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活躍する元「アスナビ」社員アスリートBMXレーシング選手 松下巽さんに聞く

ANAグループはトップアスリートが安心して競技に取り組める環境を提供しようと選手を社員として積極的に採用していて、世界の第一線で活躍している多くの選手や元選手が働いています。このうちBMXの選手で去年の全日本選手権で優勝するなど「アスナビ社員制度」終了後も活躍を続ける全日空商事の松下巽さんに話を聞きました。

全日空商事 経理部 松下巽さん

ANAグループでは、JOCがトップアスリートを対象に行なっている就職支援制度「アスナビ」に参加していて、これまでに33人の選手を社員アスリートとして採用してきました。
このうち、2018年に全日空商事に入社した松下巽さんは自転車競技の一種であるBMXの選手で2020年にアスナビ制度を終了するまで世界各地の大会に出場するなど活躍してきました。

BMXレーシングの様子。
ジャンプやコーナーのあるコースを8人で一斉にスタートし、順位を競う。

松下さんに競技との両立や引退後の目標などについて話を聞きました。

Q.全日空商事に入る前はどのような選手生活を送っていましたか?
松下さん
「競技自体があまりメジャーではないので金銭的には厳しかったです。個人的にスポンサーを探したり、大学や競技連盟など、神奈川県の競技連盟から補助してもらったり、自分でもコンビニエンスストアや酒屋の配達などのアルバイトをしながら遠征費用をコツコツ稼いでいました。
海外の遠征もアジアなどの小さい大会では自分で自転車を持ち歩いて参加する生活をしていました。全部自分で身の回りのことをやらないといけませんでした。また現地の人と積極的にコミュニケーションを取っていかないとレースに出場できないので臆せずに人と関わることが必要でした」

Q.なぜ全日空商事に入社したのですか?
松下さん
「JOCが行うアスナビの説明会に参加したのですが競技に集中できる会社があまりなくどうするか悩んでいました。その時にJOCのご担当者の仲介でANAの採用担当役員(現 全日空商事の社長)に色々話を聞いて頂き、実際に入社して働くことになりました」

Q.実際に入社してどうでしたか?
松下さん
「全日空商事に入社してから2020年までは経営企画部にいて、その間はほぼフルタイムで競技に集中することができました。東京オリンピックの選考が終わり2020年にアスナビ制度を終了した後の4月から経理部に異動しました。
コロナ禍になったので、在宅勤務が増えたのですがその分、資格の勉強をしたりしています。パソコンに一日向き合う仕事になりましたが意外と違和感はありませんでした。時間のある時に体を動かしたりということは続けてやっています」

Q.競技の経験をどう生かしていきたいですか?
松下さん
「目標を決めてそれに向かって準備立ててやるということは、スポーツと経理ですごく似ている部分があるので役立てるのかなと思います。また海外で挑戦するというのはこれまでスポーツで自分がやってきたことなので、仕事でもそういう機会があれば嬉しいと思います」

松下さんは現在もプライベートの時間で競技を続けていて2021年の全日本選手権で優勝したほか、若手育成のスクールを始めるなど引き続き活躍しています。

Q.今後の目標は?
松下さん
「仕事面では今後営業などもやって勉強して幅を広げていきたいです。そうした時にアスリートとしてやってきた経験を活かせるのではないかと思います。
今年の9月からは、6歳の子供から20歳くらいの若手を教えるスクールを始め、コーチングもしています。自分はオリンピックに行けませんでしたが、将来的には教え子がオリンピックで金メダルをとるような結果を出せたら嬉しいです。
今後も仕事とBMX、両方引き続き頑張っていきたいと思います」

主な戦歴
2018年 全日本選手権大会 優勝
2019年 全日本選手権大会 7位
2020年 全日本選手権大会 4位
2021年 全日本選手権大会 優勝