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みぞの話

話を聞くときは人の目を見て聞くものだと子供の頃に大人から言われたことのある人は多いと思いますが、人の顔を見ていると普段から毎日のように見ているのに名前が分からない部分が目付きます。

それは鼻の下の溝のです。

この溝の名前は医学用語では「上唇溝」(じょうしんこう)と言い一般的には「人中」(じんちゅう)と言いますが一般的とは言っても日常的に使うことのない名前です。

同じ顔の溝と言えば歳を重ねる度に気になるのが上唇溝に似た名称の「鼻唇溝」(びしんこう)です。

鼻唇溝は鼻から唇の端につながるハの字の溝のことで、一般的には「ほうれい線」と呼ばれている部分です。

ほうれい線はよく知られている名称ですが、鼻唇溝なんて言う人は聞いたことがありません。

この使い慣れない聞き慣れない顔の溝ですが、溝を一般的に考えると人工的に造られたもので、自然に出来た顔の部分の名称に当てるのはちょっと不自然さを感じます。

昨今の日本においては下水道が整備されているのでなかなか道の脇の溝、いわゆるどぶを見ることがなくなりました。

それと同じ意味の言葉ではボウリングのレーンの横の溝「ガター」があります。

ガーターと呼んでいる人も多いでしょうが、実は正しい呼び方は「ガター」で英語表記では「gutter」となり溝や側溝を意味します。

「ガーター」と言ってしまうと「garter」となり女性用の靴下留めの事、ガーターベルトの意味になるのです。

またガターには排水溝、側溝のほかに屋根のといなどの意味がありますがどん底の生活や貧民街という意味もあります。

今まさに武漢肺炎のために全世界の多くの人々の生活はガターの事態に陥っていて地球規模の未曾有(“みぞ”う)の災難となっています。

そして長期にわたる自粛によってDVが増加しているそうですが人と人との距離を置かなくてはならない生活は家族や夫婦間を始めとする人と人との間の溝を深めています。

この状況はいつまで続くのか、
その答えは神の“みぞ”知るというところでしょうか?

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