【動画】ANAの客室ができるまで 〜ボーイング777国際線 開発と改修の舞台裏〜

本来は海外での実施を予定していた客室改修作業。新型コロナウィルスの影響により成田空港のANA格納庫で行うことになりました。

5年間に渡るビジネスクラスの開発秘話と、100日間に及ぶ客室改修風景の舞台裏、各担当者のこだわりや工夫、プロジェクトへの熱い想いをご紹介しています。ぜひご覧ください。

0:00 オープニング

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2:01 客室改修について ANA商品企画部 牧


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「ANAでは2019年8月に就航を開始したボーイング777-300ER新造機より長距離国際線のシートとキャビン、内装を約9年ぶりに全面的に刷新をしました。2020年からは既存のボーイング777も順次新仕様へ改修を行っています。2014年のプロジェクトスタートから2019年の就航開始まで5年間にわたる開発と、2020年から2021年にかけて成田空港の格納庫で実施した客室改修風景の舞台裏を機内番組用にANAの整備士、スタッフ自らが企画、撮影、編集を行いました。」

4:03 航空整備士による客室改修の作業内容ご説明

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「客室改修は既存の内装を全て取り外し、床や天井などの構造を改修、配線の交換をした上で、新しいシートやギャレーなどを取り付けます。取り付けた上でテスト、検査をし、新キャビンの完成です。」

「この改修が着工から完成までどれくらいの期間がかかるか分かりますか?約100日間の期間がかかります。作業内容に応じて、壁紙の張り替え、配線交換、内装仕様の変更など、それぞれの専門分野のスキルを持った整備士が作業をしています。」

7:00 ビジネスクラス Acumen社 ジョン・マッキーバー氏

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「ANAのボーイング777の新キャビンの開発で、私の役割はクリエイティブ・ディレクターと各キャビンのデザインを統括するプロジェクト・リーダーでした。私はAcumenのデザインチームを率いて、新しいビジネスクラスのキャビンやシート"THE Room"の開発を中心に各インテリアの監修を務めました。ANAの開発メンバーが最初のミーティングの時から、ビジネスクラスでユニークで何か競合他社とは一線を画す、新たなイノベーションを求めていることは明らかでした。ANAは、他の一般的なビジネスクラスよりも柔軟性とプライバシーを備えたシートで、より多くのお客様をターゲットにしたいと考えていました。当時、ANAの求める要件に当てはまる"既製品"のビジネスクラスシートはなく、全く新しい、今までにないビジネスクラスシートをゼロから開発することになりました。ANAは、今までにこのような経験はなく、これまでは既製品のビジネスクラスシートを採用し、それをカスタマイズするのみでした。私達は、このANAの求める要件を具現化するため、初期のコンセプト設計段階で3つの異なるデザインのビジネスクラスシートを考案し、それぞれフルサイズのモックアップをANAでのレビュー用に造りました。コンセプトの一つに、前向きと後ろ向きのシートを交互に配置したものがあり、これが直ぐにANAチームの心に響きました。この"前向き/後向き"のコンセプトは、ANAが求めていた通路への直接アクセスを確保しながらも、非常に広い横幅とベッド面積を満足するものでした。開発の過程においても、コンセプトビジョンである"広い横幅"と"広いベッド面積"を維持することがとても重要でした。初期のモックアップによる検証で興味深かったことは、広いベッド面が日本の畳を彷彿とさせ、それにより日本の人たちの過ごし方が私達の想像と違っていたことでした。通常の航空機のシートでは考えられないような、ベッドの上で座ったり、体を動かしたりして、自分の好きな姿勢をとることを、このシートでは可能にしました。この特徴的なデザインは、"THE Room"の土台となりました。」

9:14 ANA商品企画部(当時) 古賀

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「ビジネスクラスの十分な席数を確保した上で、これだけの幅の広い席をお客様に提供するためには、どうしても前向きのシートと後ろ向きのシートをうまく組み合わせて、幅をしっかりと確保することが必須になっていました。ただ、乗り物に後ろ向きに乗るというのは、普段の生活の中でも敬遠する方が多いということで、社内でも"後ろ向きのシートは本当に大丈夫なんですか?"ということは、いろいろな人から疑問としてあがっていました。後ろ向きのシート自体は、日本には当時はまだなかったのですが、世界のエアラインでは、特にビジネスクラスのシートでは、後ろ向きのシートを採用しているエアラインはいくつか既にありました。いろいろなチームで手分けをして、実際に自分がお客様として乗った時にどのような感じがするのか、本当に気持ち悪いなということがあるのかどうか、実際にいろいろなエアラインに乗ってみて検証しました。その結果、実際に飛行機は飛んでいるときは、前に行っているのか後ろに行っているのかあまり分からないですし、離着陸のときくらいに少し普段と違う感じがする。ただそれ以外の時はほとんど感じることがないということで、私たちが懸念しているほどにはお客様の快適性に影響を与えないのではないかという結論に至りました。前向きのシートと後ろ向きのシートは、同じ形の向きを変えて組み合わせているので、同じものを作って向きを変えればいいだけじゃないかと思われるかもしれないですが、実際は航空機のシートはもう少し複雑なつくりになっていて、飛行機が飛んでいるときには、機種方向に少しだけ傾いた形で巡航しています。ですので、床が少しだけ傾いた形で、例えばテーブルが真っ直ぐになるように作っておりますので、前向きのシートと後ろ向きのシートで厳密には同じにすることができません。その結果、前向きのシートではこの高さだが、後ろ向きのシートではここが低いというように快適性に差が出てきてしまうことがありますので、そこをなるべく同じにするように、シートの背もたれの傾きであったり、そういうところもなるべく快適性に差が出ないように工夫しながらつくりました。」

11:59 ANA整備センター技術部 橋爪

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「お客様のスペースを最大化にするために、シートを動かす機械やエンターテイメントの機械をどのように配置するかが一つの課題でした。開発の中で効率的に配置するように考えたのですが、例えば、こちらの救命胴衣の位置は、元々はシートの下にありましたが、開発の中で置く場所がなくなり、最終的にはこの位置に決まったり、どのようにしたら効率の良い配置になるかを常に考えて開発しました。」

12:45 Acumen社 ジョン・マッキーバー氏

「プライベート空間の柔軟な確保も、当初の検討段階から、この新シートの重要な要素でした。お客様が最初にご着席された時にはとても開放的で広々とした印象を受けますが、ご希望により完全なプライベート空間に変更することも可能です。これは、左右に開閉するスライドドアと上下に開閉するスライドドアによって可能になっています。また、一緒にご旅行されるお連れ様とスイートルームを体感できるように、中央のペアシートの間には垂直に開閉するディバイダーが設置されています。」

13:12 ANA商品企画部(当時) 古賀

「シアトルのボーイングの敷地内に、実際のボーイング777の原寸大の胴体の模型があり、実際にこのシートを入れたときにどうなるかを、シートの開発のごくごく初期で一回試しています。その時はもちろんこのシートはできていませんので発砲スチロールの板を作って、実際のシートのコンパートメントを区切ってみて、お客様がどのように感じるのか、通路がどれくらいの広さになっているかを実際に確認しています。元々はこの壁は、真っ直ぐに立ち上がる形になっていました。その場合は、通路がここまでの狭さになってしまうため、そうするとやはりお客様が行き交うときにすごく狭く感じてしまう。ただ、少しだけ内側に倒すことによって、人間の体は肩の部分が一番広くなっているので、その部分を一番広くとれるようにかつ、お客様のシートにとっては中の広さを十分にとれることを両立するために、中の方を少し倒して、真ん中のところを一番出っ張らせるという形にしています。」

14:36 ANA整備センター技術部 橋爪

「"THE Room"の大きな特徴の一つはドアだと思います。ドアは当初は一枚の横開きのドアのデザインでした。開発を進める中で、いろいろな安全に関する要件などをどうクリアするかを検討した結果、最終的に横開きのドアと上下に動くドアの2枚の組み合わせになりました。」

15:09 Acumen社 ジョン・マッキーバー氏

「ビジネスクラスのデザインでANAから依頼されたことは、シートだけではなく、キャビン全体で捉えて、ご搭乗いただいた瞬間からお客様の体験を考えて欲しいということでした。そこで、ご搭乗いただくお客様に今までにない"お出迎え"をご体験していただけるよう、多くのお客様がご利用されるエントランスエリアのデザインを一新しました。新しいエントランスエリアには、両サイドにウェルカムメッセージを表示出来る大型モニターや搭乗中にキッチン設備をカバーするローラーブラインドを設置しました。また、やわらかな照明の採用や建築家・隈研吾氏の監修により、先進的な機内空間へ生まれ変わりました。このデザインアプローチは、ビジネスクラスのバーカウンターにも反映されています。キッチンとしても機能するこのバーカウンターには、大型のモニターを設置し、またライトカバーは日本の伝統的な和紙のデザインになっています。Acumenは、この新しいボーイング777ビジネスクラスのインテリアの開発において、ANAおよび関係各社と密接に協力してきました。隈研吾氏、ボーイング、パナソニック、サフラン(シートメーカー)、ジャムコ(内装品メーカー)、その他多くの部品や材料メーカーとの協力体制がこのプロジェクトの成功の鍵でした。ANAの新ビジネスクラスシートとこのボーイング777キャビンの開発は、素晴らしいプロジェクトであり、Acumenのスタッフ全員がこの結果に大きな誇りを持っています。Acumenを信頼し、この画期的なプロジェクトのパートナーに私たちを選んでくれたANAのチームに感謝しています。」

16:51 シート-やギャレー、ラバトリー搬出入の様子

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21:55 ANA客室乗務員によるご説明

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「今回は後ろ向きのお座席がございますので、お客様に失礼のないよう常に対面でのサービスを心がけております。」

22:08 ファーストクラス Acumen社 アンディ・ウィリアムズ氏

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「"THE Suite"はジャムコ社のシートに新しい機能を取り入れ、お客様がどのようにご使用いただくかを徹底的に捉え直し、スタイルと合わせて新たにデザインし直したものです。ANAのファーストクラスに相応しい、お客様に5つ星ホテルのような極上の体験を空の上でお過ごしいただける空間を目指しました。5つ星のホテルのように、空港のラウンジからキャビンまで一貫して体験いただける環境を創ることが必要でした。デザインを総合監修された隈研吾氏のビジョンとも繋がるもので、お客様が空の上でも地上と同じようにお過ごしいただけるよう、シートで使用している素材にも反映されています。また、客室内のデザインの統一性も重視しました。余計な継ぎ目などが目立たず、より調和した滑らかな空間になるように配慮しています。これによって、お客様にはより空間を広く感じていただき、洗練された仕上げと合わせてプレミアムな体験を演出しています。シートそのものの空間性、使用している上質な素材に加え、このシートではお隣のお客様とご一緒にお過ごしいただくことも出来れば、障子調のドアを閉めることでプライベートな空間としていただくことも出来るなど、このシートならではの過ごし方が可能です。これらの特徴によって、機能性を最大限に高め、機内での搭乗、お仕事、お食事、お眠り、エンターテイメントなど機内でのあらゆる過ごし方に対応しています。中でも43インチ(4K)モニターは機内の個人モニターとして世界最大サイズです。この大型モニターをクローゼット等と一緒にこのシートに導入することは非常に困難で開発には苦労しました。しかし、これまでは機内では難しかったホームシアターのような体験をご提供することが可能となりました。これらの開発は、ANA・ジャムコ・隈研吾氏等の開発チームと頻繁に東京で打ち合わせを重ねることで実現に至りました。この経験と協力により、私たちはANAの考え方や目指すところ、日本的なデザインのニュアンスを理解することができました。チームで密接に協力することで、5つ星ホテルの体験を空の上で創造するというビジョンを実現した一方で、最先端の技術を日本の価値観や美的感覚とも調和しながら取り入れました。このようにして、お客様にファーストクラスならではの過ごし方をご体験いただけるようなシートを創り上げました。」

25:07 ファーストクラスエリアの改修の様子

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27:15 共同開発したクッションについて 西川株式会社 日本睡眠科学研究所 研究員 安藤翠氏

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ークッションの共同開発に当たって、どのようなことを重視されたのでしょうか。
「当社が敷き寝具に求める機能性を、機内のシートでもご体感いただけることを目指しました。従来の飛行機のシートクッションは、フラットなタイプが一般的ですが、新シートでは特殊な立体構造にすることで、お体にかかる圧力をしっかりと分散させ、寝姿勢を自然な状態に保つことをできるウレタンを採用しました。」

ー開発にあたってどのような困難がありましたか。
「もともと、シートの快適性を維持しながら航空機シートとしてのさまざまな要件をクリアする必要がありました。開発を進めるうちに、当初想定していた厚さから約半分にまで薄くし、軽量化する必要が出てきました。当初の素材の性能限界を超えており、非常に苦労しましたが、チームを越えて協力し合い、クッション素材の組み合わせを変更するなど今までにない工夫
を施しました。また、現場に何度も足を運び、測定や試行錯誤を重ねることで、最高の状態に辿り着くことができました。」

28:21 ANA客室乗務員

「西川株式会社様と共同開発したクッションを内蔵しております。そのためお客様からは大変寝心地が良いとご好評を頂いております。また、ファーストクラスにも同様のクッションを内蔵したシートを採用しております。これまでお客様がお休みになる際は、私どもが別にございますベッドマットをご準備してお客様のベッドをおつくりしておりました。今回からはベッドマッドが不要になりましたので、格段にお客様へのお待たせ時間が減りました。」

28:54 プレミアムエコノミークラス、エコノミークラス Acumen社 リジ―・スプレッドベリー氏

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「ANA向けの素材のデザインと開発は材料開発は、非常に特別なものでした。客室全体を通して使用されている生地や壁紙など素材の一つ一つには特別な意味があり、それぞれ日本のデザイン思想に基づいた重要なものです。ひとつの分かりやすい例で紹介すると、プレミアムエコノミークラスとエコノミークラス用にデザインしたランダムな柄のシート生地です。それぞれのシートカバーは、大きな生地の異なる部分を切り出して作られています。これにより、どのシートも個性的なデザインになり、それぞれの柄には意味があります。私達はそれを”The Journey”” と呼びました。”The Journey” は、日本の伝統的な文様を、現代的にデジタル化したもので構成しました。コンセプトはまず、日本美術に見られる伝統的な雲の文様をモチーフとした”Clouds + Anticipation” 柄から始まります。これは、旅の始まりに起こる期待と興奮を表現しています。次の柄は”Reflect + Relax”です。 伝統的な日本の畳をベースにしており、お客様のご搭乗に対する温かいおもてなしを表現しています。そして、お客様が旅に出るように 、伝統的な矢絣(やがすり)文様から発展した矢印柄”Let’s Go” にたどり着きます。これは、空の旅を楽しみながら前進する動きを表現しています。最後には、日本への到着や、人生を家族や友人と祝う時間を象徴する桜や散り桜を表現した”Destination + Memories”へ、たどり着きます。」

30:25 エコノミークラスエリアの改修の様子

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31:43  Acumen社 マイク・クランプ氏

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「航空機内装デザインの仕事に携わって30年以上になります。今回、ANAがAcumenをデザイン会社として評価・選定したのは、私達の航空機内装デザインに対する専門性の高さだけではなく、西洋デザインの要素を取り入れたいという意向がありました。初期の段階から、ANAは私達に国際線市場での成長の必要性を説明しており、より多くの外国のお客様を魅了したいというビジョンを持っていました。ちょうどその時、ANAは重要なタイミングに差し掛かっており、東京オリンピック・パラリンピック前までに、この新プロダクトとサービスを開始するという明確な目標を持っていました。Acumenでは、多くのプロジェクトはイマ―ジョーンという構想フェーズからスタートし、多くの時間を費やします。これは、各種リサーチやANAブランドを一顧客として体験するもので、クライアントであるANAの考え方を理解し、そして最も重要なデザインへの発想などへ繋げていくものです。今回も、このプロジェクトのスタートにあたり、ANA便へ搭乗する機会を得ました。そして定期的な訪問を通じて、日本料理店や博物館、そして京都やその他の地方への訪問、夜の東京での体験から、より日本文化への理解を深めていきました。また、プロジェクトがスタートしてからすぐに、ANA商品企画部のメンバーに綿密にヒアリングを行い、ANAブランドや日本的なデザインの考え方への理解につとめました。ANA開発メンバーと毎回ミーティングで楽しみながら多くのことを学んでいく内に、私達Acumenにとっても、このプロジェクトが特別なものになっていきました。”East meets West”というデザインコンセプトのもと、私達は東洋と西洋のデザインを融合させることで、4つのキーとなるデザイン要素を確立しました。それらは、"簡素、細部へのこだわり、配慮、思慮」です。私達の目指すところは、ANAへご搭乗頂く全てのお客様に静かで落ち着いた機内空間をご体感頂くことです。プロジェクト全体を通してAcumenは、建築家の隈研吾氏と、今回のボーイング777新キャビンの各部詳細に渡ってコラボレーションしました。国際的に有名な建築家である隈研吾氏は、自身独自のデザイン思想やスタイリングを、このボーイング777にもたらしてくれました。プロジェクトスタート当初、隈研吾氏は既に新しいANAラウンジの設計に着手しており、地上から機上までお客様にシームレスな顧客体験をして頂きたいと考えていました。彼のアプローチは、自然にあるような色や質感、材料を機内でも多用することでした。そして、最も重視したのは、彼の代名詞でもあるアオダモや紫檀などの自然の木目を活かすことでした。これ以外にも、自然をイメージした石調のトイレタイルやオーガニックな模様のカーペットなど、木々の中を歩いているような材料を採用しました。Acumenのチーム員達にとって最も興味深かったことは、建築家である隈研吾氏が機内空間を私達と違った感覚で見ていたことでした。それは、機内を流れ繋がっている一つの空間としてみていたことです。具体的には、彼は座席から繋がる機内厨房エリア、そしてトイレに至るまで、同じ材料、質感を採用し、同じような見た目にしたのです。このプロジェクトの中で、Acumenは隈研吾氏のイメージを基に、これらの自然をイメージした質感をもった内装材をボーイング社、またANAの内装品サプライヤーと共に開発し、航空機用材料として承認を取得しました。その結果、機内はより配慮、思慮がなされた静かで全体的にシームレスな環境に変わりました。そして、より日本らしさを感じて頂ける空間になったと思います。」

35:14 建築家 隈研吾氏

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「日本の空間の持っている独特の優しさとか柔らかさとかあたたかさとかそういうものを機内で感じられるようなデザインをいたしました。そのために、木の質感のものを全体にちりばめ、微妙に違ういろいろな木を組み合わせ、日本人の持っている繊細な空間の完成みたいなものが隅々まで感じられるものにしました。」

35:41  Acumen社 CEO イアン・ドライバーグ氏

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「私は1981年に会社を設立し、イノベーションとユーザー体験に基づき、交通機関のプロダクトのデザインを専門としています。2014年、ANAは経験豊富なデザインパートナーとしてAcumenを選びました。これにより、ボーイング777の全面刷新にあたり、グローバルブランドや文化への理解、高いレベルのイノベーションをもたらしました。デザイナーとして、このように全体的なブランドアプローチでお客様体験のすべての局面に終始携われることは、非常に貴重なことです。この歴史的なプロジェクトにおいて、ANA、そして建築家の隈研吾氏とコラボレーション出来たことを大変光栄に思っています。私達とコラボレーションしたこのプロダクトが、お客様体験とイノベーションにおける新たな基準として、国際的なアピールになっていると信じています。真の意味での"East meets West"として今後も長年にわたりANAと一緒にこの旅を続け、ANAのさらなる成功を願っています。」

36:55 改修終了後の最終点検の様子

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42:55 ANA代表取締役社長 平子裕志

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「ボーイング777の国際線開発と改修の舞台裏、いかがでしたでしょうか。実はこの番組、コロナ禍がなければ実現していませんでした。この客室改修はもともと海外での実施を予定しておりましたが、コロナによって急遽成田格納庫で実施することにしました。通常では見ることのできないシーンを映像に残したことがきっかけで、これを機内番組にしてみてはどうかという社員の発案から生まれたのがこの番組です。古いシートを外し新しいシートに入れ替える100日間のシーンだけではなく、新シートの開発に携わった皆さんのインタビューを通じてコンセプト通りにするための苦労もご紹介させていただきました。このシートはお陰様で好評を頂き、アメリカの全国紙USA TODAYのリーダースチョイスで2021年のビジネスクラス&ファーストクラス部門で第1位を頂きました。多くのお客様にこの新しい客室をご体験いただくことを社員一同心からお待ちしております。これからもANAをどうぞよろしくお願い申し上げます。」

45:00 エンディング


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