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【ALIVEとわたし】種村駿さん(たねさん)

 ALIVEの研修を通じた一番の学びは“相手の事を理解する”ことについて、リアルな体験を通じて経験することができたということです。

 相手の立場になって考えるとは何か、相手が何を求めているのか、普段の仕事や日常の生活でも考えることですが、いかにわかったつもりになっていたかを実感できた機会だったと思います。

◆    地元の方とのささやかな会話からの気づき

 一番印象的な体験は、Session2のフィールドワークで訪れた町のお菓子屋さんでのこと。お店のお母さんに「なぜ東栄町を住む場所に選ばれたのですか?」と質問しました。

 お母さんの回答は「とても住みやすい町。人との距離感がちょうどいい。都会みたいに娯楽やコンビニはないけど、毎日を楽しく暮らしている。」でした。

 その後も会話を重ねる中で、“お母さんが以前住んでいた名古屋の方が、お店や娯楽の選択肢が多く住みやすいのではないかと、頭のどこかで決めつけて話をしてしまった自分自身”がいることに気づいたのです。

 名古屋に無いけど東栄町にはある。

 お母さんが感じている、『人との関わり方やその人が満たされる価値観、大切にしたいもの』が少しだけ感じられた瞬間でした。私自身が田舎出身で、“地方には地方の良さがある”と思っていたにもかかわらず、その上で決めつけて話しかけてしまった、自分の価値観を前提として町を見ていたなと感じ、自分が恥ずかしくなったことを今でも覚えています

 あのシーンでは東栄町の良さは何ですか?と現地の人から色々と聞きだすことが目的。フラットに聞くべき機会だったのに、「東栄町は何かと不便ではないか」という気持ちをどこかに抱えていたのだと気づきました。相手の話を本当の意味で理解するための準備・意識ができていなかったと改めて感じました。


 だから、答申先への提案は、“相手の立場・気持ち“になることを心がけました。
 
 しかし、初めから相手に共感してもらえる提案ができるわけではありませんでした。Session2プレゼン後のフィードバックでは、「なぜ自分たちの班の提案が、受け入れてもらえないのか」とモヤモヤすることもありました。

 でも、その言葉の一つ一つに耳を傾けると、自分たちの提案は与えられた情報を使っているだけだったと気づきました。

 答申先が困っていることは何だろう。
 人口が減っているけどその裏には何があるのだろう。
 本当に困っていることが違うところにあるのかな。
 答申先はどんな世界を見ているのだろう。

 答申先の立場で同じ視線に立てているのか、Session2後は自分に問い続けていました。

 それは、自分の価値観の中で判断するのでなく、相手の価値観にあっているのか。相手の気持ちを100%受け取れているのか。「これってこうだよね。」と決めつけるのでなく、相手の発言やその奥にある価値観を受け取ることが大切なのだという気づきに変化していきました。


◆答申先のことを思い続けて迎えた最終発表


 内心選ばれるのではないかと、メンバーみんながドキドキしていました。結果は非採用ながら、答申先の方からフィードバックでは、“一番ワクワク度は高かった”と言っていただけたことで、“想いは伝わった”と実感でき、やり切った達成感と悔しさが入り混じる結果になりました。

 どこか納得しつつも内心はショックを受けていました。

みんなはショック受けていないと思い、自分だけショックを出すのは恥ずかしく平静を装っていました

 あるメンバーが「実は・・・・。」と話し始め、その後一人ひとりが想いを語り始めました。

 その会話を通して、みんな悔しかったんだと想いを共有することができました。

 ALIVEプロジェクトの3ヵ月間で30回を超えるチームミーティングを行い、「自分たちがワクワクしていなかったら、相手もワクワクしない」というグループの想いを貫くべく、とことん話し続けました。

 
 効率的ではなかったし、もっとやれることはあったかもしれないけど、みんなの想いをのせた提案に繋げられたからこそ、やりきった気持ちに満たされたのだと感じました。

 真剣に社会課題に向き合い、自分たちがワクワクすることを追求できたことは良かったし、何より3ヶ月間、他企業の方と協力しともに課題解決に向き合い、切磋琢磨できたことが非常にいい経験になりました。

 ALIVEでの活動は、単なる研修ではなく、ひとりの人間としてどうなりたいか・何を大事にしていきたいか、そんな大切な事を学ぶことができたと感じています。

 半年後に答申先へ行こう!

と誓った仲間達と共に、もう一度東栄町を訪れることが、今から楽しみでなりません。


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