環境にやさしい国際線機内食 リサイクルループへの挑戦
ANAの機内食を製造するANAケータリングサービス(以下ANAC)では、機内食調理時に出た食品残渣を100%リサイクルし食材の堆肥や飼料として使用する取り組みを2008年から実施しています。今年3月から、調理残渣由来の堆肥を使用して育てたケールを国際線のエコノミークラスの機内食のサラダに活用し始めました。
ANACでこの取り組みを担当する鈴木さんに話を聞きました。
取り組みを始めたきっかけは?
昨今の食品業界ではリサイクルループの仕組みが注目されています。ANAグループとしてもそのような形で何かできるのではないかと考えたことがきっかけで取り組みをはじめました。
一般的にはトレーサビリティ(生産の見える化:いつ、どこで、何を仕入れ、どんな工程で作っているか)が食品をお客様へ提供する際に重要な管理手法と言われています。機内食工場では、このリサイクルループの仕組みが、お客様に対してトレーサビリティ以上の効果があるということに目を付けました。この取り組みをお客様にご説明することができれば、「ANACが作る機内食に入ったケールは、混じりけのない安全な土で育った、安全なサラダだ」と伝えられる。環境への影響はもちろん大切ですが、「お客様に食で安心・安全を届けることができる」この仕組みは、ANAグループにとっても重要なことです。
ケールの採用にあたって苦労した点は?
実際に調理残渣のリサイクルループを実現させる為には様々な課題がありました。複数の調理工程を経て製品化されるANACの生産管理体制において、作業工程を増やすことなく、リサイクルループの仕組みを構築することに大変苦労しました。
今後の取り組みについて教えてください
どの職場にも資源になるものはあると思います。資源化することだけに留まらず、それをさらにお客様に還元できる「何か」に変えられないかという考えを、社員一人ひとりが持つことができれば、きっとリサイクルループへの取り組みがANAグループ全体へ広がると思います。今後も食料残渣のリサイクルループの輪はもっと太く大きくし、私たちが先頭にたち、食の側面から環境問題への取り組みをANAグループ全体で高めていきながら、お客様に新たな価値、安全安心な機内食をお届けしていきたいと思っています。
今後はリサイクルの「堆肥」を使った取り組みの拡大はもちろん、「飼料」循環の仕組みの構築など、更に広く展開していくことを目指しています。