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日記|2024年2月11日|井の頭公園でぼーっと池を眺める、映画2本と映画遍歴、No Busesの新譜



井の頭公園と池とベンチ

水面がゆらゆらしている。ただひたすらにゆらゆらしており、どこか目的をもつことや、どこかへ辿り着くことなんて求められてない。映画見終わった後、終電まで時間があるので、井の頭公園の池の前に来た。遠くに騒いでる人の声は聞こえる。でもわたしの近くは静かで居心地がいい。

暗闇の水面に光が反射してゆらゆら

若干肌寒いのと、もうすぐ止む予定の小雨が気になる。せめてもの防寒と空腹満たしに、ファミマでカフェラテとビストロまんを買った。本当はドリンクチケット使い切りたくて、スタバでコーヒー買おうとしたら閉まってたよ。最近行動時間が遅いのか、気づいたらお店が閉まってる。

本当は電車を気にせずにのんびりしてたいのだが、実際には終電もあるし、そして周囲に人が全然いないから女性ひとりでちょっと心もとない気持ちもある。でもいちばん明るい電灯の近くにいるから、たぶん大丈夫だと思う。

アップリンク吉祥寺で映画2本

ひとりで遊ぶのも、ずいぶん慣れたものだ。最近はまた映画を観る楽しみを取り戻して、映画館にばかりいる。映画館で映画に没頭している間は余計なことを忘れて、頭を空っぽにして作品の世界に浸ることができる。決まって吉祥寺のアップリンク、今日は『夜明けのすべて』と『枯れ葉』を観た。

どちらもベクトルが全然良さがあって見応えがあったなあと思う。『夜明けのすべて』は、かなり端折ってまとめてると、パニック障害をもつ男性とPMSに悩まされてる女性が、プラネタリウムを作り上げるという筋。監督の三宅唱さんの『きみの鳥はうたえる』が大好きで、映像がとても美しかったので、なんだかその系譜を感じ取れて良かった。

病気のシーンの描写は控えめで、全体的に温かくて穏やかな雰囲気に包まれていた。よく晴れた青空や、ゆっくりした雰囲気の生活や職場がとても良かったな。これはネタバレに入らないと思うので言うが、エンドロールで職員さんたちがキャッチボールしているのがすごく好きだった。そして主題歌なかったのも、商業くさくなくて良い気持ちになった。

『枯れ葉』は、題材と色彩とフィランドが好きという理由で観た。色彩の設計がお洒落で、ターコイズブルーと、若干オレンジがかった赤が印象的だった。そして恋愛作品だと若い男女の話は、自分には食傷気味だったので、少し上の年代の恋愛というのもなかなかに新鮮。特別なことが起きるのではなく、出会って徐々に惹かれ合う。詳しく言えないが、山あり谷あり。

全体的に雰囲気は静かな感じの映画で、滋味深いと言う表現がぴったりな気がする。作品全体に漂う、重さや哀しさに惹かれている。劇中歌のシンセポップも、悲哀とうつくしい旋律が素晴らしい。そして日々の生活を主体に話が進んでいく、労働階級の描写が現実味を帯びていて良い。私はこういう日常や暮らしに根付いた作品が好きなんだ。

でも『枯れ葉』に限ったことではないけれど、映画でこういう綺麗なロマンスを観ると、その綺麗さが故に、シニカルな気持ちが湧き上がってくる。男女が惹かれ合うなんて、わりと人を選ばない動物的な感じがあって、でもそれを愛という人間的な営為込みにすると、人間ドラマになるのだな、とか思ったりしている。拗らせているのは自覚がある。

映画遍歴あれこれ

こんなに映画をたくさん観ているのは、たぶん人生のなかで3回目。1回目は大学2年の長期休み。ひたすらゲオで有名な作品を色々借りて見てた。たぶん当時の彼氏がめっちゃ映画観てたからだと思う。その人は『不思議惑星キン・ザ・ザ』とか、かなりコテコテの作品を観てたのだが、私はまだそこにはついていけてなくて、せめて映画色々観ようと思ったんだ。『プラダを着た悪魔』とか、『マイ・インターン』とかね。ハリウッド系の作品が多かった。

2回目は大学最後の年に映画サークルに入った時。大学でフランスに短期留学していたのだが、そのとき吉祥寺にアップリンクができるとネットで知って、いてもたってもいられずに映画を作りたいと思った。その頃、園子温の『恋の罪』を観て、園子温という人物に感化されていたのもある。まだセクハラ騒ぎなんてなかった頃だ。全然映画詳しくもないのにね、創作意欲を持て余してた衝動だったんだと思う。当時フランスからその時、入りたかった大学の映画サークルの人に連絡して見学のアポを取り付けた。その後は趣味の近くてかなり良くしてくれる先輩がいて、その人に教えてもらった作品を中心に、狂ったように映画を観てたんだ。『愛の渦』とか、今泉監督の過去作品とか。自主映画やインディーズ作品ばかり観るようになったのも、この頃からだった。

それから社会人になると、たびたびメンタルぶっ壊してるので気力体力がないので、しばらく文化というものとの接点がほとんどない状態だった。自分が自分じゃないみたいで、輪郭がわからなくて怖くなったんだ。そこから忙しいなりにも多少は適応しているのか、最近の休みはを読んだり、映画を観たりする余裕を少しもてている。

No Busesの新譜

話が長くなったので現在に戻す。なんか雨が小雨どころじゃなくて、本格的に降ってきたので今日は撤退した。手が悴んでスマホで文章打ちづらいが、気づいたらもうすぐ2,000字に到達しようとしてる。帰り道は今朝聴いて良かった、No Busesの新譜『1624』を聴いて帰ろう。

No Busesはめちゃくちゃ詳しいわけじゃないが、この新譜はいつもと違ってダークな雰囲気がある。Pretty Old Manアンニュイさとか、Girlあたりの明るい雰囲気がバンドへのイメージだったから、ちょっと意外な感じもする。

『1624』は音が全体的に幻想的で、雰囲気も物悲しさがある。かと思えば、時折激しめのバンドサウンドが入ってきたりして。普段日本語が好きだからか、オールイングリッシュの音楽はほとんど聴かないのだが、No Busesはそれを理由に通り過ぎられない引力を感じる。もっと曲を色々聴いておこう。


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