親友の珍言集 No.6
親友と知り合ってもう20年近くになる。最初は行きつけのバーで見かける美しい人、それだけで話すことはなかった。
失恋で家にこもっていた私に、別の友人が、
あいつ、今プーで暇だからそっちへ行かせるわ、話でも聞いてもらいよ、ということで彼女が来てくれることになったのだ。
寒くて風の強い夕方だった。すぐ行くわ、と言いながら1時間経っても現れず心配になっていた頃、
ゲラゲラ笑いながらやってきて、
あ〜〜、ゴメン、ゴメン、もっと早く来たかったけど、この風でな、円形ハゲが世間にバレるの恥ずかしくってな。髪で隠しながら来たんよ! と一人で爆笑している。
え??ハゲ?と言葉に詰まっている私を真面目な顔で見ながら、
女としてな、他人には見せられんよ、でも、このハゲ見る?? デカいよ!
男はいつでも別の探せるわ、でもな、失った髪は生えるまで待つしかないんよ! これが生えてくれんから、、、なかなか!
峰不二子もビックリするほど美しい人が自虐的なボケで、私を笑わせてくれた。その夜、自分のことは何も話さず終始、私の泣き言をずっと聞いてくれた親友。時々オモロい話で、泣き笑い。彼女が帰る頃には、なぜかスッと心が軽くなっていた。その後も親友のハゲはなかなか治らなかったそうだ。でも、私たちの関係はスクスクと育ち、大親友へと発展していった。
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