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発売前の新刊の読みどころを先取り!古屋 美登里 × 豊崎 由美、エドワード・ケアリー著 古屋 美登里訳『呑み込まれた男』(東京創元社)を読む

2022年6月の月刊ALLREVIEWSフィクション部門はエドワード・ケアリー著古屋美登里訳『呑み込まれた男』を紹介します。2022年7月1日に開催されたこの回、開催時点で『呑み込まれた男』はまだ発売前。
発売前の本の読みどころを、先読みした豊崎由美さんと訳者の古屋美登里さんが語ります。
書店の販売促進のヒントも満載な対談。アーカイブ視聴可能です。

日本オリジナルの短編集『飢渇の人』

『呑み込まれた男』が発売前ということもあり、まず紹介されたのが、昨年発行された短編集『飢渇の人』。ケアリー初の短編集、実は日本でしか発売されていません。訳者の古屋美登里さんはケアリーの伝道者でもあり、ケアリーの短編集を出すことを考えました。古屋さんは過去のケアリーの作品を集めた上で、直接本人に相談し、なんとケアリーは新作短編を複数提供。日本オリジナルの短編集が出来上がりました。
扉にはケアリーの筆(鉛筆?)による古屋さんの似顔絵が。でもケアリーと古屋さん、顔を合わせたことはないそうです。離れていても成り立つ友情がそこにあります。
短編集の中の表題作『飢渇の人』は、フランス革命の時代に実在した、巨大な男が主人公。激動の時代、ともに見世物となった主人公と犀の交流が書かれています。というか、この巨人が実在の人物ということがすごい。

『呑み込まれた男』は『ピノッキオ』の派生作品

さて、今回発売される『呑み込まれた男』。かの有名な『ピノッキオ』の登場人物にしてピノッキオの製作者のジュゼッペが魚の腹に呑み込まれた時、何をしていたかについて書かれています。
豊崎さん曰く「ディズニーだったら、魚に呑み込まれて生きているなんてありえないという状況で生きていくことになるが、ケアリーは魚の腹の中に船があり、そこで生活するという、まったくあり得ない話とはなっていない」。
空想の中の不思議なリアリズム、他のケアリー作品に通じるものがあるようです。発売は7月12日、もちろん、読んでからでも楽しめる対談です。アーカイブ視聴可能です。

【記事を書いた人:くるくる】

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