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第三十一回「それぞれのそれぞれ」

とても嬉しい悲鳴なのだが
最近、とても忙しい毎日を過ごしている。

音楽やそれにまつわるものが一日中 俺の時間を使って次から次へとやってくる。
しかも、その全てのメインが俺なのだからちょっとやそっとの泣き言なんて
言ってられないのだ。

そんな毎日の中でもほんの少しの感動だったり、喜怒哀楽はしっかり持っていたいと思うので弾丸で渋谷に行った。
それはつい先日のことなのだけれど、今現在渋谷のBunkamuraにて尊敬する漫画家でありイラストレーターの江口寿史先生の個展がなんと無料で開かれている。

俺は仕事と仕事の合間を縫って渋谷に行った。
看板には「この絵がもう音楽」と書かれていて胸を射抜かれた。
そうなのだ。音楽が鳴る絵なのだ。先生の絵は。

今までいろんな漫画やイラストを人並みに見てきたのだけれど
これほどまでに音楽が鳴る絵はないのではないだろうかと思うほどに。
音楽家が江口先生にジャケットをお願いする理由が物凄く理解できる個展だった。

なんというか空気感があっという間に変わるというのかなんというのか。
そういう最高峰を見ると胸がやっぱり熱くなるのだ。

全ての作品をじっくり見た後にグッズを買った。
江口先生自らサインをしてくださるのだ。

俺は先生が今まで手がけた音楽家たちのジャケット集。
その名も「RECORD」を購入した。
その1枚。銀杏BOYZの「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」のジャケットにサインをしていただいた。

憧れの漫画家を向かい合って座って。

思えば。
漫画家からサインをもらうのは二度目だった。
一度目はBバージンなど数々の代表作を持つ山田玲司先生だった。
山田先生の番組の抽選でなんと当選し、我が家に先生のサイン本が届いたのだ。
それがもう数年前の出来事。

そこから次は江口寿史先生だ。
今まで何度も何度も思ってきたことなのだけれど
俺は漫画が好きでよかったと思った。

様々な漫画で俺は泣き笑い怒り驚いてきたのだ。
それが自分のバンドの創作の核にもなっていたりする。

俺たちのアルバム「生活」や今回リリースするシングル2曲のギターを弾いてくれた”たきえ”は「コウヘイの漫画のセンスは本当に信用してる」と言ってくれる。

そんな嬉しいことがあるか。
自分の好きなものを自分じゃない誰かが褒めてくれるとき。
こんなにも嬉しくなるのはなんとなく自分が認められている気がするからなのかもしれない。

人間誰も第三者の好きなものを否定したり拒絶したりしてはいけないのだ。
好き嫌いはあって当然なのだがわざわざ面と向かって否定をされたりすると
こう、ギュッと胸が痛くなる気がする。そんな感覚なったことあなたにもあると思う。

例えば俺のやっているバンドが好きだと誰かに話してくれた時に
第三者がそれを否定したら悲しい気持ちになるんだと思う。
だから、俺はそんな悲しい気持ちになんてさせないようなバンドに
していきたいのだ。
全員が全員に好かれたいのではなく。
あなたが悲しんでしまうようなバンドにはなりたくないのだ。

「アルマダサくね?」と言われた時に
「人それぞれだけど僕(私)の中で最高だよ」と言ってくれるようなバンドになりたいのだ。
その原動力は今もなお健在だし、なんならまだ始まってもいないと思っている。

これからのアルマをあなたが胸を張ってみてくれるように。
もちろん今もみんな胸を張ってくれているのでさらに!!(です!)


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