コロコロコミック

国境を見たあと宿に戻ると、片付けられたレストランでは宿の兄弟がテレビを見ていました。日本のアニメだと言うので、兄弟の少し後ろに座って見てみました。アニメ自体は吹き替えられてタイ語でしたが、最初と最後の歌は日本語のままでした。内容は忘れたけど、最後にコロコロコミックのテロップが出て、掲載された漫画なんだなと思って見ていました。

たまに兄弟が振り向いて私を確認します。片付けをしながら黙ってお母さんがたまに様子を見ます。そっと私に、「ずっと付き合ってないで外をまわってきたらいいよ。」と、たぶん言っています。一緒にテレビを見る方がなかなかない体験だと思って、私は「わかったよ。もうちょっと一緒に見とくね。」と伝えます。そんな事をはっきり伝えられる英語力は持ち合わせていなかったので、多分身振りで伝えたんだと思います。

アニメは短いもので、15分くらいで一回終わりますが、またすぐに始まりました。2話か4話で終わるだろうと思っていたら、全然終わりませんでした。お母さんがそっと私の肩をつついて、売り物のちいさなドーナツを渡してくれました。私より前に座っている子供達には内緒だよ、という身振り付きでした。

内緒で、と言われたからそうした方がいいのかなと一瞬迷いましたが、3つに割って兄弟と分けて食べました。アニメはとても長かったです。ただじっと一緒にいる充足を学びました。

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