「光る君へ」のその後をめぐる宇治陵巡礼 その2 「見張塔からずっと」
京都市内の自宅を出たのが7時前。こんなに早起きをして街を歩くのは久しぶりだった。少し肌寒い初夏の朝。ふと、中学のときの夏休みの登校日のことを思い出す。当時気になっていた女の子がいた。ふだん学校で毎日顔を合わせていたその子が、その夏休みの登校日のときだけ、なぜだかすこし大人びて見え、まるで初めて会った転校生のように感じたことを覚えている。
15分ほど歩き、最寄り駅近くのコメダコーヒーでモーニングを食べて腹ごしらえ。モーニング、これもずいぶんとひさしぶりのことだった。高校を卒業