有田 朋希

世界をもっと面白くする最先端の情報を風刺画とブログで書いています!         本…

有田 朋希

世界をもっと面白くする最先端の情報を風刺画とブログで書いています!         本は長くて読みきれない、twitterは短くて学べない、そんな君でも世界の見方が変わる?     インスタ→https://instagram.com/allegorywrite

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最近の記事

5Gでなにができる?

5Gになにができる? 「高速、大容量、低遅延による多数同時接続」といって、日本でも今年3月から商用サービスが始まった5G(第5世代移動通信システム)。 2021年東京オリンピックに向けて、VRやARを駆使し夢のような通信システムが生まれると期待されています。 でも、真の5Gにはまだ道のりが長い。 これには、大きく2つの理由があります。 ①まずあなたの家に5Gは届かない 5Gを実現した技術の一つが、「マッシブMIMO」というあたらしいアンテナ。 アンテナといっても今までのアン

    • 人は神になれるのか?

      「遺伝子をデザインする」 「いいか先生これだけはいっとく…どんな科学の力でもな人間が…のりこえちゃいけねぇことだってあるんだ!」 手塚治虫 火の鳥より 「クリスパー・キャス9」 DNAのメスと呼ばれるこの技術が、人類の歴史を変えようとしている。 なぜならこの技術が、人が遺伝子を作り変えることを可能にしたからだ。 このクリスパーという名前はもともと生物学の用語で「ウイルスや細菌の遺伝子情報を記憶したゲノム」、キャス9(Cas9)というのは、そのクリスパーを利用してウイルスや

      • あなたの情報を搾取するタクシー

        【あなたの情報を搾取するタクシー】 ジョージ・オーウェルの「1984年」(1949年刊行)に、"テレスクリーン"というものが登場する。 これは双方向に情報を伝えるテレビのようなもので、大衆から国家へは心まで見透かす監視カメラとして働き、国家から大衆へはプロパガンダメディアとして機能する。 オーウェルは、市民が独裁政権のもとで思想、言語から性生活まで統制され、このテレスクリーンによって監視されている社会を描くことで、当時の全体主義の流れを批判した。 現在、情報統制と監視社会

        • Amazonが新時代の帝国と呼ばれる理由(前編)

          Amazonが帝国と呼ばれる理由 前編 アマゾンエフェクト(Amazoneffect)という言葉を聞いたことがあるだろうか。 ここ最近、新聞やビジネス書で多く使われるようになった言葉だ。 その意味は「地球規模での経済秩序の破壊及び再編」である。 今でもまだAmazonという会社を、ただのネット通販業者の一つだと思っている人が多くいる。 確かに私たちがAmazonを知るようになったときはそうだったかもしれない。 しかし、それはもう、10年前の話である。 まず、2018年5

        5Gでなにができる?

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        • テクノロジーの絵本
          14本

        記事

          感情を読むテレパシーの力?

          感情を読むテレパシーの力? 私たちの周りの世界は色に溢れている。しかしそれは、世界そのもののポテンシャルではない。 私たちの目の中にある3つの桿状体が可視光の範囲の波長を捉え、"色"として感じているだけだ。 また、自然界の中で、人間のように様々な色を見ることのできる生物が全てではない。 例えば犬、猫、牛などは青と黄色系統だけしか見えないし、サメには色が見えない事が知られている。 一方、人間以上の色覚を持つ生物は、体のカラフルさと相性が良いようだ。 体の色の鮮やかさが、繁殖や

          感情を読むテレパシーの力?

          動物を殺さずに肉は食べられるか?(後編)

          動物を殺さずに肉は食べれるか? 後半 近年、動物の筋細胞や肝細胞を培養して食肉を作る技術が注目を浴びている。 その名を「クリーンミート」という。 動物から採取した組織を最適な培地(足場)に接着させて、バイオリアクター(培養装置)で成長させる。これによって1匹の動物も殺すことなく全世界の食肉を賄うことができる。こんなことは不可能だと思うだろうか? しかし、細胞の培養はすでに、医療の分野で既に行われてきたことだ。 むしろ、培養した組織が正常に機能するかどうかを考えなくて良いので

          動物を殺さずに肉は食べられるか?(後編)

          動物を殺さずに肉は食べられるか?(前編)

          動物を殺さずに肉は食べれるか? 前半 私たちは、毎日の夕食に肉が出るのは当たり前のことだと思っている。 だが、その肉を生み出す畜産業というものが、どれだけ人類や地球に有害なものであるかを知っているだろうか? まず、世界が車の排気ガスを減らすことによって抑えようとしている温室効果ガスの最大の要因は、食肉生産とそれに伴う飼料の生産だ。 そのくせ畜産業というタンパク質製造の方法は、圧倒的に効率が悪い。 家畜に与えた栄養分のほとんどが、くちばしや、脳など、食肉とは関係のない生物学

          動物を殺さずに肉は食べられるか?(前編)

          エヴァンゲリオンのすごさは神秘学×最新科学にあり

          エヴァンゲリオン/第十二使徒レリエル 葛城ミサト「じゃああの影の部分が使徒の本体なわけ?」 赤木リツコ「そう。直径680m、厚さ約3nmのね。その極薄の空間を内向きのATフィールドで支え、内部はディラックの海と呼ばれる虚数空間。多分、別の宇宙につながっているんじゃないかしら。」 エヴァンゲリオンでは、本作の世界観を作り出すカバラと呼ばれる神秘学と、当時の最新科学の融合が極めて積極的に試みられている。これがエヴァンゲリオンの凄いところだ。 第十二使徒レリエルとの戦いでは、使徒

          エヴァンゲリオンのすごさは神秘学×最新科学にあり

          AWSという名のスターデストロイヤー

          アマゾンが帝国と呼ばれる理由 後編 (前編から見てね) しかしここまで書いておいて、アマゾンの事業の中で最も利益を出しているのはこのネット通販システムではない。 これがアマゾンの1番の凄みである。 アマゾンはもともとネット通販のために構築した巨大なサーバーシステムの空きを企業向けに売り出し、クラウドサービスをしている。 AWS(アマゾンウェブサービス)と呼ばれるものだ。 それぞれの会社が独自に持っていたサーバーを、より安価なウェブスペースの代替品に変えれるようになり、IT

          AWSという名のスターデストロイヤー

          『ジェノサイド』から学ぶ人類の進化

          【ジェノサイド】高野和明 主人公である傭兵ジョナサン・イエーガーが、ホワイトハウスから、進化した人類を抹殺する任務を与えられた。新人類と人間との戦いを描く物語。 「生物進化は漸進的であると共に断続的である。 (中略) 実際のところ、約六百万年前にチンパンジーとの共通祖先から枝分かれした生物は、猿人、原人、旧人、新人と姿を変える過程で、進化の速度を明らかに加速させている。 人類の進化は、明日にでも起こり得るのである。」 生物の形質を変化させる遺伝的変化は大きく分けて2つのもの

          『ジェノサイド』から学ぶ人類の進化

          通貨というもの(後編)

          貨幣というもの 後編 2009年、ナカモトサトシと言う人物の名で、ある一つの論文があげられた。 そこに書かれていたのは、国家に支配されない通貨をテクノロジーで創り出せるのではないかというものだった。 これが、仮想通貨の誕生である。 これを可能にしたのは、分散型台帳技術をはじめとするブロックチェーンの技術だ。 この技術は「誰が、いつ、どんな情報を台帳に書き込んだのか」を、偽造や改ざんがきわめて困難な形で記録・保管し、複数の当事者(企業)の間で共有できるというもの。 この「きわ

          通貨というもの(後編)

          通貨というもの(前編)

          通貨というもの 前編 私たちがよく見かける500円玉は、Cu,Zn,Niから作られたニッケル黄銅という合金の、7.0gの塊だ。 一時期仮想通貨が話題になって、今ではもう取り上げられなくなったが、なぜ仮想通貨があれほど注目されたかを知るためには、この7gの塊から考える必要があると思う。 「貨幣」というものが生まれる前、人々の取引手段は物々交換であった。 しかし、これは大きな苦労を伴う。 この取引には、両者の利害の一致が不可欠だったからだ。 弓矢が欲しくて魚が余っている漁師と、

          通貨というもの(前編)

          「3Ⅾプリンターで寿司を作ろう」という試み

          Sushi Singularity Tokyo」 電通 Open meals インターネット上で構想された立体データが3Dプリンタによって出力される、数cm角の新たな寿司の形。手前から並ぶのは、細胞培養マグロ、粉末焼結雲丹、ネガティブスティフネスハニカム蛸。 技術革新というのは、2つの側面があると思います。 一つはソフト面の技術革新です。 演算処理の速度が上がり、情報技術が発達したことによって、低いコストで大量の情報が伝達できるようになりました。 これはインターネットが

          「3Ⅾプリンターで寿司を作ろう」という試み

          『怪獣の子供』を創るアニミズムと現実

          【海獣の子供】五十嵐大介 「鯨の脳皮質は人間よりはるかに大きく発達している。体の機能は使われるから発達するんだから...きっと鯨は考えてるんだろうと思う。」 海でジュゴンに育てられた2人の少年が、主人公の琉花と出会い、超自然の中で彼らの使命を全うするという物語。 この物語の中で、自然の意思の預言者としての役割を与えられたのが鯨でした。 その理由は、この物語の主題が「生命の還る場所は海である」というものだったからだと思います。 一度海から陸へ上がった水棲哺乳類(これを海獣とい

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