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おじさんに出会った

3日目は少し遠出。ホテル前の通りから流しのタクシーを拾って行き先を告げる。50分くらいかかりますよ?とのこと。全然OK

一通り見回って、さて帰りのタクシーはどこまで出れば拾えるかなぁ、、、来た時の運ちゃんは裏口(本堂に近い)に付けてくれたしなぁ、完全にお山だから、こっち側に流しのタクシーは来るはずないよねぇ、しかもここがどん詰まりだもんなぁ、空港=寺院のシャトルバスが出てるような観光地だから誰か捕まえたらタクシー呼んでくれるかな、あっちにバスが数台見えるからツアーにしろ何にしろあそこまで行けば誰か教えてくれるかなぁ、何なら乗せてくれるかなぁ、と境内に点在するベンチでゆったり。

してると、遠くからおじさんがひとり。わたしに手を振っている??いや、手招きしている。

全く異国語を話すおじさんが、わたしに売店横のテーブルベンチを勧めて、飲み物をいれてくれるらしい。わ、ありがとうございます!でもわたし、ただの観光客ですけどいいんですか?全く日本語で返してみた。理解してる風でもないのに、にこにこ飲み物をいれに行くおじさん。ベンチで待つわたし・・・ナニコレ??

インスタントの甘いカフェオレを頂きながら、や~ここ広いですね、それに静かでゆっくりしちゃいました。みたいなことを言ってみる。島有数の観光地のはずなのに、ほとんど人がいない。20分おきくらいに1組か2組の家族連れみたいな人たちが来るのと、敬虔な仏教徒なのか日本のそれとは違うお作法で長いお祈りをささげる人たちがいるだけ。いわゆるお寺の和尚さんだかお坊さんだかは見かけない。

おじさんが近隣住まい52歳の建築家で、今日はお休みを利用してお寺のお手伝いに来ているというのは分かった、一生懸命に本堂2回に並んだ8万体?の仏像は見るべきだと勧めてくれたが、わたしはもうここに2時間以上いるのだからとっくに見たし、本堂裏の何やら美しい千手観音像も岩窟堂も500羅漢堂に三聖堂も全部参拝した・・・あ、話がそれる。

とにかく全部見たからもういいのだと伝えるのに20分かかったけれど、何とかご理解いただいた。

わたしが41歳の自由業で、2日前にこの島に来てふらふらしていることは何とか伝わったように思うけど。自宅から真西にあるこの島がわたしにとって吉方位by氣学だからという目的までは伝えきれなかった。ここが中華圏なら漢字を駆使したらどうにかなったのだろうか。

なんにしろ、結婚はしてるらしいのに平日の昼間に一人でこんなところでふらふら何してるんだ??というようなことはしきりに言われたように思う。

そうしたら次はお腹空いてる?実は空いてるんだよね、なんせもう14時すぎだし、途中でコンビニにでもよって何か買おうかなと答えると。クリームパンを出してくれた。しかも2個!カスタードクリームと生クリーム!ぅわ!いいんですか?ありがとうございます!と完食してから、さておじさん!ここからが本番です。ここまでは間違っててもなんでもいいけど、せっかく話しかけてくれたおじさんなので、タクシーを呼んでもらいたいではないですか。

わたしは日本語と英語、おじさんは異国語で。

これが難しい、難しい・・・、ついにおじさんがGoogle先生を取り出しちゃいました。まぁ全然OKです。

最終的におじさんがスマホでタクシーを呼んでくれて、しかも運転手に次の行き先まで伝えてくれるじゃないですか!

なんてありがたいことでしょう!本当にありがとうございました!

結局そのあとおじさんの運転する車に乗って次の目的地まで連れて行って貰ったり、温泉施設代をお支払いすることになったり色々あるんだけど、おじさんの目的は分からない。お金目当てでもなさそうだし、なんというか心から親切な人だった。わたしほどぼんやりした観光客はめったにいないだろうから、心配だったのかな?と思う。

おじさんの親切に報いることができなかったのが心残りだ。

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