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【再掲載小説】ファンタジー恋愛小説:最後の眠り姫(24)

前話

城に帰ってくるとお母様もお父様もばたばたと馬に駆け寄ってきた。二人して私の腕をとる。そしてしきりに心配する。不思議そうな顔をしているとクルトがそっと言う。
「君は息子よりも大事な次女、なんだよ」
 次女。私にはお姉様がいなかったから少しくすぐったい気持ちで聞いた。今は妹なのね。嬉しそうに笑顔を返すとまた「ちゅー」といってクルトは顔を近づけてきた。そこに割り込む王妃様と王様、弟のヴィルヘルムに姉のカロリーネ様。みんながクルトの「ちゅー」を妨害してクルトはすねていた。それを見た私は爆笑する。
「クルト、何時までも『ちゅー』って予告してたら、止められるわよ」
「じゃ、予告なしならいいの?」
 ちろん、と恨みのこもった目で見られて私はうなった。それはそれで魅力的だけど、乙女に「ちゅー」は早すぎるわ。新妻の特権よ。
「姉上、新妻の特権なんて言ってたらいつまでたっても離してもらえないよ」
「ヴィー!」
 私は真っ赤になってヴィルヘルムを追いかけ始める。次第にそこに笑いが起きた。ヴィルヘルムも私もみんな、笑っている。幸せな時間がそこにあった。
「まぁ。幸せなこと」
 陰湿な声にはっとした。誰?
「アウグスタ」
「息子に娘に恵まれた王妃様はそれはよろしゅうございますねぇ。私の方にも分けて頂きたいわ。ねぇ。陛下」
「う、うむ・・・」
 気味悪い雰囲気が辺りを包む。
「アウグスタ母上、ここはエミーリエ様がいます。お話なら父上、母上となさって下さい。エミーリエ様は国の宝。いくらアウグスタ母上でもこの場を穢せば何が起こるかおわかりですね」
「ヴィー!」
 しっかりとヴィルヘルムを抱きしめる。まるで殺さんばかりににらみつけている。
 どうしたのかしら。ヴィルヘルムがこんなに殺意というものを持つなんて。幼い子供だけじゃなくても不穏過ぎるわ。
「さぁ。行きましょう。エミーリエ様。失礼。アウグスタ様」
 カロリーネお姉様が手取って一緒に連れて行く。クルトもヴィルヘルムも私を守るようにその場を離れる。厩の敷地を出ればさっきの嫌な雰囲気は一掃されていた。
「もう。大丈夫。アウグスタ様は魔力をお持ちだから、エミーリエ姉上にとっては脅威なんだよ」
「って。私も魔力を持っているわよ?」
「僕ほどではない。僕でも喰われかねないほど持っている。その力がありすぎて離婚できないんだよ。ヘビのように絡みつくから」
「カロリーネお姉様の縁談、もしかして、アウグスタ様の?」
 そうよ、とカロリーネお姉様が言う。
「そんなしょうもない事より、今日から住む部屋を決めましょう。ほら、こっちよ」
 カロリーネお姉様が手を引く。つられて小走りになる。私達はあっという間にクルトの宮殿に入っていた。


あとがき

復帰しました。なんとか昨夜から処方されている薬を飲んでお茶飲んでとしてやっと三日目の食事をして白コリ一族の濁りの相談してきました。三日間ベッドだけでほぼ過ごしていた私。筋肉も落ち、体重は激減、果ては飲み込む力さえ激減。命の危機を感じてます。これじゃ、老衰だわ。明日はしっかりと通院しないと行けないため、復帰しないと行けないのでしたが、明日の朝にゴソゴソ動くと思っていたので珍しく早く復帰できて助かりました。白コリ一族への執念でほぼ復帰したようなものです。相談に行けば濾過器は買い換えなくて良いらしく、水草を入れて養分を取ってもらって水替えの感覚を調節して、さらにここがポイント、コリドラス専用の餌に少し切り替えて様子をみれば大丈夫とのこと。高いので最近入荷してからも金魚の餌で、どうもそれが多すぎたようなのです。先ほど、作業して水草入れてきました。隣の三十センチキューブのコリパンダの所は初期から水草があって、それで金魚のカロリー高い餌でも養分を吸っていてくれたようです。この事がなければまだぶっ倒れていたかも。通院さえぶっ飛ばし。たまたま夜中になろう系ノベルの単行本を三冊読み続けて時間感覚などが狂ったようです。Kindleでなけなしの金をはたいて読んだその本は正直、これがいわゆる聖女様ばたーんなの? と呆然としてしまいました。年齢層どこ? みたいな。あまりにも章立てやら一人称の乱れ、に飽き飽きしてしまいました。最初から三人単称でやればいいのにと言うぐらいの思惑が飛び交って一人称がばらばらとあるのです。それでもって章立てが平等でない。偏っているので続き出ても買わないかもしれません。そして転生ノベルも。ただ烏の宮は気になりました。ただ、そんなに長々と読んでる時間はないため今後の計画に入れておきます。三冊でダウンした読書。何か面白いものないですかね。結局、この連休の内に書きためようとしていたのに書けず……。頭の中は二次で一杯。というかこの二次を考えてから復帰したという。二次の力恐るべし。たまたま次の第二部を考えてたら頭が明晰になってきて起きようか、となったのです。そこから怒濤の復活劇。お風呂入ったし、寝具も変えたし、茶は飲み過ぎるし。また体重戻るんじゃ……。朝活復活遠いです。それは朝活と手帳のアカウントでおはなししますね。それでは長々と復帰劇を読んで頂きありがとうございました。当分、この眠り姫だけかもしれません。か。訳あり入れるかユメいれるか。

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