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京都の商店街を歩く#1 買い物+会話=“買い話”が楽しい「古川町商店街」
(編集 : 2回生 田中萌々花)
京都、東山。
多くの観光客で賑わう清水寺や八坂神社周辺。
でも私が一番東山で好きな場所は、それよりもう少し北にあります。
地下鉄東西線の東山駅を降りるとすぐの所にある、カラフルなランタンが可愛いレトロな雰囲気の商店街。
それは1300年以上の歴史をもち、昔は「東の錦」「京の東の台所」と呼ばれるほど栄えていた古川町商店街です。
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今は閉店したお店も多く、シャッターが閉まる店も多いですが、わたしにとってはとても大切な場所なのです。
すぐ隣には祇園白川があるから、商店街で買ったものを川沿いに座りながら食べるのが、わたしの放課後の至福。
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柳と白鷺と川の流れが綺麗でキラキラしていて、時間を忘れて考えごとしたり、ずーっと座っていることがよくあります。
京都で一番お気に入りな場所かも。
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でも今回は祇園白川への愛ではなくて、
古川町商店街にある今年で68年目の京山食品というお惣菜屋さんでのお話を書こうと思います。
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京山食品は、御年82歳になるご主人と奥様で営業している小さなお惣菜やさん。
ショーケースには毎日15種類くらいのお惣菜と、あつあつのおでん。
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一人暮らしのわたしは、煮物とか切り干し大根とか、おばあちゃんの味にそそられる、、。
寒くなってきて、見るだけであったかい湯気に誘われて、わたしはおでんを食べました。ご主人イチオシの、豆乳を使ったはんぺんがすっごく美味しかった!あつあつのおでんは店内でイートインができます。
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お店では、何気なく会話が始まるのが嬉しい。
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お話を聞くと、むかし古川町商店街は、知恩院御用達の商店街だったようで、とっても賑わっていたみたい。京山食品も、営業当初は祇園の方へお酒のおつまみを卸したり、宴会用のお造りやオードブルを作ったり、その時代に合わせて営業をしていたそうです。今は商店街の人も減ってきたので、お惣菜やさんになったそうで。
ご夫婦そろって口にするのは、昔の商店街の姿をもう一度見たいということ。
たくさんのお店が人を呼び込みながら、すれ違ったらちょっとおしゃべりして、買うときにちょっと世間話して、「今日のおすすめはね、」ってコミュニケーションをとって、お互い笑顔になれる空間。わたしはこの時間が本当に大好きで、幸せを感じます。
だから
「もうここもわしらの代で店じまい。」
この言葉がとっても寂しかった。
やっぱり出てくる問題は後継者不足。
こうした昔からのお店が減っていく一方で、新しくできるお店はチェーンの居酒屋さんだったりします。
私は、京山食品みたいな、こういう言葉では表せないあったかい場所は無くなってほしくないです。
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京都にはたくさんの商店街があって、そこには古くからやっている老舗がもちろん多くて、今の時代の需要に関係なく、あったかい商店街文化としてずーっと町の大事な存在であってほしいなと思います。
スーパーでの買い物が当たり前な私たちの世代は、物を買うときにあんまり人との繋がりを感じることはありません。無人のセルフレジを使えば、人と関わることなく買い物はできるから。
でも、売る人買う人が直接繋がれる商店街で買った商品は、ちょっとだけ美味しさもアップする気がして、買った後にちょっとだけあったかい気持ちになれて、素敵な場所だなぁと心から思います。
もちろんスーパーは、コスパもタイパもいいかも知れないけど、世の中が全部そうなっていったら、色んなことが無機質になってしまいそう。
京都には色んなものが伝統として残っているけど、形あるものも、形のない商店街の温かい空間も、ずっと残ってほしいなぁ。
そして何より、京山食品の美味しいお惣菜とおでんをたくさんの人に食べてほしいです。
心も体もポカポカになれることは間違いなし。
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「京の台所」錦市場に行くのもいいけど、ぜひ古川商店街に足を運んでみてください。
時間がゆっくり流れていて、どこか懐かしい雰囲気があって、きっと幸せな時間になります。
私の大好きな古川町商店街、これからもお世話になります。
今日は何のお惣菜にしようかな、今日のおすすめは何かな。
次はどこの商店街を歩こっと。
素敵な出会いがありますように。
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