時代が変わる

一連の騒動で、私は傷ついているんだなと思う。どちらかというと進んで情報を取りたい対象ではなかったから当時は知らない。でも、当時、問題になった記憶はない。20年以上経って、今、大問題になって初めて読んだ内容に、私は深く傷ついている。

そして三つのことを思う。一つは、この20年ほどで、私たちの暮らす社会は、少しよくなったんじゃないか、ということ。今なら、どのメディアでも誰かがストップをかけて表に出すはずがない。それくらいアウトだ、ということ。

そして、もう一つは、インターネットの時代だなということ。もしもあの時、今みたいにインターネットがあったとしたら、近寄ろうと思ってなかった私の耳にも記事が届いたんじゃないかな。リアルタイムで騒ぎが広がって、自分を振り返るチャンスになっただろうか。

そしてもう一つは、当時も今も、ある特定の個人の問題ということにして罰しておしまいにしちゃいけないよね、ということ(他の犯罪とかも同じだな)。多分、社会の中にもあるグロい部分を見せられて(社会は)傷ついた。少なくとも私は傷ついた。でも、見たくないから攻撃してなかったことにする、では本質は潜っていくだけじゃないかと思う。この先私たちは、何を自分たちの中に見るのだろう。

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生前、HaLoのエンジニア・プロデューサの藤井さんがよく言ってた。世の中の素晴らしいミュージシャンには、才能があって人柄がいい人と、才能はあるけれど人柄がよくない人がいる、と。亜弥子には、人柄のいい人しか紹介してないよ、と。

音楽の才能と、人柄はイコールじゃない。抱えている闇の深さがいい音楽を作らせることもある。人柄は本人の責任じゃない場合も多いんじゃないかと思う。(変えられるはずだけど、そのハードルの高さの前提が違うと思う)願わくば、音楽がその闇の底をともに歩く灯火とならんことを。また音楽を生み出してくれるといいな。

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元々、友人の一人が参加するから、彼女の応援をする以外、興味がなかったのだけど、ここまで傷だらけになった五輪というメタファーが可哀想になってきた。どこにどう転んでも歓迎されない感じ。

時代が大きく変わる。

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