男女両方の気持ちがわかる？

戸籍訂正済トランスジェンダーの新井光です。詳しいプロフ記事はこちら。

トランスジェンダーって
男の気持ちも女の気持ちも両方わかるんだよね。

このセリフは何百回も言われてきた。女の体で生まれた僕が自覚していた性別は、男性だった。これは無意識なもので、自然に自覚していたから、誰から言われたり指示されたものではない。

性自認は、男性。
体の性は、女性。

だから、どちらの気持ちもわかるのか？

答えは、「NO」である。

わかっていたならば、きっと離婚もしていないし、過去に付き合ってきた彼女たちとも、もう少し長く付き合えてきたはず。「女心が全く分かってない！」とキレられたのは、一度や二度ではないからだ。
では逆に、男心が１００％わかるかといえば、そうでもないと思う。
男友達と話しているほうが気楽だったりするし、何となく居心地の良さを感じたり、こういうのめんどくせー的な話では意気投合しちゃうので、きっと少年の心のまま僕は大人になったんだと思う。
男子特有のえっちーい話にももちろんノリノリでついていくし、くだらないわちゃわちゃを楽しめたり、人生や仕事についての感覚や体力的な部分などはほぼほぼ男子なので、そのおかげもあって僕は埋没生活ができている。

＊埋没生活とは＊
自分の性自認を含めたセクシュアリティを周囲には公言せずに生活することを指す言葉だ。セクシュアリティのことだけではなく、持病や婚姻歴などを公言しないことも、これにあたる。
詳しくはこちらの記事にも書いたので参考にしていただければと思う。

そもそも、男女の感覚ってはっきりとした線引きはあるのだろうか。

僕らセクシュアルマイノリティ当事者は、様々な感度が高めだとは思う。
人の気持ちに敏感だったり、人からどう見られているかということに繊細で敏感になりがちだから、よく気づいたりとか直感力が鋭い人は多いかもしれない。

たとえば、生理痛のつらさとか、ブラジャーのしめつけのこととかは、経験者だから感覚的にわかるけど、全部はわからない、ということが今回のテーマの結論である。

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