日々是雑感2019/10/19

noteに投稿もだいぶ久しぶりとなってしまった。体調も自分の時間もやっと確保できる様になった。それが離京と引き換えになるのは非常に痛い。

離京するくらいならということで、12年も通い続けているホテルオークラ東京別館で最後の夜を過ごした。The Okura Tokyoのロビー内装がどうなっているのか気になって仕方がなかった。金銭的価値より文化的、精神的価値を優先した。

世界に名だたるホテル。ホテルオークラの創立の目的でもあった。何か惹かれるものが虎ノ門にはあった。日本初の私立美術館「大倉集古館」の蒐集品の数々。ロビーの内装のこだわり様、そして今回感じておきたいことは、新本館「The Okura Tokyo」と別館「ホテルオークラ東京別館」の饗宴を楽しむことであった。

ホテルオークラ東京の旧本館のデザインと内装は、12年通った中でもお気に入りだった。六角形の照明、椅子とテーブルの配置、ロビーで奏でられる月1回の音楽会。あの雰囲気は幾度となく忘れられず、行くたびに写真を撮るほどだ。

昨晩新本館を見に行くことができた。変わりゆく時の中で、変えてはいけないもの、守りたいもの、新時代に変えなければいけないもの、新しく作り出していくもの、それらが新本館プレステージに垣間見ることができた。入った瞬間に、懐かしさがこみ上げてきた。そして自分にとってこの虎ノ門のホテルオークラが特別な存在であることを改めて確認したのだった。

ホテルオークラは創業者親子の執念が結実したブランド・ホテルだと自分は考えている。実はそれだけではない。

建物自体も親子が関わっているのだ。谷口吉郎・谷口吉生親子である。父親の旧本館・別館、息子の新本館と2代に渡って虎ノ門に親子の名前を刻んだのだ。

自分自身は谷口吉生氏の建築デザインが好きで、豊田市美術館や京都国立博物館、東京国立博物館東洋館に葛西の水族館と見に行ったが、この度の新本館ほど感動した建物は二度とないだろう。親の執念、子の執念と守るものを守り、新たな時代に即したものを築き上げた。

都市ビルの中にある安寧は新たなる時代をずっと見守っていくだろう。再開発が進む虎ノ門の中で、伝統と革新を示してくれたホテルオークラ東京に感謝して、昼下がりに東京を後にしたい。

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