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顔で笑って心で泣いて

道化を演じる

僕のアイコンは道化師がモチーフになっている。            道化師とは本来、Clown(クラウン)と呼ばれ、中世ヨーロッパで宮廷道化師として王族に召し抱えられたことが始まりと言われる。

中でも道化も道化のような存在がPerrot(ピエロ)。日本では ❝ 道化師=ピエロ ❞ という認識だが、ピエロにはクラウンとは違う特徴があるのをご存じだろうか。そう、涙。ピエロは必ず涙のメイクが施されている。     

涙の理由は諸説ある。                        ある時ピエロは恋をした。しかしピエロの恋が叶うことは無かった。心から哀しかったピエロは、その時から涙を描くようになった。        いろんなドラマや本で、シチュエーションは微妙に違うものの、恋愛が叶わず、その思いを涙で表したという部分は共通している。

ピエロはパントマイムで感情を表現して大衆を楽しませるキャラクター。心の内を、ましてや言葉で伝えることなどできようはずもない。ピエロという職に徹し、いつでも何があっても笑ってみんなを楽しませなければならない使命を背負ってる。

傷つくことだってムカつくことだってイラつくことだって。人間だからネガティブな感情に支配されそうになることだってあるだろう。正に「顔で笑って心で泣いて」感情を押し殺して今日も道化を演じている。

アイコンが道化の理由

プロデューサーやディレクター、組織を動かす人や人の上に立って先導する立場の人は、常に矢面に立ち、いろんな障害や困難に最前線で立ち向かっている。

ネガティブな内容や相手からぶつけられる剥き出しの感情、辛らつな言葉を在りのまま全て正直に伝えることはあまりしない。直接伝えれば、伝えられた方もショックが大きいし、負の感情に支配され、上手く行くものも上手く行かなくなり、進捗を阻害される。デメリットを考えれば、グッとこらえて、咀嚼して飲み込んで、或いはオブラートに包んで、やんわりと伝えることだろう。

言わなくていいことは言わないし、知らなくていいことは知らせなくていい。全てを知らせたところで、それを解決できることなど稀だからだ。  ネガティブな感情は自分だけが背負えばいい。

今もなお、言うべきことと口を閉ざすことと使い分けている。クライアントに対してもメンバーに対しても道化を演じている最中かも知れない。

オープンじゃないと非難する人もいるだろう。これも人の上に立つ者の宿命か。好かれたり慕われたいわけじゃないけど、嫌われても致し方ない。  自虐的だと思うだろうか。でもそんな姿を俯瞰で見たら道化師の在り様と僕自身がダブるのだ。

余談だが、ジョークを言う道化師を世間では ❝ ジョーカー(ジョークを言う人) ❞ と呼ぶ。そう、トランプのジョーカーにはクラウンが描かれている。

僕もユーモアという意味でジョークは大切にしているし、制作でもユーモアを取り入れている。本音を語る上でジョークが打ち消してくれることもある。そういう意味でも、僕は道化師なのかもしれない。

素顔で語る時、人はもっとも本音から遠ざかるが
仮面を与えれば真実を語り出す

オスカー・ワイルド(アイルランドの詩人)

『顔で笑って心で泣いて』ってお話でした。

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