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海水で野菜が育つ!?次世代の農業技術 [モイスカルチャー×海水農業]


こんにちは、あーモンドです。
本日は、
土壌を利用しなくても食物を栽培できる農業技術「モイスカルチャー」と、
その技術を応用した、海水で食物を育てる「海水農業」をご紹介します。

この内容はstand fmでも配信しています。
音声で聴きたい方はぜひチェックしてみてください🙌


モイスカルチャーとは、“Moisture”(湿度)で栽培する技術と、
新たな食のあり方を示す”Culture”(文化)を掛け合わせた、
自然にとっても、人にとっても、全く新しい価値観をもたらす、
株式会社CULTIVERAによって開発された新技術です。

株式会社 CULTIVERA(カルティベラ)とは、
気候変動によって引き起こされる、
農作物の栽培環境の変化に対し、モイスカルチャーを筆頭とした独自技術の開発によって問題解決を試みる、アグリテック企業です。

CULTIVERAは農業法人ポモナファームを運営し、
技術開発と技術実装を同時並行で行いながら、
実際にフルーツトマトやミニトマト、マイクロリーフやハーブなどを通年生産し販売しています。

この農法は、
5mm程の特殊繊維で作られた人口培地シートを使って自然の土壌の表層約15cmを再現し、培地シートとシート下部から給液される水分の間に空間を作り、その空間を気化した水分(湿度)で満たすことで、毛細根の発生・活性化を促すという仕組みによって成り立ちます。

根域空間の湿度をセンサーで管理し、特殊なアルゴリズムを用いて灌水を行うことで、栽培時の水分と栄養分のコントロールし、食物に栄養を均一にいきわたらせ、成長にムラのない育て方を可能にする、CULTIVERA独自の栽培技術とされています。
特に、水分が気化される事によって、植物の環境適応能力が強化され、少しの水分でも育つようになります。そのため毛細根の量が増え、葉や果実の中の糖やアミノ酸の量も増え、浸透圧が高まることで、糖度が高くビタミン豊富な野菜を栽培できるそうです。

植物が水と肥料を余すことなく吸収するため、使用する水は従来の灌漑農法の1/10に削減でき、排水もゼロ。廃液を処理する施設も必要なくなるため、残留窒素も抑制され、病害虫も抑制できるという、極めて好循環な農業スタイルになっています。
また、土をほとんど消費しない栽培方法のため、
従来の農業方法で問題になっていた、
淡水・土壌の大量消費や汚染問題、森林破壊などの環境問題の解決に繋がります。

さらに、従来の水耕栽培や土耕栽培では難しかった、変温に強い野菜を育てることが可能になるそうです。トマトはなんと、通常の栽培適温に対して±2~5℃までの変温対応力が、なんと±10~15℃まで耐えるようになるのだとか。

過酷な環境下でも、あえて植物の環境適応能力を向上させることで、
地球温暖化に向けた対応策になりえるのはとても驚きです。

そんな次世代農業と呼ぶにふさわしいモイスカルチャーは、
海水を用いた農作方法にも応用できるそうです。

海水農業の仕組みは、
酸性の雨とアルカリ性の海水を中和させ、品種に合わせた様々な種類の根を育成し、
地中と空中の水分と養分を吸収出来るようにする事で実現しています。
(モイスカルチャーの技術を応用)

海水農業の特徴としては、海水に含まれる豊富なミネラルや養分を利用することができるため、栄養価の高い作物を栽培できる点にあります。

どちらの取り組みも、
簡易的なパイプハウスで実装可能で、
重油の使用代も従来の農法と比べて1/3に削減。
バイオマスや太陽光などへのエネルギーによって稼働することも可能だそう。 
 
大量の水や肥料を投入する農業によって、昔よりも野菜の栄養価は1/3に減っていると言われるこの時代。この技術で、人にも環境にも良い農業が実現される未来は現実になってきています。

特に今後は、
気候変動が進むことによって栽培が困難になる食物を、
モイスカルチャーによって生産できるように活動を進める方針とのこと。
「The Good Green Farms」を設立し、
いちごなどの果樹や穀類などの栽培研究に取り組み始める予定なのだそうです。

特に食品会社と共同研究が行われているスパイスやハーブにおいては、
機能性成分のコントロールを可能にする技術の開発に期待が寄せられています。

しかしこれだけには留まらないのがCULTIVERAの凄いところ。

この技術を取り入れる新規就農者の育成、支援はもちろんのこと、
海の上に浮かび、そのまま移動も食料調達もできる
海上ファーム『グリーンオーシャン』というプロジェクトも推進しているのだとか。

グリーンオーシャンでは、
アーキテックスタートアップであるN-ARKと共同で、
海面上昇などの気候変動時代に適応していく、
『耐塩建築技術』と『海水農業技術』を掛け合わせた、
新しい居住環境作りを目指しているそうで、
雨水を積極的に取り入れる屋根を用いて、海水を利用した空調設備や海面下での人工光合成による植物プランクトン増殖による海中環境改善など、海上ゆえのメリットを活かした仕組みづくりに取り組んでいます。


次世代の最先端をゆくCULTIVERAの活動に今後も目が離せません。
皆さんも是非、最先端技術で育つ、次世代の野菜を召し上がってみてください。

↓農業法人ポモナファーム HP・オンラインショップ↓

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