人生200年間時代の到来

 ハーバード大学医学大学院教授のデビッド・A・シンクレア博士(老化の原因と若返りの方法に関する研究で世界的に知られる。『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」(2014年)や「医療におけるトップ50人」(2018年))によると、人生200年時代の到来があると言う。一例としてマウスでの実験では1回のリセットで眼球や網膜の再プログラム化ができ、視力を回復することができるというから、革命の一歩手前と言っても過言ではない。彼の研究グループはエクササイズをしないでそれと同様の効果を与える薬を開発中。彼の長年の研究によって至った結論は、老化は身体情報の喪失によって引き起こされるということで、それは堅牢な遺伝子情報ではなく、エピジェネティクス情報(DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御・伝達するシステム)と呼ばれるもの。細胞が適切な遺伝子を適切なタイミングで読み取ることを可能にするシステム。ヒトはエクサササイズをしたり健康的な食事をしたりすると、エピジェネティクス情報を失うプロセスを減速させることが可能。細胞内に若さのバックアップコピーと言えるものがあり、それは若い時の情報がまるでハードディスクのように細胞に組み込まれている。それを再起動することで細胞が若い時の遺伝子を正しい方法で読み取れる状態に戻れる。

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