【ALIVEとわたし】たんちゃん(荒川希望さん)
「ALIVE」それは地域や社会団体が抱えるリアルな課題に対して、複数の企業からの参加者がチームを組んで挑む3か月。
そこにかかわる人は、参加者、答申先、事務局と様々。
「ALIVEとわたし」では、そんなALIVEでのさまざまな物語を紡ぎだします。
今回は、ライター ショウハラが、たんちゃん(荒川希望さん)に話を伺ってきました!
◆「人生MAX」くらい落ち込んだ。でも、そんな自分を変えたいと思った
・人目を気にしすぎてしまう
・正解しか出したくない。失敗したくない
・他人と比べて「出来ない自分」に落ち込んでしまう
――― 自分の性質をそのように振り返るたんちゃん。
参画した長野県飯島町のプロジェクトでは、
そんな自分を受け入れ、真剣に向き合ってくれる仲間との出会いがあったといいます。
Session2で参加したフィールドワーク。
飯島町民の方々へインタビューをしていた時、
みんながどうしてその質問をするのか、理解できなかった。
出来る人が多すぎる・・・
説明力、アイデア・着想力。みんな自分より優れている・・・
アハハと笑えれば楽だったのに、そうはいかなかった。ズドンと落ち込んでしまった。
そんな気持ちを、みんなには伝えられなかった。
「人生MAX」といっていいくらい、落ち込んだ。
――― すごく苦しかったんですね・・・そこからどうしたんですか?
◆大好きな仲間に成長する姿を見せたい。それが最大の貢献だと思った
「Session2からSession3の間、ずっと考えてたんです。自分には何ができるんだろうって」
そんな時、ふとチームメンバーからもらった言葉が頭をよぎった。
「遠慮してる?」「大丈夫、失敗しても良い場だよ!」
たった3か月のプロジェクト。
テキトーにやり過ごすことも出来たかもしれないのに、
真剣に向き合ってくれる仲間がいることに、気付いた。
大好きなみんなに貢献したい。自分の存在意義を発揮したい。
そこからチームに貢献できることを必死に考えた。
発表資料の整理や日程調整。みんなの負担が減らせるような作業は率先して行った。
そして・・・
「自分がチャレンジしている姿勢を見せることが、きっとチームへの貢献になる」と、
決意を新たに、Session3に向かった。
「2回目のプレゼンを担当しようと決めたのは、
少しでも、”自分の変化”をみんなに見せたかったからなんです」
――― 嬉しそうに当時を振り返るたんちゃん。プロジェクトそのものはどうでしたか?
◆「この仕事は、誰のためか」を考えるきっかけに
「同じチームメンバーに、答申先役場勤務の方も参加されていたんです。
自分ゴト化せずにはいられなかったですね。
何としてでも採択されたい。みんなで必死に考え、議論を重ねました」
1回目・2回目のプレゼンテーション評価は上々。
みんなの力を集約し、最終プレゼンは「やりきった!」という思いだった。
しかしながら、
審査員からは「登っている山が違うんじゃない?」という評価だった。
みんなで必死に考えたプロセスがあったからこそ、後悔はない。
だけど、「自己満足ではなく、相手のための提案になっているか?」
という点においては、考えさせられる経験だった。
――― とても大事な気付き…仕事にも繋がりそうな点ですね。
「仕事では『お客様の期待は何か』を、常に考えながら働いているつもりでしたが、
価値観や前提が異なる方々との協業経験を経て、
人にはバイアスがあるということに気付けました。
自分が正解だと思っていることも、『思いこみかもしれない』と常に疑いながら、バイアスを取っ払う必要がある。
その点に気付けたことは大きかったです」
――― プロジェクトは終了しましたが、何か変化はありましたか?
◆「大丈夫だよ!」の一言がチームを変える
「めちゃくちゃありましたね!まず心にゆとりができました」
自分が一歩踏み出せたのは、「大丈夫だよ!」「やってみなよ!」と
声をかけてくれる仲間がいたから。
チームが前向きだと、「良いものを生み出そう!」という士気が高まり、
「多少の失敗は良いじゃん!」と、
気持ちを楽にすることができるようになった。
チームで成果を出すためには「心理的安全性」が何より重要であると体感した。
ALIVEでの気付きを意識して、職場のチームメンバーとの接し方も変えていった。
すると、新入社員からも意見やアイデアが出てくるようになってきた。
―――めちゃめちゃすごい変化ですね!
「まだまだ学んだことはたくさんありますよ!
成し遂げたい目的を果たすためには、
どのような選択肢を取るかにこだわりすぎる必要はない。
もっと柔軟性をもって良いんだ!と気付けました。
あとは、“人と比べている自分”に気付けるようになったのも大きいですね。
すっと、心が軽くなりました」
~取材後記~
つらかったことも、うれしかったことも、笑いながら素直に打ち明けてくださったたんちゃん さん。
「変わりたい」と奮闘する、真っ直ぐなその言葉に、思わず胸が熱くなりました。
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