#2 コーヒーも冷めるほどの熱い想い

このお話は私たち近畿大学山縣ゼミ生がアパレルブランド「オールユアーズ」をテーマに書き上げた「オールユアーズの物語」である。オールユアーズと様々な価値観を持つ一人一人の物語を紡ぎ出す。

今回はオールユアーズが取り組んでいる「クラウドファンディング(通称:クラファン)」を通じて、背景にある想いやストーリーを感じ取った大学生を描いた物語である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「は~今日も一日頑張った。」
熱々のコーヒーを片手にどっしりとソファに腰をおろす。
ここからは、一日の中で一番私にとって至福の時間であるネットサーフィンタイムだ。
さぁ、今日はどんな素敵なものに出会えるだろうか。

私は、大阪にある大学に通う3年生の白川美玲(しらかわ みれ)。
どんなことでも自分の興味のあることやおもしろいと思ったことにとことん挑戦するのが大好きだ。
その好奇心に導かれるがまま大学1年生の時に参加した、発展途上国での商品開発プロジェクトで自分達の普段目にしない世界の現状を知り、今は社会課題の解決に興味がある。

社会課題を学ぶなかで、ファッションがどれだけ環境に負荷を与えているかを知った。
流行は次々と移り変わり、街には様々な色、素材、デザインの洋服が溢れている。
私も元々洋服を買うのが大好きで、ショッピングに出かけるたびに街中に溢れる洋服に胸をときめかせ、財布の許す限り次々と新しい洋服を買っていた。

『量より質』

ありふれた言葉に聞こえるかもしれないが、ファッションが環境に与えるインパクトを知れば知るほど私の購買行動はこの言葉に沿ったものへ自然と移り変わった。
そして特に、“質”といっても製品そのものの材質を表すのではなく、背景にあるストーリーや思いにお金を払って物を買いたいという思いを強く持つようになった。

そんな考えを持つ私が、クラウドファンディング、通称クラファンに興味を抱くのは自然な流れだろう。


ソファにもたれかかり、クラファンサイトを眺めるこの時間が私にとって至福である。
下から上にどんどんとスクロールされる画面。
瞬く間に移り変わり、視界に入る数え切れないほどの情報。
サイトを見ていると、さまざまな思いやストーリーをバックグラウンドに抱えた商品やサービス、プロジェクトが次々と目に入る。

突然飛び込んできた、『すべての白シャツ難民の皆さんへ。白シャツの新しいあたりまえができました。』の文字と、白黒写真。

「白シャツ難民?」
「白シャツの新しいあたりまえ?」
私の頭の中は「?」でいっぱいだった。

プロジェクトページを読み進めていると、それがどんな想いで作られたかがありありと書かれていた。
ただのアパレルブランドではないことが、一文字一文字追うごとに伝わってきた。
最初は興味本位で読み始めたページが読み終わる頃には、このブランドの想いにお金を払って応援したいという気持ちに変わっていた。

世の中は今日もモノで溢れている。
良い機能を備えたモノ。素敵なデザインが施されたモノ。
どれも心惹かれるものばかりで、あれもこれも魅力的に見えるかもしれない。
しかし、これだけモノで溢れた世の中でも、バックグラウンドに想いが詰まった物はいったいどれだけの数存在するのだろうか。

私はこれからも製品そのものはもちろんそこに存在する想いにお金を払い、自分の心も満たされるような選択をしていきたい。

改めてそう考えながら『支援する』のボタンを押した頃には、熱々だったコーヒーも冷めていた。

コーヒーも冷める程夢中にページを読み込みたくなる熱い想いを持つ会社を知った。
嬉しさで今夜はよく眠れそうだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〈オールユアーズのクラファンサイトはこちら〉

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?