見出し画像

最近読んだ本

自分用にメモがてら書いてみます。

『そして2人だけになった』森博嗣 1999年

ミステリー。結末は予想できなかったとは言え、拍子抜けする内容。与えられる情報から予測するトリックのタネでは矛盾が多く、真相も謎。真相をあやふやにして終わるならもう少し情報を隠すか、辻褄の合う書き方をしてほしい。恐らく作者は執筆途中で結末を書き換えた(考え直して変更した)と思う。

『日の名残り』カズオイシグロ 1989年

人生の終わりに近づいた老(?)紳士が、今まで自分が信じてきたものは正しかったのかと、見つめ直すのが印象的な小説。人はその時々は正しいと思っていたことも、別の選択をしていたらどうだったかと、後々考えてしまうことがある。その過去の自分を疑う気持ちを、人生の終盤に差し掛かるまで知らなかった男の旅物語。最後まで1人称。翻訳も良い。

『ハムレット』シェイクスピア 1600?

読みにくい。それはそうだ。演劇の台本のようなものなのだから。それにしても翻訳も古文のような言葉遣いで書かれていて読み切るだけで一苦労だった。内容は知っていたので経験として読んでみたが、もういいかな…といった感じ。

『蜜蜂と遠雷』恩田陸 2016

音楽がテーマの小説。音楽という芸術を、文字だけでここまで伝える恩田陸はすごい。登場人物が体感しているであろう音が、文字を通して伝わってくる。音楽好きは是非読んでほしい一冊。

『花の鎖』湊かなえ 2011

3つのパートに分かれて進むストーリーが、徐々に1つに交わる。最初は全く掴めない関係性が、程よい速度で絡み合っていくのが気持ち良い。書き方が上手い。

『ハーモニー』伊藤計劃 2008

衝撃を受けた。SF小説だが、細かい設定と妙なリアルさが完全に我々をこの世界に落とし込む。公共的正しさに支配された世界に腰を据える人々と、それに抗う人の物語。未来の世界に想定し得る状況の究極系。今を生きる我々が読むべき一冊。これが2008年に書かれているのも恐ろしい。物語の結末などどうでもいいと感じるほどの世界観。是非読んでほしい。

『神様のボート』江國香織 1999

物語の盛り上がりや下がりなどの大きな展開はない小説だった。淡々と、自分の信じる虚像なようなものを追いかけ続ける1人の女性の物語。結末も人それぞれの解釈ができるようになっていて、後味は良かった。

『午前0時の忘れもの』赤川次郎 1994

ファンタジー(?)小説。ファンタジーは感情移入もしにくいし、難しい。何か生きることの大切さのようなものを問われているような気もしたが、うまく自分の中に取り込めず。あまり記憶に残っていない。

『男ともだち』千早茜 2014

お互いを心から理解し合っているにも関わらず、男女としての交わりは一切ない2人の話。誰しもが自分の過去や現状に当てはめて考えることができるのではないか。決して明るい恋愛小説とは言えないにも関わらず、男女をテーマに、何だか人のエネルギーのようなものを感じた面白い本。

みなさん、オススメの本があったら紹介してください。ジャンルは問いません。小説でなくても歓迎です。

またね^_^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?