訳で、それこそ5戦4勝ペースをやらないといかんのです。頑張ろう。頑張ってやれるならやってるだろうし、そう簡単にはいかんのだが、そこは頼むわつってやってもらうしかない。ね。
勝ち点状況で言えば、
残りが12試合
今が勝ち点16
最大勝ち点が52
残留勝ち点、40ぐらいになってくれないかなぁという希望的観測は、ちょっとそれより上になりそうだけど、それを言うと辛くて俺が泣くので40だとして、あと24。
失っていい勝ち点はあと12。
やっていくしかないのでやっていきましょう。
※多分ですけど、残留勝ち点は41とか42ぐらいになると思います。
俺は札幌に呪いをブチ撒け理不尽を押し付けるムーヴを徹底して欲しいが、多分そうはならない。
常々、札幌にはこの糞リーグに対して理不尽な呪いをブチ撒けて欲しいと思って試合を見ているのですが、どうも呪い、理不尽感を出すのがやっぱりミシャは好きじゃねぇんだなと思っております。それはまぁ、今の状況を考えるととても残念。
ジョルディやらバカヨコやら獲得して、アタッカーとしてはクラブ側は揃えてるんだけども、それでもスタメンは「これまでのやり方」を踏襲してそうなメンバーなのはコンディションなのかどうなのか。
既にミシャのやり方を実践して完全に主導権を握れるだけの陣容は既に札幌にはない(右の金子という逃げ場と、出口を作りまくれる田中駿汰がおらんくなってからはまぁどん詰まり)し、更に言えばリーグ全体で「対策」が済んでいるので、総合してリーグの中ではリスク値だけが増してるみたいな状況なんだけど、それでもこれまでの延長に固執するのは「ミシャよなぁ」と思う次第です。で、そのミシャに任せるって言っちゃってる以上、ミシャか、ミシャに任せると言っちゃってる人か、どっちかが折れないと、多分基本的なやり方は変わらんのだろうなと思います。そして、多分折れない。
なので、変わらないのでしょう。うーんこの。
「そもそもボール保持を志向してない福岡相手に、圧倒的にボールを握って、その傍らシュート数と枠内数で圧倒的に完敗して、ロスタイム勝ち越されてから起死回生ゴールで同点終了」
という試合をどう見るか、なんですよね。
どの見方も、評価軸だとか評価の前提だとかで正当性を持つと思います。
しかし、明確に存在する「勝ち点」という指標を考えた場合、残留の為には他を凌ぐ圧倒的勝ち点ペースが必要であり、この結果は万々歳ではない。という事は言えるかと思う。(それはみんなそうだろう)
で、事ここ(残り12試合、勝ち点24が必要)に至って、いまだに「しかし、志向しているサッカー的には…」みたいな軸が存在してしまってる事自体、チーム全体・球団全体の軸ブレがあんじゃねーの?というのは思ってます。あくまで僕個人。だって、デカいFWたくさん入れたって、そういう事……じゃないの?みたいなね、モヤモヤが残っている訳です。コンディションとか登録(これはマジで何とかなってくれ…)の話もあるんでしょうけど。
今後、選手登録が国際的なアレを超えて何とかなり、人が揃いました。という状況で、どんな試合を見せてくれるのかは期待していたいと思います。
俺は「虚しく頭上を往復するボールを見上げる悲しそうなイニエスタ」みたいなサッカーを、今は見たい……そう思っています。
(つくづくあの神戸は最高に冒涜的だったw)
~ENDE~
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