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【P-MODEL】「LIVE電子悲劇 COLOR-6」(1998.01.22.THU 渋谷CLUB QUATTRO)

※ツアー初日(COLOR-7)のレポはありません
※曲の感想とタイナコの話は少なめ

【概要】

LIVE電子悲劇 COLOR-6
1998年1月22日(木)渋谷CLUB QUATTRO

[LIVE 雷子悲劇]は、コンピューターネットワーク、および電話回線上のFAXオンデマンド、で公開される「Black in White船団 航海日誌」と、ライブ会場がリンクされて進行するP-MODELのライブ・パフォーマンス・ツアーです。

■公式レポート
・音楽産業廃棄物 P-MODEL SIDE(P108~109)※写真のみ
■LIVE電子悲劇とは(出典:平沢博物苑
http://www.pinkytrick.com/p/img/flier/1998lived_1.jpg
■簡単に言うと
要はP-MODEL版インタラクティブ・ライブ
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1. ライブ中に難関が発生
2. 会場の観客が決めたプロジェクト名と共に、P-MODELがオンラインボイジャー(要は宅オ、以下OV)へ救援を依頼
3. OVが問題解決ページにて解決策を探し、次のライブ会場へ託す
4. 次の会場でそのプロジェクトを開き、問題解決していればライブ続行
5. 解決しない場合はツアー中止となる。だってそうでしょ?だってそうだもん。(平沢さん談)
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というのを合計8日間、7回続けます。
病原体ENOLAを撃退するには、COLOR-0にある「COOSHIN(くうしん)プロトコルの書」が必要なので、我々はP-MODELの乗船する「Black in White船団」と共に旅をする、というお話です。

そして1998年なので、OVの人たちは映像中継も、静止画中継も何もない中、チャットに集い、ライブを想像で見守ったのでした。すごいだろう。
しかも当時は従量課金接続が殆ど(定額で使えたのは23時~翌8時)なので、会場からメッセージが来る『ライブ当日19:45前後、20分~30分間』のタイミングで何度もリロードして繋ぎ続けるのは大変だったんだぞ。

■他の日のレポート

COLOR-5(仙台) COLOR-4(札幌) COLOR-3(名古屋) COLOR-2(大阪) COLOR-1(博多) COLOR-0!(東京)

【セットリスト】

B-FILE
1. ASHURA CLOCK
2. HIDDEN PROTOCOL
3. BA-DA-DHA
4. Rocket Shoot II
5. LAYER-GREEN
6. COLORS
7. BOGY
8. ENN
9. 衛星ALONE
10. はじまりの日
11. AFFIRMATION
12. ソリトン
13. BIG FOOT
14. Black In White
15. Spiritus
16. OH MAMA!
17. ENOLA
---
18. Welcome
---
19. Solid air

【開演前

小西さんのRoland JP-8000の、ロゴの「Roland」の「o」のところに、何やら缶バッジが…。

画像2バッチはイラスト再現です

よく見ると、悲劇3部作(ASHURA CLOCK、LAYER GREEN、電子悲劇/~ENOLA)を買って、応募ハガキを出すと先着でもらえた缶バッジでした。小西さんも応募したんですね!(?

▼缶バッジ(出典:降り積もる地層
https://perspective.localinfo.jp/posts/5176217?categoryIds=1575858

【前説】

(前説としてますが開演後の話です)
今回のツアーにはナビゲーターが居り、その名も4DEM(ヨデム)。P-MODELのメンバーと共に「Layer Green」を旅してきた猿で、物語の説明や、難関に出くわした時の解説は、基本この猿が影アナで喋ります。

初日以降は開演すると、メンバーがステージ出てくる前に
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1. 4DEMが影アナでご挨拶
2. 小西さんと福間さんが影アナで登場(棒読みが好評)
3. 指名された観客が前回ライブで決まったパスワードを言う
4. 小西さんと福間さんがOVの成果を確認(棒読みが好評)
5. 4DEMが解決に至ったかどうかを判断し、メンバーを呼びライブ開始
------------------------
という流れが基本の進行です。
4DEMを含め、基本影アナは生でのやり取りでした。
(4DEMは録音されたものが流れることの方が多め)

■COLOR-7(初日)の難関おさらい
・COLOR-6の入口に「ALONE BLACK」が居ることが判明
・そいつに近づくと「Black in White船団」からBlackエネルギーが分離してしまう
・そうなると我々も宇宙も消滅しかねないらしい
⇒プロジェクト名「ikayaki」でOVに解決を依頼

という訳でステージに誰も居ないまま、影アナとスクリーン情報のみで、COLOR-7の難関が解決しているかを確認します。
スクリーンにはOVの成果が書き込まれた掲示板が映され、CD-EXTRAでもおなじみ、小西さんと福間さんの棒過ぎr…光る名演技と共に、OV達の解決策をリアルタイムで読み上げてくれました。

しかし悲しいかな1998年のネット回線。途中から接続が不安定になってしまい、正解の画像が読み込まれず、本来なら「OVの見つけた画像のおかげで船団は先に進めるぞ!」となって本来のライブが始まる段取りが、コーナー初回から無しにw。この際、完全にアドリブで、

小西「…画像が出ないじゃないか!もう1回だ!」
福間「は、はいいっっ」

ってやってくれたの最高でした。

そして4DEMにメンバーを呼べと言われる我々。「CALL ヒラサワ!!」と促されてコールすることには充分に慣れていましたが、4DEMのあの鼻にかかったクセが強すぎる声で

画像1

4DEM「さあ、P-MODELを呼んで下さいよォ?」(この言い方)

では、どう反応したらいいのか分からずw、メンバーを呼べと言われたのに会場が沈黙に包まれてしまう、全てが初めて尽くしのライブ。慣れるのちょっと時間かかりましたよねあの猿…

【開演】

『ASHURA CLOCK』
出囃子と共に福間さん、小西さん、TAINACO-2、平沢さんの順で登場してこの曲へ。人間の衣装は濃いグリーンのミリタリーコート風。平沢博物苑の歴代メンバーページ「1997.05 - 2000.12」の、上段の衣装ですね。
ほんと暑そうな服しか着ませんねあんたたち。

間奏では平沢さんのデストロイギター。初日は何故かデストロイギター無しで、普通にシンセを弾いてましたが、むしろこの曲でギターじゃなかったことの方がスーパーレアでしたかね…何だったんだ…。

『BA-DA-DHA』
この時、小西さん側の最前に居ましたが、サビで意外とコーラスの生声が聴こえてしまいドキドキ。このパート、本当に歌ってるんだ…!(失礼)

そしてこの曲のイントロで、平沢さんがシンセに覆いかぶさるように弾く様がとにかくアレで…。2020年現在だと、エレアコを抱えて歌う平沢さんにお株を奪われてますが、「平沢さん鍵盤弾くとやけにセクシー説」というやつですので、各自ご想像ください。

『BOGY』
福間さんソロボーカル曲(半分)。
この曲も、初日はギター弾いてたのに、今日はシンセという平沢さん。他の曲でも、ギター抱えたのに弾かずにすぐ下ろしたりするシーンがあり、ASHURA~間奏が初日だけシンセだった件も、もしかしてストーリー進行で頭がいっぱいで、担当楽器忘れてるだけ疑惑が急浮上w

【航行ストップ】

『はじまりの日』
初日同様、この曲で4DEMからストップがかかり演奏が中断。何やら難関にぶち当たってしまったようです。

MEMONソングと共に、メカ野さn…じゃなかったBIT-MEMON(ビット・メモン)が登場。クモがモチーフになっている大変気持ちの悪い動きをしながら、ポラロイドカメラを片手にあちこち撮影し、福間さんを撮り、平沢さんを撮り、小西さんを撮る…と見せかけて客席を撮るw

このメカ野さn…BIT-MEMONのカメラには「ELOLA患者のみが写る」らしく、「この会場にENOLA患者がいるのか?」と慌てる4DEM。

このツアー事前に行われた万国点検隊(1997年10月)では、ENOLA予防薬をゲット出来たのですが、これは既に感染してしまった人には効果がなく、むしろ点検隊でENOLAに感染してしまった人も多数という状況(という設定)なので、当然会場にも感染者は居る訳です。

メカ野さn…BIT-MEMONが残したメッセージカードを平沢さんが読み上げてくれましたが、

平沢「Black in White船団の航路がズレているです。このままでは大きくコースをはずれるです。OVに対策をねってもらうです」

口調が大変キュートで話が頭に入ってきませんが、ENOLA感染者が増える一方の今、寄り道をしている暇はないので、OV達に何とかしてもらうです。

【プロジェクト名を設定】

という訳でCOLOR-6の難関をOVに助けてもらうべく、まずはプロジェクト名を設定。平沢さん曰く「レーザー指名制」で、緑のレーザーポインターで指された人がプロジェクト名を決めるというルールになっています。(レーザーを扱うのはメンバーではなく、裏のスタッフ)

初日は恥ずかしいのか、そもそも設定を呑み込めないのか、指名されてもなかなか答えられない人が続いてしまい、ついに

平沢「恥ずかしいだろうが、私だってステージに立ってるんだ」
平沢「(答えないと)ステージに上げますよ」

などの迷言が生まれましたが、本日もかなり苦労して、ようやくプロジェクト名が「kumo」に決定。クモ男を見た後ですからね。

【OVに援助を要請】

通常であれば「OVへの要請はやった体にして、ライブはそのまま進行」とするのがスマートなのでしょうが、そこはまだ1998年、そしてP-MODEL。要請作業もそのままステージ上からお届け。
タイピングをして掲示板に書き込むのは、裏に居るコロムビアレコードの人ですが、打っている画面はスクリーン上に映し出されています。

この「平沢さんが喋った通りにタイピングして送信するだけ」という簡単な行為も、この時代ではネットも今より重く、PCも軽くない為、なかなか時間がかかります。ハラハラと見守るコーナーでしたが、平沢さんが「文面OKなのでこれで送信してください」という意味で、

平沢「それっ」

って何度も言ってたのが面白かったです。犬にボール投げるやつですよね。

【航行再開】

段取りが上手くいかないのは、当時のインターネットらしさでもあり、P-MODELらしさでもあり、平沢さんらしさでもありましたね。ともあれ、本日COLOR-6の難関は下記のようになりました。

■COLOR-6の難関
・護符のおかげで消滅は免れたが「ALONE BLACK」のせいで、やはり船団からBlackエネルギーが少しだけ分離してしまった
・その影響でバランスを崩し航路にズレが生じてしまった
・このままではコースを大きく外れてしまう
⇒プロジェクト名「kumo」でOVに解決を依頼

大分割愛しますが、『Spiritus』からの『OH MAMA! 』などの神セトリを経てあっという間に最後の曲。電子悲劇らしく一言。

平沢「不幸と共に行きましょう」

『ENOLA』
初日もそうでしたが、私の位置からは道頓堀1号の生音(アクリル版を叩く音)が良く聴こえてました。途中、アクリル版を落としそうになってヒヤヒヤしましたが、どうにか持ち直す。首から下げて腰骨で支えてるだけ、という感じだったので、ちょっと安定悪いのかもですね。

▼道頓堀1号とは
センサーパッドが5つ(上段2つ・中段中央1つ、下段2つ)並んだアクリル板を、駅弁売りのように黒いプラチェーンで首から下げ、ドラムスティックでパチパチと叩く小西さんの自作楽器。ありがたいお坊さんのシール付き。

平沢さんはサビで全然音程が取れず、やっぱりこの3拍子のリズムがステージ上だと聞き取れない結果?、音がずれていってしまうようで、演奏中に福間さんのところへ何か相談に行ったりも。

【アンコール】

当然帰る訳もなくメンバーを呼びつける我々に、平沢さんより本日のありがたい一言です。

平沢「やかましい」

いつもありがとうございます!(?
本当はライブ開始前にやるはずだった、COLOR-7で起きた難関の解決策が手に入ったかどうかの下りは、平沢さんから「OVが護符の画像を手に入れたのでOK」という一言のみで完了w。初日から段取りだんだんずれてくですが、こんなのはいつものこと。

OVの見つけた護符のおかげで「ALONE BLACK」は無事封じ込められ、これ以上船団からBlackエネルギーが分離することはなくなりました。が、既に起きてしまった航路のズレは修正しなければならず、これが次の会場までのOV達の新たな課題となります。

この辺り、文字で読んでてもややこしいと思いますが、

平沢「OVのおかげで航路が修正……それはまだだ…」
平沢「この後全国各地を……じゃない…COLOR-0へと向けて…」

など、平沢さんもご自身で考えた設定を忘れることが多々あったので、大丈夫です!(?

『Welcome』
サビの小西さんの振りを福間さんもやるのですが、サビパート一応演奏しながらになるので、あまり揃わずw

▼Welcomeでのサビの振りとは
・最初の「Welcome to」×2
…両腕を前に突き出し、肘だけを上に上げる(オーライオーライのポーズ)
・次の「Welcome to」×2
…両腕を真横に突き出し、肘だけを上に上げる

そしてコーラスのパートじゃない時の小西さんは完全フリーダムなので、ステージを縦横無尽。アンコールの際に福間さんの前に投げ込まれていたマーガレットの花束を見つけ、福間さんに手渡し。ヒッ 💐

その光景だけでも充分アレでしたが、その花束を福間さんが両手で持って可愛くリズムを取り始めた為、福間ファンが全員無事どうにかなりました。あああこの末っ子め!2020年に書いてても破壊力があるわ!!新譜発売おめでとうございます!!!あれっ、この新譜、このライブの時のメンバー揃ってるじゃないですかヤダー!(高い演技力)

そして相変わらずサビの終わりが分からなくなり、福間さんをガン見し始める平沢さん。そして平沢さんが終わりを間違える(まだ小節あるのに歌うのを止めてしまう)と、つられて動きが止まってしまう小西さん。愛ですね。

結局、通算3回ほど間違えて無事終了。

 

いや全然無事じゃねえ!ちゃんとして!w

【アンコールその2】

ツアーはまだ続くし、東京にはまた戻ってくるということで、比較的ダメ元のアンコールという感じでしたが、メンバーが再登場してくれたので、つい大騒ぎしてしまう我々に

平沢「しっ」(静かにしなさい)

ちょいちょい犬の扱い入りますね?

■TAINACO-2の紹介
成長する人工生命体ことTAINACO。非局所性LIVEからのバージョンアップとなります。動きなどはステージ裏で別途操作ができるらしく、キー操作をしてもらいながら、平沢さんがビジュアルなどを説明。胴体はいぶし銀、顔はサングラス。「音楽産業廃棄物 P-MODEL SIDE」のP92のビジュアルと同じです。

非局所性LIVEの時は「ゆくゆくはインタビューに答えられるようにしたい」と展望を仰ってた平沢さんでしたが、今回はハッキリと次期バージョンを宣言。

平沢「次は言葉でカウントをします」

ライブ終了後の大和久さん「 (何も聞かされてない)

それより実写の田井中さんのカウントと言えば「いち、にい、さん」だった気がしますが、今のP-MODELでそれは大丈夫なんですかw

■メカ野さn…BIT-MEMONの紹介
続いて成長の停まっている人工生命体こと、メカ野さn…BIT-MEMONの紹介も。ENOLA患者の写真を撮り続けるのが仕事だそうで、紹介の間もポラロイド写真を取りまくるMEMONさん。

親MEMONはタイ・プーケットのTANGMO(公式FC会報GN Vol.2 P4~5参照)に居るピンクのMEMONだそうで、メカ野さんは子MEMONだそう。いやメカ野さんじゃないけど。現地で本物を見て動きを研究したそうですメカ野さん。いや違うけど。

『Solid Air』
アンコールで一番来てほしい曲キター!
という訳で会場大盛り上がり。間奏でも3人全員前に出て来て、それぞれの楽器でデストロイ。持ってる楽器は全員違うのに、キメがそろってて面白いやらカッコいいやら…!

平沢さんの絶叫も最高にカッコよかったですが、歌い出しは完全に福間さんに手で合図されてたし、間奏デストロイでキレまくってた福間さんが合図を出さなかったので、通常よりも多めに 「シャーイニーン」を歌ったりしてました。ほんとちゃんとして!w

さあ、次はCOLOR-5!(つづく)

という感じで改訂レポを終わります。

【お知らせ】
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