2022年6月のあたまのなか | マネージャーとメンバーの距離感 | マネジメントの資質とスキル

今月も答えのない悩みが悶々しているので書き出しておく。

マネージャーとメンバーの距離感、メンバー同士の距離感

僕の職場ではwevoxやストレス診断などのコンディションチェックを定期的にしているのだけれど、その結果を眺めていて、昔気になっていたことを思い出した。wevoxの表現を借りるなら『上司との関係』と『チームメンバーとの関係』の数値だ。この2つの数値のうち前者、つまり『僕とチームメンバーとの関係』が後者より高得点になることが多くてモヤってた時期があったので、掘り起こしてみる。

理想を言えば、それらは同じくらいに高得点であってほしい。
とはいえ真面目にマネジメントしているのであれば、マネージャー⇔メンバー間の関係性のほうが健康度合いを保ちやすいとは思う。1on1などじっくり会話する機会も用意しやすいしね。
加えて僕のチームのメンバーが自律的である故か『マネージャーに期待すること』より『同僚に期待すること』のほうが多くかつ具体的だと思うので、期待のズレなども起きやすく同僚間で常に良い関係性を維持するのは高難易度な可能性もある。チームメンバー同士で期待を調整し合う機会を自主的に設けるなんて更に難しいだろうし。

僕たちマネージャーがチームメンバーから「メンバー同士で上手くいってないんです」とはっきり言われればまだ良いのだけれど、そうはならず、マネージャー目線では「どのメンバーとも自分はいい関係を築けている。だからこのチームはいいチームだ。チームメンバー同士もいい関係に違いない」と思い込んだまま実態とかけ離れてしまうと大変まずい。

まずい上に、そうなる可能性がけっこう高いのが尚のことまずい。どんなにヒアリングしようと思っても、「マネージャーに相談するほど深刻でないけどちょっとやりにくいと思った場面」などは聞き出すことが難しい。記憶に埋もれがちで時間が立つと引き出しにくい。
だから日々様子をじっくり観察して細かい変化に気づくことが必要だが、それも完全ではない。

マネージャーにとっては信頼できるチームが、チームメンバーにとっては心理的安全性の低いチームだった……なんて事態にならないような対策を考えていかないと。

マネジメントの資質とスキルがソフト過ぎる

エンジニアの資質とスキルがどちらもハード(具体的で計測しやすくいもの)であるのに対し、マネジメントの資質やスキルはとてもソフトだよなあ…としみじみ思った。

たとえばエンジニアの資質は論理的思考力や問題解決力で、スキルはコーディング能力や機能の設計力などだろうか。ドキュメントを書く能力や、スケジュールを組み立てる力などもありそうだ。どれも実践的で具体的で、人と比較して大小を測りやすい。

対してマネージャーの資質は人間性・道徳心・配慮などだと思う(諸説ありそう)。そしてスキルはチームメンバーの変化を観察する力や、会話の中から真意を引き出す力、フィードバックする言語化能力、期待値をすり合わせる会話力など、なんだか抽象的だ。雑に言えばどれも「コミュニケーション力」にも見えるし、口先で問題をこねくり回すせこいスキルに思えるときもある。人と比較しにくいし、スキルを主張しにくい。

成果で見ても、エンジニアはハードでマネージャーはソフトだ。コードを書いていれば「昨日より進捗した部分(=成果)」が目に見えるが、マネジメント業務のほとんどは、昨日比での進捗は見えにくい。半年〜数年越しに変化を実感できるような成果ばかりだ。しかも自分の成果だと実感しにくい成果ばかりだ。

と、ある程度考えたところで、マネージャーの能力や成果をエンジニアの頃と同じ基準で捉えようとすると、大したスキルも成果もないように感じやすいのではないかと気づいた。僕が無力感に悩まされるのは、エンジニアだったときと同じ方法で自己計測してるからなのかもなあ……と少し着地点が見えたので、いつかもう一歩踏み込んだ話をnoteにまとめたい。


今月はここまで。

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