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心癖論からみたシステムズアプローチ~同担歓迎かそれとも同担拒否か~
心癖論とシステムズアプローチの違い
心癖論はパーソナリティの理論なので、人間の行動に対して性格という原因論的ないしは還元論な側面を持ちます。
とはいえ、心癖論はパーソナリティとしての部分以外の側面も持っています。それは心癖論は、対象関係論的な感情の理論が基盤として存在しているという点です。例えば、六種を構成するIOという感情は、他者への信頼という関係性を作る感情です。
また、基本的心理欲求やスキーマは、その関係のコンテキストに関連しているものだと解釈できます。例えば、有能感への欲求という基本的心理欲求を持つ人は、他者との関係において、有能さの眼差しで信頼するか否かを判断しているという側面をもっています。
したがって、心癖論は真っ向からシステムズアプローチを否定した理論というより、システムズアプローチと共有する部分と対立する部分をもった理論であると考えることができます。
まず一番に重要な点は、心癖論もシステムズアプローチも、どちらもシステムを扱うことは可能であるという点です。例えば、エディプス・コンプレックスというシステムを考えてみましょう。エディプス・コンプレックスでは、近親相姦願望の対象である母GO-BOと去勢不安を引き起こす父POが中心的な関係になる。実際には、次のような感情のサイクルが想定されます。
‥‥→IS→GO→BO→PO→IS→WS→IS→GO→BO→PO→IS→WS→‥‥
子どもは何度も母との近親相姦的関係をIS‐GOを期待しますが、母と父の間には深い愛のつながりがあり、母親の期待に従わない側面BOが分裂して現れてしまいます。そして、その裏にあるものとして荒ぶる父親POが想起されます。POによって子どもは自分のなかに弱い自分WSを見出すようになります。
エディプス期には子ども視点では、このような三者が関連するパターンがシステムとして形成されます。
これをシステムズアプローチでしばしば使われるような形の図に落とし込むと次のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1718196188400-7MozS2BLPP.png?width=800)
余談ですが、この図では感情の内容(コンテキスト)は決定していません。それはもしかしたら、ミルクを飲んで空腹を満たしたいという自律性の欲求に関するものかもしれないし、母親を自分の思い通りにすることで有能感を得たいのかもしれないし、母親が側にいることで安堵感を得て関係性の欲求を満たしたいのかもしれません。
まぁ、ともかく、特定の人物の視点・枠組みから捉えたシステムと感情のつながりが等価であるということは理解いただけかと思います。
では、システムズアプローチと心癖論の一番の違いはなにかといえば、システムの枠組みとして、108の感情を前提にしていることです。システムの中で、使われる感情は108種類しかありません。これは、不自由さにつながるかもしれませんが、その一方で、個々人の欲求を明確に捉えられるという利点があります。
アイドルファンの二種類のシステム
例えば、アイドルが好きな人というのはしばしば居ます。しかし、その推し方は多様で、現在では同担歓迎(親衛隊)と同担拒否(推し被り敵視)の大きく分けて二種類の推し方が存在しています。それぞれ、推し方は個々人の自由ですが、両者の違いをはっきりさせておくことは良いことでしょう。
まず、同担歓迎(親衛隊)について。同担歓迎は同担との十種的な関係を背景にした心理と考えられます。同担歓迎をする個人視点を図に表せば次のようなシステムでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1718188417677-beCCAuNfqZ.png?width=800)
この関係が個人にどのような感情サイクルを引き起こすかというと次のようになります。
‥‥→IS→GO→WO→GS→WS→IS→GO→WO→GS→WS→‥‥
より具体的な内容(今回はタイプ7の場合)を書いていけば次のようになります。
IS 私は友達と楽しみたい(タイプ7の関係性欲求)
GO 推しは皆を楽しませてくれる尊い存在
WO 同担は尊いアイドルの下にある楽しみたい存在
GS 同担と友達になってより楽しんでほしい
WS 自分は友達を楽しませられない
同担歓迎のファンはアイドルという大きな光に同一化しつつ、同じアイドルを推している友達と自分を楽しませようという意志が発生しています。
次に、同担拒否(推しかぶり敵視)のファンについて。同担拒否は八種的な関係を背景にした心理と言えます。
図に表せば次のようなシステムでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1718198703574-RNccRXtGi4.png?width=800)
この関係において個人は次のような感情のサイクルを経験する。
‥‥→IS→GO→BO→PO→PS→IS→GO→BO→PO→PS→‥‥
より具体的な内容(今回はタイプ2の場合)を書いていけば次のようになります。
IS 推しに愛されたい
GO 私の推しは私を愛してくれる
BO 私を愛さない推しは本当の推しじゃない
PO 私から推しを奪う相手は私のことをバカにしている
PS ホントの推しを理解しているから私のほうが愛されるべき
同担拒否のファンは自分の中の光である推しを求めつつ、その光を奪いかねない他者を拒絶しています。
同担歓迎と同担拒否の二種類のシステムを見てきましたが、この内のどちらかがどちらかより精神的健康であるという話に着地できるかというとそうではありません。同担歓迎型も同担拒否型も他のファンやアイドル当人に対してある意味で傲慢です。
同担歓迎型は勝手に他のファンの推し方を規定してしまうし、同担拒否型は自分の世界に閉じこもってしまっています。
自分の傲慢さを自覚しつつ、自己判断で素直に推し活をしていくことが良いんじゃないかと思います。
実際のアイドルの推し活では単純に同担拒否・同担歓迎に分かれているわけではなく、接する人やコンテキストに応じて、敵と味方は入れ替わり立ち変わるものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718201789256-UIVLw5p9us.png?width=800)
まとめ
以上のように心癖論の視点をシステムズアプローチに加味することで、似たような推し活のような類似したコンテキストにおける同担拒否と同担歓迎のようなシステムごとの違いを明確に把握することができます。
また、システムを抽象化していることで、エディプスコンプレックスのようなシステムの枠を考えることができるようになります。
ちなみに、今回のサムネのイラストもAnimagineXLですが、私の好みは同担歓迎さんの方です。包容力が良い。もちろん、同担拒否ちゃんもかわいいけどね!!
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