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幸せのキャパシティ

豊かさが担保されている現代社会で死んだように生きている気がしてならない。特に僕も。

常に情報に曝されているゆえにいかに効率良く、合理的に必要で目新しいものをキャッチできるかという恐怖心のような強迫観念のような潮の流れで生きている。

知らず知らずのうちに、クリック、スワイプ、スキップしている。

たかだか数十分の映像や時間のうちに何度スマホに目をやるんだろう?とふと、ハッとすることもある。これは常に脳内にドーパミンが放出され続けている、いわば中毒状態にあることを意味する。

若い世代にTikTokなどの数十秒のコンテンツが受け入れられるのは、脳がその時間しか集中できなく、ジャンクフードのようにスクロールされる画面に無意識的に時間を奪われていることの裏付けにある。

僕も彼らを批判したり、卑下できない。もれなく僕も多大な情報に踊らされるうちの一人だ。地球の裏側で起きていることをネットを通じて探しているし、それを活かして生きてきているわけだからね。

まぁ、まだこの自分の危うさに気付けて適切な距離を図ろうと意識できるのが、大人ではあるが、子供たちはそうはいかないだろうね。

それは、幼さもあって自分の状態に気付けないのもあるが、周りのコミュニティツールとしてスマホなどが中心となり、簡単に仲間ハズレが作り出せる環境下にあるのかもしれないからだ。(これは僕の邪推で、今は今で、学校や家庭に居場所がなければ、オンラインのどこかで誰かに必要とされる居場所が探されかもしれないことを考慮すると、昔の方が実際のいじめや差別が多いかもしれない。)

何かに没頭して、集中できるものや環境を作り出す事は今後一層努めていく課題であることに変わりはないだろう。成人にとってもね。

現代人がキャンプやサウナなどのオフラインに居場所を探すようになったのは、どこか合致する。本能的にこのままではまずい。そんな気づきという自戒があるのかもしれない。

いわば、人生はキツく辛いことの方が多い。
常に人の目や競争に曝されてストレスが過大にかかり、心安らぐ居場所がないように思う。
だからそのキツさは忘れるためにも自宅に戻っても誰かとつながるためにネットをしたり、ゲームやストリーミングサービスに更け込む。

自分という存在を隠しながら、オンライン上で自分の存在意義を確認する。近年のメタバース、Web3.0、VR、ARはデジタルネイティブには当たり前になったのは居場所作りなんだと思う。

Ex.GAPではNFTを集めて、リアルな店舗で限定商品を提供することを発表している。 こんな消費行動の変化が起きているのは感慨深い、経験と体験の投資が凄く流動的に...

”若者は何が楽しくて、どんなことに関心があるのか?”

本人たちにもわからないのだ。なんとなく楽しい、みんながそういうのだから。

豊かさとコンテンツの成熟が、より面白い魅力的なその先の何かを求めていく探究心という本能と、生活のレベルが上がったことによる既成のモノでは満たされない不満足感の乖離を広げ、幸福と苦痛の心と脳のバランスを壊していっている。

カフェ、電車、歩行者、信号待ちの運転手、すべての人が心ここにあらずのような世界に見える。

別に過去を美化して現状をあまりに憂う必要はないと思う。何か工夫が必要だな!

その中で僕は、ロードバイク、トレッキング、登山、ウォーキング、サッカー、美術館、ワイン、日本酒、ウイスキーなど、いろんなものに触れてきた。

オフラインで出会うのは面白い。(もちろん、オンラインを通していろんな業界人や有名人との距離が縮まったこともあるけどね。)

人脈を広げる段階を超えて、人脈を絞る、クローズドなコミュニティが活性化する、ネット期の黎明期のようなあの感じがオフラインでも起きていくのかもね。いやむしろ起きている。

依然はサブカルで自分が情報を開拓していく狭い界隈、その情報の価値やそんな自分に不思議な優越感を抱けていた。

今では、そんなかつての陽の当たらない状況を楽しんでた勢の居場所が、姿を変え、発信力を持った俄かがすっかり形を変えていくこともある。


同じ界隈で発信していてもそれは外には広がらないから、成長していくことは大切ではあるが、アイデンティーを失ったその組織は最後は衰退していくのかなとも思う。コンテンツの消費サイクルの早さが過剰な加速や衰退の一翼を担っていることも間違いない。


建設して取り壊すのが一番経済的な発想ではあるのはわかる。ただ、そのサイクルに辟易としてるのかもしれない。


ワークライフバランスは心のバランスを担保するためであるべきだ。

それが一番難しい...

余計で無駄をすることは贅沢なのかな?
それらを知らずして合理的になるって難しいなぁ...
他者に理解を示すには、相容れない距離感も大切に思うのはダメなことかな?

誰かが言っていたけれど、幸せになるには"手放す力"が大切だって。
何かに掴まり続けること、何かを切り捨てることも難しいから、そっと離していくことが大切だと。


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