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31歳、喘息大発作を起こした話 #8 ステロイドの副作用

こんばんは、Shokoです。
これは8年前の話です。 #7の続きになります。


喘息が改善せず、約2ヶ月にわたりステロイドの全身投与(吸入、内服)を受けました。

そのため、ステロイドの副作用がたくさん出てしまいました。

副腎皮質ステロイドとは、もともと副腎から分泌されるホルモンで、炎症を抑えたり、免疫を抑える作用があります。

ステロイドの副作用はたくさんあって、大変なものもありますが、病院でステロイドを使う時は、副作用のリスクを考えても絶対に必要という時だけですし、喘息の入院であれば、普通はそこまで大量のステロイドを使うことはまずありません。

また、喘息のコントロールで使う吸入ステロイドは内服や点滴で使う量のステロイドに比べるととても微量で、副作用もほとんどありません。
喘息の治療の軸は吸入ステロイドなので、怖がらずに使ってください。


1.ステロイドの副作用

教科書的なステロイドの副作用を挙げます

1 易感染性(免疫が抑えられて感染症にかかりやすい)
2 骨密度低下(骨折しやすくなる)
3 糖尿病(もともと血糖値を上げる作用がある)
4 胃潰瘍(胃の粘膜が弱くなる)
5 血栓症(血が固まりやすくなる)
6 ステロイド精神病
7 満月様顔貌(ムーンフェイス) 中心性肥満
8 動脈硬化 高脂血祥子
9 高血圧 むくみ
10 白内障
11 緑内障
12 副腎不全(自分の副腎からホルモンを分泌できなくなる)
13 にきび
14 大腿骨頭壊死
15 その他 増毛、脱毛、生理不順、不整脈、ステロイド筋症 など

うちの医学部の試験で、『ステロイドの副作用を5つ書け』という問題を毎年出題する先生がいましたが、思いつくもの書けばだいたい当たり、というくらいたくさんの副作用があります。

2.私が経験した副作用

 私が経験した副作用について、出てきた順番に書きます。

2-1.ステロイド精神病


初めの1週間くらいで、出現しました。
不眠多幸感です。

1日2時間くらいしか眠れず、寝不足なのに元気すぎて夜中も1人で起きていました。
しかし、2時間睡眠では1週間くらいすると身体がクタクタで、それでも眠れず、疲労だけが溜まっていきました。
そんな寝不足状態でも、子どもに対してイライラ全くしないくらい多幸感があったのはいいことだったかもしれません😂

喘息発作がおさまるころ、2ヶ月ステロイドを使った後、認知機能がおかしい?という自覚がありました。

自宅に帰って、キッチンのシンクもコンロも全てが平面に感じて、料理している時に順番がわからなくなったりしました。

この症状は、退院後1週間くらいでなくなりましたが、とても変な感じでした。

2-2.ムーンフェイス、肥満

ステロイドを使っていると、顔が腫れてお腹が出てきます。ムーンフェイスは1週間くらいで出てきましたが、入院してソルメドとリンデロンを併用するようになってからさらにひどくなりました。

次の年以降にステロイドを使った時にわかったのですが、ステロイドで食欲が亢進するから太るのだけではなく、全然食べてなくても顔の腫れとお腹が出てくるのです。ステロイドで血糖値が維持されるので食べなくても平気で食べてなかったのですが、だんだんお腹が出てきました💧
とはいえ、全然食べないのはよくないです。

顔のむくみに対しては、ある程度リンパマッサージが効きました。ある程度、です。

2-3.易感染症 

ステロイド開始2週間後くらいに口腔内と食道にカンジダができました。食道と胃の付け根がヒリヒリして食事が辛かったです。

他の細菌感染を合併しなかったのはラッキーでした。


2-4.生理不順

生理不順も割とすぐ出てきました。生理というか、何ヶ月も少量の出血が止まらなかったです。一応婦人科で検査をしてもらいましたが、婦人科系の異常はなく、ステロイドの副作用だから仕方ない、とのことでした。


2-5.多毛、脱毛

多毛は2ヶ月の終わり頃に気づいたのですが、腕や脚の毛と、顔に髭が生えてきました😂

普段そんなに毛深い方ではないと思っているのですが、ほっぺの真ん中から下に、山田孝之さんのように髭が伸びていました😂😂
男性のような太い毛ではないのですが、ほっぺにこんなに長い毛がたくさん生えてる!!とびっくりしました😂

その後は生えてきませんでした。

ステロイドを使うと、永久脱毛した後でも毛が生えてくるそうです🥲


脱毛は、髪の毛でした。

産後の脱毛のように激しく抜けましたが、もともと髪の毛は多いので、薄くなるほどではありませんでした。
後で出てきますが、副腎機能低下症になってステロイドの補充をするようになるのですが、その間ずっと尋常じゃない抜け毛が続きました。


2-6. ステロイド筋症(ミオパチー)

退院の3日前くらいから、歩くとフラフラして、立ちくらみかな?入院して歩いてないからかな?と思っていました。
つま先が上げずらくなって、歩きにくいな、ともおもっていました。

退院の日に鏡で自分の下半身を見ると、お尻の膨らんでいるはずのところが逆に凹んでいて、太もももふくらはぎも棒のようになっていました。足の甲がむくみと筋肉の萎縮で腱が見えなくなっていました。

ステロイドミオパチーがどんなものか実際見たことがなく、退院してステロイドが減れば治るだろうと思っていましたが、その後3ヶ月くらい悪化しつづけました。

ミオパチーには長い間苦しめられることになるので、後日また詳しく書きたいと思います。


2-7.副腎機能低下症

退院後、ステロイドが長くなったので、何ヶ月かかけてゆっくり減らしていこうという話になりました。

ステロイドの内服や点滴をすると、自分の脳が「自分でホルモンを分泌しなくてもいいんだ」と勘違いしてしまい、副腎から自前のステロイドホルモンが分泌されなくなってしまいます。

2ヶ月かけて徐々に減らしたのですが、ステロイドの内服をやめてから全身倦怠感が強く、1日12時間以上眠るようになりました。
ホルモンの検査をしたら自分の副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌がなく、他院の内分泌内科に紹介されることになりました。

内分泌の先生の話では、私の治療に使われたステロイドの量だと、半年ぐらいは戻らないとのことでした。

コルチゾールの補充のためにコートリルという薬を飲むことになりますが、その後も喘息発作を何度も起こし、ステロイドを使っていたのでホルモンの分泌は戻りませんでした。

7年経って、突然分泌が戻りました。

ホルモンを補充している状態は生理的な状態とは違い、なんとなく調子が悪い状態がずっと続いていたので、分泌が戻って本当によかったです😂

これも長い話になるので、今後改めて書きたいと思っています。


3.ステロイドを経験して

ステロイドは色々な疾患で使われますし、とても大事な薬ですが、本当にいやな薬だなと思います😂😂😂

医師の中でも、自分がステロイドを長期に使う病気になる人はあまりいないかなと思います。
(ステロイドを大量に使っている状態で医師の仕事はきついです)

きっとステロイドを使っている患者さんの気持ちを本当にわかる主治医はいないんじゃないかと思うくらい大変でした。


それでも、自分の治療に必要だったということはわかります。

今、ステロイドを使わないといけない病気で大変な思いをしている方の参考になればと思って書きました。


最後まで読んでいただきありがとうございました🙇‍♀️

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