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第五回「あとがきのあとがき」

とまぁ、こんな感じで俺っちのバンドマン人生っつーの?が始まったワケなんだけど。
それからもう10年以上音楽をやっていて、かといってすごい売れました!どうですか!!!
みたいな自慢話も無く ただただ日々まるで修行僧のように見えない先に向かって変に焦りながら競歩しているワケですね。

つい最近(といってももう一ヶ月前とかになるんだね。)
俺っちが今やっているバンド「アルマが死んだ」が2枚目のアルバムをリリースしたんだけれど、そのタイトルが「生活」と言いまして
このヘンテコな人生を丼にぎゅうぎゅうに押し詰めて
「ほら!!これ!!クソまずいかもしれないけど!!!食って!!!うまい奴にはうまいと思うから!!!!」みたいな感じでカウンターから汗だくの俺っちが皆様に差し出したのがアレです。

皆様それぞれ色んな調味料を足したり、そのままストレートで完食してくださったりね。本当にこの店をやってて正解だったなという感想なんかがSNS上で見えたりして。

汗だくの店主。俺っちはね。
「また食いにきて!!!」とクソ汚い笑顔で皆様を送り出すワケですね。

で、そこからその店は今までフードコートで出店していたのですが
なんと一日だけ周りにライバル店は無く、俺っちの店だけが開店できる権利を得たのです。

即ち。ワンマンライブってやつですね。
そのワンマンを俺っちは「血潮」と名付けたのですが
血って液体ってマジ凄いなって最近よく思うことがあって
そもそも血って単語がまず凄いなって。

人間にとってものすごく重要なこの液体をたった一文字で片付けてしまうというのもマジでおかしいと思ったし、なんで赤なんだよとかさ。
もう馬鹿な俺っちは馬鹿な感想や疑問しか持たないのだけれど
馬鹿は馬鹿なりにその血という単語を凄く尊敬してしまったんですね。

面白いじゃん。血。

このタイトルを思いついたのが今回お世話になるライブハウスの内装にあって、「ロックンロール以外は全部嘘」というライブハウスなんですけど、
そこの内装が全部真っ赤なんですね。

俺っち大興奮しちまってバンドマンならさ音響がどーとかこーとか拘るべきなのかもしれないけれど、俺っちはそれよりもその超絶イカした内装の写真をたった一枚見ただけで「ここにしよう」と決めたのです。

もの凄い奢ったことをいうと
アルマが死んだはこのライブハウスに合うって本気で思った。

マジで思ったんです。
あの真っ赤な内装で俺っちたちが歌い演奏するシーンが鮮明に頭の中に浮かび上がって、俺っちはもう「ここしかない」くらいの感覚になったんですね。

このワンマンライブは「生活」の発売記念的な名目でやるのだけれど
俺っちはそれだけじゃ無くて、このバンドでしかも大都会でワンマンができるという田舎的感覚も持ち合わせているんです。

何にもなれなかった田舎者Aが東京に来て傷ついて傷つけて笑われて叱られて、それでも応援してくれる人は居てくれて、何が正しいとか何が間違ってるとかそんなもんも全てかき消せるくらいのバンドを自分では組んだつもりで、そんな田舎者が歌うバンドが東京でワンマンをするって多分田舎者にしかわからない感覚なんですけど、それでも俺っちはこの街で生きたいし、
この街で歌を歌いたいのでその第一歩がようやくできるなと言った感じなんですね。

以前、生配信で「生活」をレコーディングメンバーみんなで聞くっていうのをやったんですけど、俺っちはそこで「アルマが死んだ第一章が終わった」みたいな話をしたんです。

それはマジでそうで、パターン化されたバンドにはなりたく無くて
常にずっと面白いのになりたいんですね。俺っちは。

その最初はやっぱり「今までやってきた物」を名刺におかないと
着地点がわからないバンドになってしまいそうで。

なので、俺っち個人としては「やっと序章が終わる」と言った感じです。
しっかり2年かけてホームを作って、俺っちという人間を曲で知ってもらって、そこから俺っちは次のステップにいく身支度を始めるのです。

その最終回が「血潮」なのだと思っています。

約17曲を世の中に発表して、その曲たちは間違いなく俺っちの人生だった。
やっぱり「遺言」や「SUPER NEW」なんかを歌うと当時のバンドのメンバーたちの顔が浮かんだりします。
みんな元気かな。音楽やっているかな。

俺っちたちは変わっていきます。
変わらなければ進化も退化も無いのです。

なので、その第一章の終わりをどうか見に来てはくれませんか。
もう二度とない「初単独公演」を。

このコラムでも宣伝なんてマジでがめついかもしれないけど、
それくらいに俺っちはこの「血潮」に対して本気なのです。

この夜だけは俺っちと皆様のものだ。誰にも邪魔なんかさせるつもりはない。
誰が馬鹿にしたって、誰が蔑んだって、この夜だけは絶対に守りたいなんて思ってしまったのです。

音楽でCOVID-19は治らない。

ただ音楽であなたの何かを振り返らせたり、
音楽であなたの未来を一瞬でも明るくさせることは可能なんだと思っています。
ただ、音楽は魔法じゃない(大森靖子さんみたいな)から皆様の熱が絶対に必要で、その熱を主食とするバンドという生き物は熱をたらふく食ったあと皆様にお返しとして「音楽」を届けるのだと思うのです。

このバンドって名前の生物は死ぬも生きるも皆様の熱のみが決められるのでバンドがいくら飛ぼうとしても熱がなかったら誰にも気づかれずに落ちていってしまう。

精密にお洒落に仕上げた車も見た目も乗り心地も運転のしやすさもいいのに
ガソリンがなかったらその車はただのオブジェなのです。

バンドはあなたと一緒に飛ぶのです。

バンドはあなたと一緒に生きるのです。

いや








生きたいのです。

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