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尾道は旅人に忘れることを許さない
尾道再訪
2016年のGWに青春18きっぷを使って瀬戸内海一周旅行をしたのが尾道との出会いだった。血管のように張り巡らされた小さな坂に、細胞のように密集した住宅、街の密度たるや、めぐってもめぐっても新しい風景が繰り出してくる感覚。その感覚が忘れられなくて2019年の夏、こんどはカメラを持って再び尾道を訪れた。
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どこからでも海が見える
どこからでも海が見える。はじめて訪れる迷路のような街で、今歩いている道はどん詰まりかもしれない。もといた道に戻れないかもしれない、そういう霧の中の不安を尾道の海はかき消してくれる。これはどういうことだろうかと考える。
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むかしはここまで海の際だったことを伝えている
海はいつも坂の下に見える。つまり海を見れば自分の居場所がたちどころにわかる、これが尾道の海が旅人を安心させる理由かもしれない。山に囲まれて育った自分にもその感覚が分かる。いつもある山、いつもある海に安心する。これがプリミティブな信仰心だな、と思った。
さっき思いついたことだが。
暗夜行路の街
はじめて訪れた2016年に坂道をぐるぐるしていると、志賀直哉文学記念館がなんでもない住宅街にあって、ここが志賀直哉『暗夜行路』に登場する街だということを教えてもらった。国語の先生に『小僧の神様』をもらって読んだことがあって、巡り合わせだと思った。
2019年には『暗夜行路』も森見登美彦『夜行』も読んで来てたから、小説の舞台を感じながら、腿を疲れさせていた。ブラタモリも見てきたし。
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餌を購入すると襲われるぞ!
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箸置きも猫モチーフだ
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はじめて訪れる街もいいし、また訪れる街もいいなと思った尾道だった。
もう一度訪れたら何を感じるだろう。
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