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興味を持たせてくれないと~

半世紀生きてきた私と若者の受けてきた教育は違う。

私はつめこみ教育。スパルタ。ついてこい、そしてついていけないヤツは置いてくぞでもなく「とにかく全員ついてこいよ、わかったな!」みたいな教育だった。

ちょっと待ってという自由も、置いてけぼりになるという自由もない。とにかくついていくしかない。

時代は変化して「ゆとり世代」などの時期は、興味、関心、意欲を引き出すような教育が行われた。

最近、その受けてきた教育の違いを強く感じることがあり、ものすごい驚いた。

私はいろいろなものに興味を持つことはいいことだと教わってきた。自分のアンテナを張り巡らせておもしろそうなものをキャッチしたり、探したりすることを自分で積極的にやっていけることが大切だと思っていた。

辺野古新基地建設の問題について、まったく興味のない20代の方が、「自分とぜんぜん関係がないのにどうして興味が持てるんですか?どうして興味を持たせてくれないんですか?引っかかるフックが何もない!」と言っていた。

えっ? 私としたらどうして興味を持たないの?と言ってしまうところで逆ギレされた気がしてジェネレーションギャップを感じた。

そうくるか~。なるほどね。自分で取りにつかみにいく教育から、与えられる教育になっていき、溢れる情報の中で、興味を持てるような働きかけが何もないなら興味を持つ人がいなくて当然ということだ。

私にはない発想だったので、とても衝撃的だった。

たしかにね。いろいろな発信が大切。

一つの物事も見る角度でずいぶん違ってくる。だから、辺野古新基地建設についてのアプローチが少ないんだよね。

今は、世界的にも希少な生態系を持つ辺野古の自然破壊はどうなんだ、人権侵害が行われているのはどうよ、利権だよ!みんなの税金を利権に群がるやつらに簡単にあげていいの?といった角度からのアプローチ。

多様な人がいて、どの分野に共感するかはそれぞれ違う。だから、みんなに合わせてフックをたくさん作っておく必要があるのだなと思った。


中3男子が病気で長期入院して、治療のために免疫力が落ちるから、歯磨きをしっかりしないと薬を飲んだりすることに支障があるけれど、めんどくさいからとちゃんとやらずにいた。

付き添いの親も看護師も、歯磨きをするように言い、歯磨きの大切さを説き、それでもぜんぜん聞く耳を持たなかった。

ある日、医師が「そういえば、歯磨きしないんだって?聞いたよ。歯磨きしないと口すぐ臭くなるよ。女の子にモテないよ~。」と言ってハハハ~と高笑いして部屋を出て行った。

するとその日から毎日、ていねいに歯磨きをするようになったらしい。
中3男子の夏。

中3男子に、どんなに歯磨きの重要さを伝えても心に引っかからない。でも「女の子にモテない」というワードがフックになった。

その人の興味に引っかかるフックとなる言葉が大切。

若者の考え方で驚いたけれど、私にはなかった気づきをもらえてよかった。
ありがたい。

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