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ANAグループ 4~12月決算国際旅客の売上増加やコストマネジメントの徹底などで通期業績予想を上方修正

ANAホールディングスは2月2日、去年4月から12月までのANAグループ全体の決算を発表し、国際旅客の売上増加やコストマネジメントの徹底などで業績が当初の計画を上回ったことから、2022年度通期の最終的な利益の業績予想を400億円の黒字から600億円の黒字に上方修正することを明らかにしました。

ANAホールディングスは2月2日、都内で記者会見を開き去年の4月から12月までの第3四半期の決算を発表しました。

グループ全体の売上高は新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた旅客需要が回復していることなどから1兆2586億円となり、前の年に比べ70.5%増えました。

これにより12月までの最終的な利益は626億円となり、1028億円の赤字だった前の年に比べて大幅に改善されました。

このうちANAブランドによる国際線事業は北米とアジアを結ぶ接続需要を引き続き取り込むことができたことに加え、日本の水際対策が緩和され10月以降、訪日需要も回復し始めたことから、旅客数は去年に比べ5倍、収入は6倍に増えました。
また国内線事業は全国旅行支援によりレジャー需要が喚起されたことなどから、旅客数、収入ともに去年に比べ1.9倍に増えました。

こうした航空事業の回復基調が堅調で業績が当初の計画を上回ったことから、2022年度通期の最終的な利益の業績予想を400億円の黒字から上方修正し、600億円の黒字とすることを明らかにしました。

一方、コロナ禍で旅客需要が低迷した影響で、2年間で累積赤字が5500億円に及び、有利子負債が2019年度末のおよそ8000億円から2021年度末にはおよそ1兆7000億円と大幅に増えています。また社会インフラとして航空ネットワークを維持していくための投資も増やす必要があるほか、ウクライナ情勢など地政学的リスクが継続しています。このためANAホールディングスでは、航空事業以外の収益も拡大を図るなどして財務基盤の回復を図ることにしています。

ANAホールディングス 中堀公博 CFO
「旅客需要が堅調だったことが一番大きいですが、政府からの公租公課の減免のサポートや全グループ社員がコスト削減を徹底できたことが今回の業績につながったと思っています。
一方、ウクライナ情勢の長期化の懸念もありますし、燃油市場も価格が以前より高い水準です。コストを下げるということを継続しながら、来年度以降のさらなる業績回復につなげていきたいと思います」