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作家の紹介を勝手にできない。ー第1回ミーティングの記録②「制限されていること」ー

(編集・絵:佃 七緒)
勝手にはできない、けどやっぱり他の人の作品紹介をしてみる、というこのシリーズの始まり(説明)はこちらご覧ください。

佃 七緒(企画者)

①最近気になること

建築家の乾久美子さん。
デザインを見せないデザイン。光と影を添えるような装飾。

②佃七緒が「勝手に紹介」する作品はこちら

村上美樹《新しい道具(また起こるかもしれない未来を可能な限り起こらないようにするための)》

(※正しくは「新しい道具」を打消し。重要!noteは打消し線が出ないのでしょうか

・はじめ、写真真ん中に見える部屋を埋め尽くしそうな巨大な黒い円柱が、いかにもオブジェクト、いかにも空間を作りました、という感じだと思った。

・ドアを開けさせない台が気になる。
いくつか存在する台がどれも、作品のパーツ(サボテン、サボテン風粘土など)を載せたりしている。でも作品のための台というより、サボテンが置かれるような空間の再現だったり、戸を開けられなかったり歩く方向をすごく制限するような、建築物のような印象を受けて気になる。

・(隠しページの)作家のテキストを読んで。
黒い円柱は、鑑賞者の空間での動き方を制限することで、「時間」の流れを意識的に表にあらわすようなものだと感じる。円柱を回り込んで動きながらでしか室内の作品を鑑賞できない。作品を同時にすべて見ることはできない。

・「仕切り・建具・家具」のような建築的な台に鑑賞の動きを制限されることと、いかにも立体作品に見える「黒い円柱」を避けて鑑賞の動きを制限されることは、「制限されていること」では同じなのに、何かが大きく違うのがおもしろいと思った。


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